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真の勝者がいなかった仏地域圏議会選挙

忍び寄る極右「国民戦線」の脅威

  • 渡邊 啓貴

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2015年12月17日(木)

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 12月6日と13日に行われたフランスの地域圏(州に相当する)議会選挙で、保守派・共和党を中心とする右派連合が本土13地域圏のうち7地域圏で議席の過半数を制した。第2回投票の得票率は、フランス全体で右派連合が40%、左派連合が29%。排外主義を標榜する極右「国民戦線(FN)」は27%にとどまった。

フランスの極右政党、国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首。地域圏議会選挙において、いずれの地域圏においても第一党となれなかったものの、ますます存在感を増した(写真:AP/アフロ)

 今回は保守派がまきかえした格好となった。左派連合は5地域圏で過半数を取るにとどまった。2010年に行われた前回選挙ではアルザス地域圏以外(当時はフランス本土で22地域圏)はすべて、与党社会党を中心とする左派が勝利していた。

 FNは12月6日の第1回投票で本土13地域圏のうち6つの地域圏で第1位となり、かつてない躍進を示した。欧州の極右政党として初めて、州規模の地方自治体で首長ポストを獲得できるかと注目されたが(議会で第1党となると首長ポストを獲得できる)、結果的にはどの地域圏においても第2回投票で第一党となることができず、苦杯を舐めた。複雑な選挙制度が同党の拡大を阻んだ。

真の勝者も敗者もない選挙

 しかし2010年の地域圏議会選挙以来、FNの勢いが加速度を増したことは確かだった。マリーヌ・ルペン同党党首は、第2回投票の直後にも「私たちは野党一党です」と気焔を上げた。同党は最近、選挙のたびにこう言っている。マリーヌ党首の姪で、最年少国会議員でもあるマリオン・マレシャル・ルペンは、「『勝利者に屈辱を与える』という勝利もある」と応じた。どちらも、今回の選挙が2017年に行われる大統領選挙に向けた布石となることを強調した。

 今回のFNの躍進は、2017年の大統領選挙の行く末を占う上で意味を持つ。したがって勝者となった保守派も事態を楽観視してはいない。2017年の大統領選挙で有力候補になるとみられる共和党のジュペ元首相は第2回投票の開票直後に「私の最初のメッセージは、党の近代化に向けて『はっきりと方向転換すべき』という私の決断を確認することだ」と述べた。

 与党・社会党は第1回選挙が終了した直後にヴァルス首相が左派が団結することの重要性を強調。その一方で、不利な選挙区では早々に候補者リストを取り下げ、共和党との協力姿勢を取ることで、極右の攻勢に何とか抵抗した。社会党が壊滅的な打撃を受けることなくすますことで面子を保った(社会党は5つの地域圏議会で第一党の地位を確保した)。ヴァルス首相は、「すぐに内閣を改造する意思はない」と発言し、社会党政権が路線を変更することはないことを示した。

 以上のことから今回の選挙は、いわば「真の勝者も敗者もない選挙」だったと言えるだろう。

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