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「精子のアンチエイジング」怠るべからず

“精子力”は若さの指標。睡眠&栄養の勘所は?

2016年3月25日(金)

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 アンチエイジングといえば、女性の関心事と思いがちだが、そうではない。WHO(世界保健機関)の「世界保健統計2015」によると、平均寿命84歳の日本は世界一の長寿国だ。しかし男女別に見ると、女性は第1位なのに、男性は第6位にすぎない。日本では、女性は健康に気を遣っているが、男はそうでもないという現実がそこから見て取れる。本当にアンチエイジングが必要なのは、実は男性のほうだった!

 今回のテーマは「精子のアンチエイジング」。

 女性はやがて子どもを産めなくなる。しかし精子は毎日作られるため、男性は何歳になっても子どもを作れる。そう長いこと思われてきた。ところが最近の研究から、男性も歳を取ると妊娠させるのが難しくなることが判明。"精子力"は若さのバロメーターにもなっているという。

男は何歳になっても子どもを作れるのか?

 今年、タレントの石田純一さんは62歳にしてまもなく娘を授かる。チャールズ・チャップリンは73歳で父親になっている。性行為さえできれば、男は何歳になっても子どもを作れるもの――と信じている人も多いだろう。

 ところが、実はそんなことはないらしい。「高齢になっても子どもを作れる男性もいる一方、35歳を過ぎると"精子力"、すなわち妊娠させる力が落ちる男性も多い」と、獨協医科大学越谷病院(埼玉県越谷市)泌尿器科の岡田弘主任教授は指摘する。

 782組の夫婦を対象に、「夫婦の年齢と妊娠する確率」を調べた研究がある。妻の年齢が27~34歳の場合、「夫が同い年」でも「夫が5歳上」でも妊娠率はほとんど変わらない。ところが妻が35~39歳になると、「夫が5歳上」は明らかに妊娠率が落ちる(下グラフ)。つまり、40歳を過ぎた男性は妊娠させにくくなるわけだ。

 別の調査では、5081人の精液を調べた結果、精子の数は35歳から毎年1.71%ずつ減り、精子の奇形率は41歳から毎年0.84%ずつ増えることが分かった。さらに44歳から精子の運動率が落ちていく(Fertil Steril. 2013 Oct;100(4):952-8)。

静脈瘤で男性不妊症になることも

 要するに、男性にも子作りのタイムリミットはあるということ――。晩婚化が進んでいるが、子どもが欲しかったら40歳までに結婚したほうがいいだろう。帝京大学医学部泌尿器科の木村将貴講師によれば、「一般に子どもを作ろうと思ってから1年間できなければ不妊症。そのうち、40~50%は男性にも原因がある」という。

 1年以上経っても子どもができない場合、特に40歳を過ぎていたら早めに医療機関に行って検査を受けてほしい。精索静脈瘤や停留精巣が原因になっていれば、手術による治療が可能だ。

 精索静脈瘤とは、精巣(睾丸)の上にできる静脈瘤。精巣の温度が上がり、活性酸素も多くなるため、精巣の機能が落ちてしまうのだ。15%以上の男性に精索静脈瘤が見られるが、特に不妊症の人では35~40%にあるという(Urologia. 2014 Jul-Sep;81(3):165-8)。手術は難しいものではなく、受けた当日に家に帰れる。

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「「精子のアンチエイジング」怠るべからず」の著者

伊藤 和弘

伊藤 和弘(いとう・かずひろ)

ライター

フリーライター。1967年生まれ。新潟大学法学部卒業。医療・健康分野、文芸・マンガ関係の記事を中心に執筆。著書に『少年マガジン伝説』(電子書籍)がある。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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