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ミズノが仕掛ける野球のビッグデータ革命

出発点は「見える化」を実現するセンサーの開発

  • 内田 泰=デジタル編集センター

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2015年12月1日(火)

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 日経BP社が12月4日に初めて開催するスポーツビジネスのシンポジウム「Sports Innovation Summit 2015」──。10月に発足したスポーツ庁の初代長官に就任したソウル五輪金メダリストの鈴木大地氏、アシックス社長CEOの尾山基氏が基調講演を行うほか、キーパーソンたちが登壇し、スポーツビジネスの最新動向やビジネスモデル、先端テクノロジーの活用情報、普及に向けた課題などをテーマに議論する。

 この連載では、同シンポジウムの開催に先立って、登壇するキーパーソンの革新的な取り組みや先端テクノロジーの活用例などを描いた関連記事をお届けする(スポーツビジネスのトピックスを紹介する新たなサイト「スポーツイノベイターズオンライン」はこちら)。

 今回は、野球のバッティングなどの可視化センサーを開発し、「脱・売り切り」型のビジネスモデルの構築を目指すスポーツ用品大手、ミズノの取り組みをリポートする。この活動のキーマンである同社研究開発部主任研究員の鳴尾丈司氏が、Sports Innovation Summit 2015のテクノロジーディスカッション「スポーツ、『データ革命』最前線」にパネリストとして登壇する。

スイングの見える化に挑んだ、厚ヶ瀬美姫選手

 ヘッドスピードは時速128.9km――。

 2014年に開催された女子野球ワールドカップの優勝メンバーの一人である、厚ヶ瀬美姫プロは2015年10月31日、東京にある神宮バッティングドームにいた。左打席に入り、ピッチングマシーンが繰り出す時速110kmの球を次々に弾き返していく。

 彼女はバッティング練習が目的で、そこに来たわけではない。これまで見たことがなかった自分のバッティングの挙動を明らかにするのが目的だ。その証拠に、彼女が握るバットのグリップ部には、スポーツ用品大手であるミズノが開発したスイング解析システム「スイングトレーサー」が取り付けられている。

スイングトレーサー。センサー部(2万9800円、税別)と別売りのアタッチメント(1800円、税別)で構成される。取得した結果はすぐに端末の専用アプリに表示される

 スイングトレーサーは、加速度センサーと角速度センサーを内蔵する。重さはわずか15g。専用アタッチメントを介してグリップエンドに装着し、バッティングをすることでスイングを「見える化」する。計測したデータはBluetoothで即座にスマートフォンやタブレットに転送され、専用アプリでリアルタイムに結果が表示される。

 「自分のスイングが(数字として)詳しく出たので驚いている。疲れてくるとバットのヘッドが下がったりするが、それがはっきり見えることで自分の調子の管理に役立ちそう」。厚ヶ瀬選手はスイングデータを見ながら、感想をこう語る。

トップシェアの矜持

 スイングトレーサーは、野球やソフトボール用具の国内市場で約40%のトップシェアを持つミズノの戦略商品である。バットやグローブといったこれまでのスポーツ用品とは異なり、継続的なサービスを有料で提供することによって、商品以外の部分でも収益を上げる。いわば「脱・売り切り」型のビジネスモデルである。主な販売ターゲットは、レベルアップを目指している中学・高校・大学・社会人などの野球部やソフトボール部などである。

厚ヶ瀬選手のスイングデータの一例。ヘッドスピードとスイング軌道が表示されている

 具体的には、毎月のクラウド使用料(選手用は月980円、指導する複数の選手のデータを一覧できるコーチ用は月2980円)を支払って会員になれば、ミズノがスイングのデータをクラウド上で管理し、技術面の解説などトレーニングのためのサポート情報を提供する。発売は2015年5月。当初はティーバッティングにしか対応せず、端末もAndroidのみだった。しかし、11月初頭にはフリーバッティングに対応するとともにiOS端末でも使えるようにした。

 ミズノは2013年5月、IT(情報技術)の活用でスポーツライフをより快適にすることを目指す社内横断プロジェクト「HITONAVI(ヒトナビ)」を立ち上げた。スイングトレーサーはその成果物の一つ。そこには野球・ソフトボール用具のリーダーとして、他社に先駆けて新しいビジネスに挑戦するという矜持がある。

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