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「イカくん」の謎とロシアのソウルドリンク

ロシアを自由に個人旅行する方法

2016年1月30日(土)

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 今回は、イルクーツク発57列車でノヴォシビルスクまで1泊2日、2等車で32時間の旅である。乗る前に思ったのは、前回の列車が60時間だったので、「今度は短いな」ということ。慣れとは恐ろしいものである。そして、列車番号が「207」から「57」に減っているので、車両の内容も少しは格上なのではないかという期待もあった。

イルクーツクで発車を待つ57列車。イルクーツクともこれでさよならである

 ところで、30年前にイルクーツクからモスクワに向かったときは、ロシア号がなんと約12時間遅れるという事態に遭遇した。あとで聞いたところでは、どこかで脱線事故があったのだそうだ。そんな時間があったらバイカル湖観光でも連れていって欲しかったのだが、駅の近くのホテルに移送されて部屋でぼんやりと出発を待っていたという情けない記憶がよみがえってきた。

 そんな事態がまた起きたら、ノヴォシビルスクでの滞在時間がほとんどなくなってしまうのだが、幸いなことに列車は無事定刻の15時55分(イルクーツク時間)に発車した。

真っ先に「スタカン」と「ロージカ」を借りる

 もっとも、定刻に発車したのも当然で、57列車はイルクーツク始発だったのだ。やはり始発列車はいい。車内の空気はきれいだし、寝台の布団も何となく清潔な気がする。

 客車自体もまた、イルクーツクまでの207列車とくらべてみると、壁がきれいで枕元のランプや小さな網棚のデザインもやや新しい。通路には埋め込み式の補助席もあって、製造はこちらの方が新しいことがうかがえる。

車掌さんは、切符のチェックや乗客の案内など発車前から忙しい

 列車が走り出してしばらくしたところで、車掌さんの仕事が一段落したのを見計らって車掌室にカップとスプーンを借りに行くことにした。

 カップとスプーンは、前回の列車で学んだ通り、「スタカン」と「ロージカ」。このときには、他人にお願いをするときに、英語のプリーズに当たる「パジャールスタ」を付けることも覚えていた。車掌さんは、メモ帳に私たちの寝台番号を記入して、すぐに貸し出してくれた。

 「素晴らしい、完璧だ。もうシベリア鉄道に怖いものはない」

 自画自賛したのだが、今思えば、カップとスプーンは2つずつ借りたのだから、複数形にしなくてはいけなかった。ちなみに、その後調べたところによると、複数形は、「スタカーナ」と「ロージキ」になるらしい。

まだ窓が汚れていないので、窓越しでも写真をきれいに撮れるのが気持ちいい

 自画自賛ついでにいうと、「スパシーバ」と「ハラショー」もすぐに口から出てくるようになっていた。「スパシーバ」は「ありがとう」、「ハラショー」は「よい」「おいしい」「素晴らしい」「分かった」という意味。何かいいことがあったら「ハラショー」と言えば、たいていのロシア人はあの恐い顔の相好を崩して喜んでくれる……ことが多い。この2つもまた、ロシアを旅するときの必須単語である。

コメント2

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「「イカくん」の謎とロシアのソウルドリンク」の著者

二村 高史

二村 高史(ふたむら・たかし)

フリーランスライター

1956年東京生まれ。東京大学文学部卒。小学生時代から都電、国鉄、私鉄の乗り歩きに目覚め、その後も各地の鉄道を乗り歩く。現在はフリーランスの物書き。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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