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外国人を引きつける伝統芸能「神楽」の魅力

中国地方随一の過疎の町に学ぶインバウンド戦略

  • 須永太一朗

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2015年12月3日(木)

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 訪日観光客の勢いが止まらない。「2020年に年間2000万人」の目標は既に射程に入り、さらに4000万人に引き上げる案も浮上する。そうした中、一部の観光都市にとどまっていた効果が地方に波及し始めた。日本人が魅力的に捉えなかった、何気ない田舎の日常風景。それが外国人の目には新鮮に映り、貴重な観光資源に変わる。観光資源がないと諦めていた「おらが村」に外国人を呼び込む。インバウンドの第2ステージ、それは地方創生の原動力になる。

 日経ビジネス11月30日号の特集「おらが村のインバウンド」では、インバウンドの第2ステージにいち早く取り組み始めた企業や地域の成功例や失敗例を提示し、成功の秘訣を探った。この連載では、特集の連動企画として、誌面では紹介しきれなかった地方や海外の先進的な取り組みの詳細をリポートする。

安芸太田町の津浪大歳神社では、米国人のクーパー夫妻を前に神楽の練習が行われた

 11月9日の午後8時半過ぎ。広島県安芸太田町にある津浪大歳神社の前に1台のタクシーが到着した。通訳とともに姿を現したのは、米国人のマイケル・クーパーさん、エルサ・クーパーさん夫妻。地元の観光ガイドが鳥居の意味や、二礼二拍一礼の参拝方法などを順に説明し、2人も教わった通りに参拝した。そして8時45分過ぎ、社殿の中。にぎやかな太鼓の音とともに、地元の津浪神楽団による伝統芸能「神楽」の練習が始まった。

 この日、神楽団が練習したのが、日本神話に登場するスサノオノミコトが、疫病を退治する鍾馗(しょうき)という演目。夫妻は地域住民が演じる勇壮な舞いを真剣な表情で見つめ、カメラを取り出して何度もシャッターを切った。

 練習が終わると、クーパー夫妻は社殿に飾ってある神楽の衣装を試着し、団員と記念撮影をする機会にも恵まれた。マイケルさんは「大好きな日本の伝統文化に触れ、とても貴重な体験をできた」と笑顔で話した。

ありのままの姿を見せる

 この取り組みを見て「安芸太田町が外国人観光客向けに、わざわざ神楽の練習をした」と思う方も多いだろう。だが「地元の神楽の練習スケジュールに合わせて、外国人観光客を呼んだ」というのが実態だ。つまり外国人観光客が来るからといって特別なことは何もせず、地域のありのままの姿を見せているのだ。

 実際、神楽の練習は地元で1~2週間に1度は開いている。その練習の場を開放して、外国人にも見てもらうことにした。

 一風変わった外国人ツアーの仕掛け人が、町の観光協会の吉田秀政事務局長だ。吉田さんは秋田県生まれで、大手旅行会社に勤めた経験を持つ。観光を通じて地域振興に貢献したいという思いを持ち、当時募集していた事務局長職に応募して選ばれ、2011年、縁もゆかりもない安芸太田町にやってきた。

 島根県と境を接する山間部にある安芸太田町は当時、中国地方で最も人口減少率が高い町。吉田さんは地域活性化のためには、観光で人を呼び込むしかないと考えた。安芸太田町には、国の特別名勝に指定された峡谷「三段峡」などの景勝地があるが、日本人観光客は休日に集中しがちで、平日の集客が課題となっていた。

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