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絶対王者・羽生結弦がもたらす莫大な「富」

メダルラッシュ支える日本スケート連盟の財務基盤

2015年12月9日(水)

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 東京五輪の開幕が刻一刻と近づく中、刻一刻と日本のスポーツ市場が衰退している。2015年の市場規模は前年と比べて7%縮小し、2兆8000億円となった。ひるがえって米国。2014年は約54兆円に達し、過去10年で約2倍に拡大した。潤沢な民間資金が、国別の五輪メダル獲得数で歴代断トツのスポーツ大国を支える。調査機関が違うので単純には比較できないが、それにしても日米の格差は20倍だ(日本市場はマクロミルと三菱UFJリサーチ&コンサルティングの推計を基に試算、米国市場は米プランケットリサーチの推計)。2015年11月30日に発売された書籍『狂騒の東京オリンピック 稼げなければ、メダルは獲れない』では、2020年に向けて、日本スポーツ界の処方箋を考えている。本連載では、同書の内容を再構成して、そのエッセンスを紹介する。

 羽生結弦の実力が、前人未踏の領域に達した。

 11月28日、長野市で開かれたグランプリシリーズ最終戦のNHK杯で、世界初の300点超えとなる合計322.40点を叩き出し、ぶっちぎりで優勝した。羽生は試合後、笑顔でインタビューに応えた。

グランプリシリーズで世界初の322.40点を叩き出した羽生結弦(写真:AP/アフロ)

 「自分は絶対王者だ。そう言い聞かせながら滑った」

 「絶対王者」羽生結弦、21歳。日本スケート連盟が築き上げた「スター量産システム」の申し子だ。

 荒川静香、浅田真央、高橋大輔…。

 日本フィギュア界は、これまで多数のスター選手を生み出してきた。スター選手たちは、スポンサー、テレビ局、ファンを引きつけ、莫大な資金をもたらす。日本スケート連盟はその資金を元手に、次世代のスター選手を発掘・育成する循環を動かしている。

 慢性的な金欠状態にある、大多数の競技団体が目指すべきモデルがそこにある。

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「絶対王者・羽生結弦がもたらす莫大な「富」」の著者

日野 なおみ

日野 なおみ(ひの・なおみ)

日経ビジネスクロスメディア編集長

月刊誌「日経トレンディ」を経て、2011年から「日経ビジネス」記者。航空・運輸業界や小売業界などを担当。2017年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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