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ロールス・ロイス襲う2つの危機

6億ボンドの罰金のみにあらず

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2017年1月27日(金)

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 英国のロールス・ロイスと聞いて今でも高級自動車メーカーを思い浮かべる人は、同社の現在の本拠地を見たら衝撃を受けるに違いない。そこは質素な工業団地なのだ。商用ジェット機用エンジンで世界第2の規模を誇る「トレントXWB」は、まさにこの地で組み立てられている。このエンジンの部品には許容誤差が50ミクロン(人間の髪の毛の太さと同じ)のものもある。

ロールス・ロイスが開発する商用ジェット機用エンジン「トレントXWB」(写真:ロイター/アフロ)

 今、このロールス・ロイス・ホールディングスの経営は少々面倒な事態に陥っている。

 同社は1月16日、事業を獲得する目的で過去に贈賄に及んだという疑惑を決着させるため、合計6億7100万ポンド(約950億円)を支払うことで米国、英国、ブラジル各国当局と合意した。このうち英国が科した罰金は、同国が企業1社に対して科した金額として史上最高だった。

 だが不正の内容を考えれば、これでも軽く済んだ方だろう(近年の経営陣が協力したことが大きい)。同社は数十年という期間にわたり7カ国で十数件の汚職と贈賄に関わったことを認めた。エンジンを購入してもらうため、現地の官僚たちに現金やホテル滞在の便宜のほか、自社製の高級車までも与えていた。

 ロールス・ロイスは同社をトラブルに巻き込んだ無責任な第三者コンサルタントの起用をやめるとともに、全スタッフに対する監督を強化すると約束した。再び過ちを犯せば、そのときには今回の嫌疑に対しても起訴されることになる。

 この件が決着したことで、心配材料は一つ除かれた。翌日、ロールス・ロイスの株価は急騰した。だが投資家にとっては他にも厄介な懸念がある。エンジンの受注数が膨れ上がっているにもかかわらず、同社は利益の確保に苦労しているのだ。

屈辱の減配に

 ロールス・ロイスはここ3年間、財政難に見舞われている。2014年と2015年に続けざまに5回も業績を下方修正したため、株価は半値にまで下がった。昨年2月には配当の半減を強いられる屈辱も味わった。これほどの減配はそれまで24年間以上にわたり起きることがなかった。2月に発表される2016年の業績では、利益が6億8000万ポンド(約960億円)にまで落ち込むものと見られる。2014年には16億ポンド(約2270億円)だった。

 今回の罰金は2017年の財政目標達成に重くのしかかるかもしれない。同社は罰金のうち2億9300億ポンド(約415億円)を今年支払う予定でいる。

 本来なら濡れ手で粟を掴む状態にあるはずだ。ロールス・ロイスの収入の半分以上をジェット旅客機用エンジンが占める。ジェット旅客機の市場は現在、猛スピードで成長している。

 欧州エアバスは1月11日、過去最多となる688機の飛行機を2016年に製造したと発表した。米ボーイングに至っては748機というとてつもない数にのぼる。受注も堅調だ。新品のジェット機の価格においてエンジンはその3分の1を占めるため、一部のアナリストはエンジンメーカーが今後20年間で1兆ドル(約114兆円)以上を売り上げると試算している。

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