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原油安に翻弄される産油国、減税広がる

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2016年3月25日(金)

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 原油価格の上昇。かつてそれは国家が財源を確保する上での必勝パターンであった。石油会社を対象とする様々な課税やロイヤリティ(利権料)、生産物分与契約を通じて政府が獲得する資金は、原油価格が上昇するのに伴いどんどん増えていった。米ボストン コンサルティング グループによれば、政府の平均的な取り分は2000年の1バレル当たり9ドル90セント(約1100円)から、2014年の同30ドル40セント(約3400円)に上昇した。

 こうした相場は、原油価格が3桁をつけていた時期には妥当なものだったかもしれない。だが1バレル40ドル(約4500円)前後で低迷する今、この金額は高すぎる。そこで各国の政府は石油業界の負担を軽減するべく動き出した。英国のオズボーン財務大臣は3月16日に提出した予算案の中で、石油生産にかけていた税の1つを廃止、もう1つを半減させた*1。北海油田の一部については税率を現行の67.5%から40%に引き下げる。

*1:石油収入税を廃止、石油・ガス生産業者に対する追加費用税を半減すると発表した

 石油生産を対象とする税の中には、価格変動の影響を他より強く受けるものがある。
 オーストラリアやノルウェーなどでは油田から上がる収益に対して一定割合の政府の取り分を設定している。こうしたシステムにおいては、原油価格が下がって収益が縮小すれば、政府が得られる額も自動的に調整される。

 一方、ブラジルやカザフスタンなどは1バレルにつき固定額のロイヤリティを課している。この場合、原油価格が下落してもロイヤリティの金額は変わらないため、政府の分け前が膨らむことになる。これら以外のシステム、つまり石油会社と政府がコストと収益を共有する形のものは、これまでに説明した2つの混合型として機能する。

コスト高の油田は高い税率に耐えられない

 現在、固定額のロイヤリティをベースとする体制の多くで過酷な課税状況が生じている。英国に拠点を置く会計事務所のEY(アーンスト・アンド・ヤング)の試算によれば、原油価格が1バレル40ドルになると、ブラジルとアンゴラの一部プロジェクトでは総利益を超える額が政府のものとなる(図参照)。

政府の取り分が総利益を超える
●油田の総利益*に占める割合(%)、2015年
出所:The Economist/EY、Wood Mackenzie

 たとえ法外な額でなくとも、高い税率は問題を生じさせかねない。ノルウェーのコンサルティング会社ライスタッド・エナジーは、2013年には世界で9000億ドル(約100兆円)だった石油・ガス開発投資が今年は5220億ドル(約59兆円)まで減ると予測している。政府が新規の開発投資を呼び込もうとしても、目的を達成できるチャンスはわずかだ。

 石油資源の中には極めて魅力的なものもあり、そういう案件には何があろうと多数の石油会社が殺到する。だが英国沖の北海油田など、資源の枯渇が予想され、コストも高くつく地域ではそうはいかない。そういうところには税制上の優遇措置が不可欠となる。昨年、デンマークのマースク・オイルはカリーン油田の開発を続行すると決めた。その背景には、この複雑なプロジェクトに対して政府が減税策を導入したことがあった。

 地域によってはさらに切迫した課題に直面している。油田の操業コスト(ロイヤリティを含む)が原油価格を上回った場合、所有者は油田を一時的に閉鎖する可能性がある。EYの石油ガスセクターでグローバル財務リーダーを務めるアレクセイ・コンドラショフ氏によると、米国のシェール層の多くはとりわけその影響を受けやすいという。

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