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ウィンテル時代を築いた組織作りの天才、逝く

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2016年3月31日(木)

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ナチスの迫害に苦しんだ難聴の青年を米国の寛容な移民政策が救った。青年はインテルの事業を拡大し、米国を半導体先進国に据えることで“恩返し”をした。ウィンテル時代という画期を築いた青年は組織作りの天才だった。去る21日、死亡した。

 米ハーバード・ビジネス・スクールのリチャード・テドロー教授 はその著書『Giants of Enterprise』(産業界の巨人たち)の中で、米国にはビジネスの巨人を輩出する特別な能力が備わっていると述べている。同氏によれば、イタリアは数々の著名なオペラ作曲家を、ロシアは多数の偉大な小説家を世に送り出してきた。同様に米国は、産業界のヒーローを育てる点で類稀な風土を持つ。

アンディー・グローブ氏(左)とクレイグ・バレット氏。バレット氏を、グローブ氏の後任CEOとして紹介する株主総会で(写真:ロイター/アフロ)

 むろん、これが将来にわたって真実であり続けるかどうかはわからない。米国の資本主義が形式主義に堕し、保護主義者からの圧力が強まり、そしてビジネスのダイナミズムが新興国に移行している。だがアンディー・グローブ氏はまさにこの偉大な伝統の継承者だ。

組織作りで能力を発揮

 アンドリュー・カーネギー氏は鉄鋼の時代を導き、ジョン・D・ロックフェラー氏は石油の時代を先導した。同じように、米インテルで会長やCEO(経営最高責任者)を務めたグローブ氏は、コンピューター時代の幕を開けた。

 またカーネギー氏やロックフェラー氏は新製品の発明を通じてではなく組織を構築することによって成功を遂げたように、グローブ氏も――卓越した技術者でありながら――インテルを単なるベンチャー企業から世界に君臨する半導体企業に育て上げた。

 ただし異なる部分もある。カーネギー氏やロックフェラー氏と同じく、グローブ氏も巨大な工場を建設し何千人もの従業員を雇ったが、カーネギー氏やロックフェラー氏が富と権力を誇示したのとは違い、グローブ氏は従業員と変わらないオフィス・スペースの中で働き続けた。

 天才としてのグローブ氏の真価は、イノベーターとしてよりも、組織の育成者・経営者として発揮された。彼の真骨頂は、その猛々しい知性にあった。愚かな人との対決を迫られた時には、怒りに任せて怒鳴り散らす、御しがたい人物となることもできた。批判された時には癇癪を爆発させた。

 彼は「創造的な対決」(この表現はしばしば怒鳴り合い合戦のことを意味した)の価値を信じていた。彼の著作の1つに『インテル戦略転換』(原題は「Only the Paranoid Survive)」 がある。1996年に出版され、大ヒットとなった経営指南書だ。厳しい労働倫理を信奉していて、部下にも自分と同様のハードワークを求めた。だが揺籃期の半導体業界にあって、これらの特質はまさしく必要なものだった。

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