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米国で過熱する議論、自由貿易は是か非か

自由貿易は必要、だが”被害者”には支援を

  • The Economist

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2016年4月7日(木)

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 米国のカントリー歌手ロニー・ダンは2011年、新曲『Cost of Livin’』を収録した。「生活費」を意味するこの作品は、職を求める元工場労働者の姿を切なく歌っている。「銀行からの電話が鳴り始めた/家の戸口には狼どもが待ち構えている」――。求人数をはるかに超える求職者が溢れる未来を感じているのか、彼の意欲的なトーンは絶望感へと成り代わっていく。

TPPに距離を置き始めたヒラリー・クリントン氏(写真:AP/アフロ)

 同様の叫びは米国中の工業地帯から聞こえてくる。製造業において1999年から2011年の間に失われた職の数はほぼ6万にのぼった。

 この規模そのものは特に驚くべきものではない。動きの激しい米国経済においては、毎月およそ500万の就職口が生まれては消えていく。だが米国の主要大学の経済学者たちが最近行った一連の研究から、気がかりな結果が明らかになった。先に挙げた、1999年~2011年に失われた職の5分の1は、中国が競争力をつけたことが原因だった。

 このとき失業した人々は新たな仕事を近隣で見つけることができなかった。かといって、別の地域で職探しをしたわけでもない。彼らのほとんどは、失業したか、働くのを完全にやめてしまったのである(多くの人は後者を選んだ)。就職をあきらめた人の多くは障害者給付金を請求した。現在、25~64歳の米国人の5%がこの手当を受給している。

主な大統領候補はみな自由貿易に背を向ける

 こうした研究成果によって不安が高まったため、「貿易」は今回の米国大統領選において試金石となる問題になっている。共和党の指名争いで首位を走るドナルド・トランプ氏は、中国とメキシコからの輸入品に禁止関税をかけると公約している。

 民主党の最有力候補とされるヒラリー・クリントン氏を相手に健闘しているバーニー・サンダース氏は、貿易協定に反対することを誇りのしるしとしている。当のクリントン氏も、環太平洋経済連携協定(TPP)に距離を置くようになった。TPPはオバマ大統領が取り組んでいる貿易協定で、クリントン氏も以前はこれを支持していた。

 貿易の自由化は、第二次世界大戦が終って以降、数十年にわたって米国その他の国家に繁栄をもたらす原動力の一つとなった。であるにもかかわらず、主流をなす政治家たちは今、自由貿易への支持をためらうのみならず、積極的に反対している。これは嘆かわしいことだ。自由貿易は、今でも大きな支持を得るに値するものである。たとえ、それによって害を被る人たちへの手厚いケアが必要になるとしてもだ。

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