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EUとの架け橋だったトルコ首相、事実上解任へ

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2016年5月12日(木)

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 トルコのアフメト・ダウトオール首相の5月4日は気分良く始まった。この日の朝、EU(欧州連合)の執行機関である欧州委員会が次の提案を支持したからだ――6月以降、トルコ人旅行客が、EU域内のシェンゲン圏(シェンゲン協定が適用される領域。国境を越える際に検査を受けない)をビザ(査証)なしで旅行できるようにする。

ダウトオール首相(左)とエルドアン大統領(右)。笑顔でいられる関係は過ぎ去った(写真:ロイター/アフロ)

 ダウトオール氏はこのビザ免除を、不法移民が欧州に流入するのを抑制する政策に協力する重要な条件としていた。このため欧州委員会の意向に安堵したが、それは束の間のことだった。夕方には、首相の座を追われることが明らかになった。

エルドアン大統領と意見が対立

 ダウトオール氏の足をすくったのは2年足らず前に彼を首相に任命したのと同じ人物――レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領だった。独裁的な傾向をますます強める同大統領とダウトオール首相との間に生じた緊張はここ数カ月で今にも爆発しそうなまでに高まっていた。

 両氏は、主に二つの政策を巡って対立した。一つは、クルド人反政府勢力との和平交渉。もう一つは、大統領に行政権を与える憲法改正だ。これが成立すれば、エルドアン大統領は政府及び与党・公正発展党(AKP)への支配を強化することができる。

 両者はまた、経済運営と、エルドアン氏を批判する勢力に対する弾圧についても衝突していた(その最新の犠牲者は2人のジャーナリストだった。仏週刊紙「シャルリエブド」が掲載した、涙を流す預言者ムハンマドの風刺画を再掲載した罪で、2年の禁固刑を4月末に言い渡された)。

 エルドアン大統領は、ダウトオール首相が主役の座を奪ったと非難している。同大統領はビザ免除交渉に関して最近、「シェンゲン圏内へのビザなし渡航は2016年10月に実施されると私が首相だった時に発表している。その予定を4カ月前倒ししたことがなぜ大成功と称賛されるのか理解できない」と話している。

次期党首の有力候補は大統領の娘婿

 ダウトオール首相が自らの政治生命のために戦っていたことは、4月29日の金曜日に表面化した。この日、AKP執行部が同首相から、地方幹部の任命権を剥奪したのだ。

 その週末、エルドアン大統領の側近と思われる匿名ブロガーが「ペリカン文書」というウェブサイトで、ダウトオール首相は賞味期限切れだと暗示した。そのブロガーによれば、ダウトオール首相は次の行いを取ってボスに逆らった。まず、学者や記者を逮捕したことを批判した。エルドアン大統領が望む「行政権を持つ大統領制」に対する支持集めを拒否した。そして、昨年、エコノミスト誌の取材を受けた。

 両氏が、エルドアン氏の宮殿(1100もの部屋がある)で会談した翌日の5月5日、AKP執行委員会が首相の運命を決めるべく集まった。この記事を執筆している時点で、ダウトオール首相が即時に辞任するかどうかは明らかになっていない。AKPはこの先数週間の間に臨時党大会を開いて、ダウトオール氏の後任党首を選出するものと見られる。有力候補には、ビナリ・ユルドゥルム運輸相やベラト・アルバイラク・エネルギー天然資源相(偶然にもエルドアン氏の娘婿である)の名が挙がる。

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