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毛沢東も夢見た「チベット鉄道」の遠謀

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2016年5月30日(月)

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 ある上級エンジニアはそれを「超大型ジェットコースター」と表現した。中国が、南西部の低地からチベット自治区にかけて建設を予定している鉄道のことである。この鉄道は世界でも最も厳しい自然地帯を縫ってチベットに到達する。近年、中国は鉄道の建設において様々な業績をあげてきた。中でも、この路線は注目に値するものだ。地震多発地帯にそびえ立つ冠雪の山々を貫く線路は全長1600キロに及ぶ。そのほぼ半分はトンネルや橋梁が占める。そしてこの路線にはその是非を問う論争が今後ずっと付きまとうだろう。

チベット自治区のラサと青海省のゴルムドを結ぶ青海チベット鉄道(写真:Imaginechina/アフロ)

 中国の高官たちは1世紀もの間、このような鉄道路線を夢見てきた。中華民国政府の初代(臨時)大統領となって間もない孫文は1912年、チベットを貫く路線の建設を命じた。その主な目的はチベットが英国の支配下に落ちるのを防ぐことだった(英国はそれより10年前にインド経由でチベットに侵攻していた)。1950年代に入り、毛沢東がこの政策を蘇らせた。それ以来、多数の探索調査が実施されている。

孫文と毛沢東の夢がいよいよ実現へ

 中国政府がこの難題に取り組む気になったのは、中国の鉄道網が総延長距離で世界第2位になった後のことである。ここ数年の間には世界最長の高速鉄道も敷設した。

 中国は手始めにチベットに続く最初の鉄道を敷いた(青海チベット鉄道、2006年全通)。これはチベット自治区の拉薩(ラサ)と青海省の格爾木(ゴルムド)を結んで北に向かうもので、政府はこれを大きな偉業であると称賛した。2年前にはラサからチベット第2の都市、日喀則(シガツェ)までの路線が延長されている。

出所:The Economist/ Uprising Archive; International Campaign for Tibet

 この路線は世界で最も高い標高の地を走る。その一部は永久凍土層だ。そのため線路が曲がってしまわないよう精巧な温度調節機能を必要とした。
さらに中国は2014年、チベット高原を横切る高速鉄道を開通させ、手腕を磨いた(もっともこの鉄道はチベットそのものではなく青海省を通る)。

 ただし、これら2路線のいずれも、新たな鉄道――四川チベット鉄道――が直面する自然環境による障害に苦しむことはなかった。

 四川チベット鉄道は最初の青海チベット鉄道に比べると長さは半分以下だが、建設期間は3倍以上を要する。総コストは1050億元(約1兆7600億円)になると見られ、青海チベット鉄道に要したコストの数倍にあたる。

 ラサの標高は成都より約3200メートル高い。路線は登り下りを繰り返し、ラサに到達する頃までに累積で1万4000メートルを上ることになる(その間には14の山を通過する。うち2つは西欧で最も高いモンブランを凌ぐ高さである)。

 この鉄道の提案ルートと同じく成都からラサを結んでチベットへ続く既存の道路は道幅の狭い高速道路で、走行中に落輪した大型トラックの残骸が多くあることで有名だ。中国の運転手の中には、この道(G318国道)を走り切ることが車両と自分自身の耐久力を証明する究極の方法だと考える者もいる。

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