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クルマはもう売れない、どうする自動車メーカー

モビリティカンパニーへの脱皮に待つ試練

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2016年6月2日(木)

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 自動車メーカーはずっと以前から、クルマの製造・販売ビジネスの脅威となるテクノロジーを取り込む構想について、雄弁に語ってきた。

乗車可能なクルマを表示するウーバーのアプリ(写真:AP/アフロ)

 1990年代、IT(情報技術)関連企業を中心とするドットコムバブル華やかなりし頃、当時の米フォード・モーターCEO(最高経営責任者)のジャック・ナッサー氏は、モビリティサービスを提供する企業として生まれ変わると宣言した。インターネットの普及が可能にする新たなビジネスモデルの下で、同社は自動車の組み立てといった退屈な仕事は外注し、輸送をサービスとして販売するモビリティカンパニーに変身を遂げるとうたった。

 ナッサー氏のこの考えは、あまりにも時代を先取りし過ぎていた。大手自動車メーカーの多くが、輸送サービスを手掛けるテクノロジー企業と提携し、モビリティサービスの提供者となるべく業態転換を模索し出したのは、ようやく最近になってからだ。だが、彼らは、行動を起こすのが遅過ぎたかもしれない。

当面の舞台は配車サービス

 変身を急ぐべく従来型の自動車メーカーは、最近は配車アプリに焦点を合わせている。これらのサービスの利用者は、スマートフォンのアプリを使って車を呼び出し、次の目的地まで運んでもらうことができる。

 トヨタ自動車とフォルクスワーゲン(VW)は5月24日にそれぞれ、タクシー配車アプリと提携すると発表した。トヨタは米ウーバーに小規模な出資を行った(出資額は明らかにしていない)。ウーバーは70カ国で事業を展開する世界最大の配車サービス会社だ。

 VWはイスラエルに拠点を置く配車アプリのゲットに3億ドル(約330億円)出資する。ゲットの牙城は欧州だ。VWのCEO、マティアス・ミューラー氏はさらに大きな野望を抱いている。2025年までに、モビリティサービスで世界最大手になると宣言した。

 この方向に進もうとしているのは、VWだけではないだろう。1月に米ゼネラル・モーターズ(GM)は、米国においてウーバーの最大のライバルであるリフトに5億ドル(約550億円)を出資した。目的の1つは配車サービスの展開。加えて、リフトが進めるロボットタクシーの開発への参加もにらむ。

 フォードのマーク・フィールズCEOは昨年、これからの同社は自動車メーカーであると同時にモビリティカンパニーでもあるとぶち上げた(多分、先のナッサー氏の宣言は忘れてしまったのだろう)。フォードは自前の配車アプリを展開するとともに、利用者の求めに応じて配車する自動車――恐らくオンデマンド・ベースのミニバスサービス――も提供する計画だと噂されている。

カーシェアリングも収益源の1つ

 最近の主戦場は配車サービスだが、自動車メーカーはモビリティを収益源にする他の方法も探っている。

 これまで自分の車を所有したいと思っていた人々が、今では、必要な時だけお金を払って乗れればいいと考えているのかもしれない。都会に住む若者達は、ほとんど使う機会がないまま価値を失っていく資産を高いお金を払って所有することに、そっぽを向き始めている。

 クルマの短期利用をアプリを使って予約できるカーシェアリングサービスの会員数が急速に伸びている。この分野で世界最大手のジップカー(ZipCar)はレンタカー会社のエイビス・バジェット の傘下にある。独ダイムラー・ベンツが運営するカーツーゴー(Car2Go)や独BMWのドライブナウ(Drive Now)アプリを真似る自動車メーカーも増えている。例えばフォードは米国、英国、ドイツ、インドでカーシェアリングサービスの試験運用を始めた。

 カーシェアリングや配車サービスは、いずれは自動車メーカーの収益源となるだろう。利益率が低いのが当たり前の大衆車メーカーにとって、福音となる可能性がある。だが高い利益率に慣れている高級車メーカーは、それだけでは満足できないかもしれない。自動車メーカーはこれらのサービスから上がる利益の分け前を得ようとするだけでなく、クルマを供給することでも鎬を削るようになると思われる。実際、トヨタとウーバーの合意には、ウーバーの運転手がクルマを買うための融資プランが含まれている。GMはリフトの運転手がクルマを取得するために同様のプランを提供している。

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