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イーロン・マスクの一大帝国に暗雲

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2016年7月1日(金)

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 南アフリカ生まれの起業家、イーロン・マスク氏は、革新的なアイディアを次々と大胆不敵に具体化していくシリコン・バレーの申し子だ。同氏は、彼のことを懐疑的に見る人々に挑み続け、不可能とも思える野心的なイノベーションを常に実現し、困難に打ち勝ってきた。

ソーラーシティの筆頭株主でもあるイーロン・マスク氏(写真:ロイター/アフロ)

 このマスク氏が6月21日、米テスラモーターズが米ソーラーシティを買収すると発表した。テスラは、マスク氏が経営する電気自動車と蓄電池のメーカー。ソーラーシティは太陽光パネルメーカーで、マスク氏が筆頭株主だ。この発表に対して、市場は厳しく反応。こうした事態は、揺るぎない自信の持ち主であるマスク氏でさえ想像していなかった。

 株主が買収を承認すれば、テスラは最大28億ドル(約2830億円)の同社株で支払いを行う(マスク氏自身は買収を承認する採決に参加しないと言う)。

買収は、ソーラーシティ救済策か

 マスク氏の主張はこうだ。テスラとソーラーシティが統合すれば、エネルギー分野における垂直統合企業が誕生し、地球にやさしい生活を送るために必要なあらゆるものを、消費者に販売することができる。裕福で環境に対する意識の高い人々は、すでにテスラから電気自動車を買っている。太陽光パネルで生成した電力を蓄え、必要な電力を夜間に各家庭に供給する蓄電池、パワーウォールを買うこともできる。テスラとソーラーシティが一緒になればさらに、太陽光パネルをテスラのショールームに置き、ソーラーシティの顧客拡大につなげることができる。同時に顧客は、よりクリーンな方法でマイカーを充電することが可能になる。

 残念ながら投資家は、こうしたマスク氏の言い分を信じなかった。ソーラーシティを買収する提案が発表された翌日、テスラ株はおよそ10%値下がりし、時価総額にして約30億ドル(約3060億円)が失われた。

 この買収はソーラーシティの救済が目的に違いないとの見方も浮上している。ソーラーシティはずっと赤字で、経営目標を達成できない状態が続いていた。同社が抱える巨額の負債や、一部のアナリストが抱く「最大の市場であるカリフォルニア州は、太陽光パネルだらけになってしまう」との懸念を考えると、どのようなシナジー効果が得られるとしても、この買収がもたらすリスクの方がはるかに大きい。

 新たな資本を必要としているのはソーラーシティだけではない。より大規模に成功しているテスラも同様だ。テスラは先頃、2020年までに目標生産台数を100万台に倍増するとの計画を発表した。多くの人は、この発表を不信感を持って受け止めた。バークレイズ銀行は、テスラとソーラーシティを合せると、2016年だけで28億ドル(約2850億円)の現金を支出することになると警告している。

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