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障害者施設で殺傷事件、それでも日本は安全な国

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2016年8月5日(金)

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 暴力に苦悩するこの世界にあって、日本は驚くほど安全な国だ。路上強盗はめったにないし、殺人の発生率も低い。警察の発表によると、銃器発砲事件による死亡は昨年わずか1件。1億2600万の人口を抱える国家での話である。

事件があった相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」(写真:David Mareuil/Anadolu Agency/Getty Images)

 日本では、見境をなくして暴れる人間が手に持つ凶器はナイフだ。7月26日、障害者施設に侵入した若い男が使ったのもナイフだった。男はベッドに寝ていた40人以上の入居者を周到に刺し、19人が死亡した。刺し傷のほとんどが被害者の首に集中していた。この大量殺人事件はここ数十年で最悪のものとなった。

 警察は容疑者を逮捕し、実名を明かしている。植松聖容疑者、26歳。事件現場となった施設で働いていた。植松容疑者は以前から障害者を殺害すると繰り返し表明していた。今年の2月には、介助なしでは生きられない人々を安楽死させる世界が自分の目標であると説明する手紙も書いている。同容疑者はこの手紙を衆院議長公邸に持参していた。

大量殺人に共通する病理

 国籍のいかんを問わず、大量殺人犯の病理というものは一貫している。ほとんどの場合が若い男で、衝動の源となるのは攻撃性とテストステロン(男性ホルモンの一種)。多くの場合、殺人欲求を抱くきっかけとなるのは失業など人生において挫折経験となる出来事だ。

 ナイフを何本も忍ばせた袋を携え、真夜中にクルマで施設に向かった植松容疑者は一体どんなことを考えていたのだろうか。報道によると、彼は以前にこの施設を解雇されている。障害者に対する態度を考えれば当然のことと言えるが、それで恨みを募らせたのかもしれない。同容疑者は今年の初めに措置入院となったが、ほどなく退院して家族のもとに戻された。

 この事件を受けて、日本の「バブル後世代」――不景気な時代に成人した世代――に対する監視の目が厳しくなるのはほぼ間違いない。2008年6月には加藤智大死刑囚が東京の路上で7人を殺害した。加藤はトラックで買い物客の群れに突っ込んだあと、車から飛び出して通行人をダガーナイフで切りつけた。当時25歳だった加藤は人生の道を踏み外した原因の一つとして、派遣労働という不確かな世界に転落したことを挙げた。だが「事件の責任はすべて私にある」とも述べている。

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