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中国北戴河会議で何が語られたのか

注目すべきは常務委員に加えて中央委員人事

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2016年8月25日(木)

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 ひだ付きの華やかなコック帽をかぶるヤン・ジービン氏は、中国のリゾート地・北戴河にたたずむレストラン「起士林餐庁」の厨房責任者だ。同氏は1971年からここで働いている。中国政界の重鎮は毎年8月、この地に集って密室会議を開く。

(写真=AP/アフロ)

 今や料理長となったヤン氏は、この街一番の壮麗さを誇るこのレストランを昔ながらの姿に保とうと努めている。「100年前からメニューに並んでいる料理が20品以上あります」とヤン氏は言う。「私たちはここの伝統的なスタイルを守りたかったのです」。「猴子」(猿の意味)とだけ名乗るある客は、「私がこのレストランに初めて来たのは30年ほど昔のこと。当時に比べて変わったのは料理の値段くらいだ」と語った。

 北戴河は北京から東へ280キロのところにあるビーチリゾートだ。まるで時間を切り取ったかのような雰囲気に包まれている。ホテルでは刺しゅう飾りのついたシーツも使われる。

始まりは毛沢東

 恒例の北戴河会議が8月16日に閉幕したとき、この町の持つ時を超越したような空気もただの幻想に感じられた。中国の政治は独特な不確実性と緊張をはらむ時期に突入したのだ。習近平国家主席はこれからの数か月間、中国共産党の各レベルの指導層について全面的な人事異動を主導する。

 そのハイライトとなるのが来秋に行われる中央政治局委員の選定だ(習主席は引き続き中央政治局の最高指導者となる)。中国では5年ごとに最高指導部の人事が決定される。歴代国家主席と近い関係にある勢力と習主席との熾烈な戦いがそのプロセスに暗い影を落とすことになりそうだ。

 それでなくとも中国経済の健全性に対する懸念は高まる一方である。海辺の別荘で過ごす指導者たちは、浮かれた気分には到底なれないことだろう。

 北戴河で非公式な会合を開くという伝統を始めたのは毛沢東だ。その狙いは、北京のうだるような暑さと単調な日々から逃れ、現役と長老が顔を合わせる場を提供することだった。1980~1990年代、鄧小平はこの討論の場を大いに利用し、自分の思惑どおりに物事が運ぶよう手を回した。各所の責任者は名目上の存在にすぎなかったのである。

 だが習主席は口うるさい党の長老たちを寄せ付けないようにしている(2代前の国家主席だった江沢民氏は8月17日に90歳の誕生日を迎えた。だが今も影響力を持ち続けている)。前任者の胡錦濤氏と違い、習主席は長老たちのために割く時間を持ち合わせていないようだ。

権力の集中を進める習主席

 理論上は、指導層の人事を改変するにあたり、習主席が自らの取り巻きを重用するのは比較的容易なはずである。習氏は政治指導者として胡錦濤氏よりもずっと強硬だ。鄧小平氏が築いた「集団指導制」を廃止し、前任者たちより多くの権威ある公的立場を自分のものとしている。

 胡錦濤氏と江沢民氏がそうであったように、習主席は中国共産党の総書記であり、国家主席であり、人民解放軍の総司令官だ。だがそれ以上の存在でもある。習主席は自らが率いる「領導小組」制を拡充し、政府や党上部組織の領域とされてきた政策分野についても権限を与えている。

 また習主席は厳しい「反腐敗運動」を進めており、官僚の間には恐怖感が広がる。検挙された大物の大半は習主席の政敵だ(最近では、胡錦濤氏の側近だった令計画氏が7月に無期懲役判決を言い渡されている)。習主席が政権に就いた2012年以来、副大臣以上の肩書を持つ177人が取り調べを受けた。

 米ワシントンDCに拠点を置くシンクタンク、ブルッキングス研究所のチェング・リー氏によると、習主席は50人を超える軍司令官を汚職のかどで逮捕し、その役職に自分の部下を配置しているという。

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