• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

VRでマンションを売る中国不動産業界

中国市場がVRの普及を牽引する

  • The Economist

バックナンバー

2016年10月20日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

(写真:新華社/アフロ)

 ロンドン東部のショーディッチ地区に、技術企業が集まりつつある一画がある。その区域の中心で、巨大複合施設「ザ・ステージ」の建設が進んでいる。中国の不動産開発会社、万科企業(ワングァチーイェ:Vanke)を含む複数の企業が手掛ける開発だ。

 ザ・ステージの中の一棟は、37階建てのタワーマンションだ。その一室の購入を検討しているある中国女性が最近、物件の内見に訪れた。部屋から部屋へと歩き回り、内装や設備をチェックする。バルコニーからの街の眺望に感嘆の声を上げ、冷蔵庫の中ものぞき込む。

 だが、この中国人顧客は、わざわざ飛行機に乗ってロンドンまで飛ぶ必要はなかった。彼女は、上海にある万科の国際販売センターで、仮想現実(バーチャルリアリティ=VR)を体験できるゴーグル型の機器を頭部に装着して内見ツアーを味わっていたのだ。

広がるのは消費者向けではなくビジネス分野での活用

 中国の不動産業界では今、VR装置の利用が急速に広まりつつある。不動産会社がこれほど先進技術を取り入れている国は、ほかに見当たらない。不動産をはじめ、ほかの業界でもVR技術の採用が急激に進んでいるため、中国はこのところ、世界の最重要VR市場として注目を集めつつある。

 中国でVRが急速に普及している理由は、中国企業が世界最高の頭部に装着するVRヘッドセットを開発、生産しているからではない。中国では優れたVR製品は作られていない。実際のところ、VR機器の開発、生産で世界最先端を走るのは、米フェイスブックが傘下に抱える米オキュラス、日本のソニー、韓国のサムスン電子、台湾のHTCなどだ。また、VRのゲームや映画向けの最高のソフトウエアも、中国の成都や重慶ではなく、カリフォルニア州で開発されている。

 しかし、中国では(消費者ではなく)、多くの企業がビジネスのためにVRを利用しているため、まだ誕生したばかりのこのVR産業が最初に利益を上げるであろう場所は、中国になる、ということだ。

 米金融大手ゴールドマン・サックスは、世界のVR市場の規模は、現在はほぼゼロだが、2025年までに600億ドル(約6兆3000億円)にまで成長する可能性が高いと予測する。半分はハードウエアが占め、残り半分はソフトだ。ゴールドマンはまた、2016年に世界で販売されるVRの頭部に装着する機器の3分の1は中国本土による購入が占めると予想している。

もはや現場にいる必要はない
仮想現実(VR)機器の出荷台数
出所:The Economist/iResearch;Goldman Sachs

 欧米など西側諸国では、VRの用途は主にゲームなど消費者向けだ。これとは対照的に中国では、企業が業績向上のためVRを活用し、実際、着実に利益の拡大に結びつけている。万科など不動産開発業者は、海外の高額物件や、まだ完成していない物件の販促のためにVRを利用している。そして中国の建築家たちは、設計のためにVRを駆使している。

コメント0

「The Economist」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

環境の変化にきちんと対応して、本来提供すべき信頼されるサービスを持続できる環境を作り出さなければならない。

ヤマトホールディングス社長 山内 雅喜氏