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風向き変わるか? 取り残される風力発電

2016年2月17日(水)

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 筆者は、太陽光発電の普及を推進している。2014年の1年間(暦年)の新規導入量は900万kW以上。2015年は少し落ちたが、それでも800万kWは確保したようだ。2015年末時点での累計設置容量(推定)は3000万kW前後。日本のすべての電源合計2億4000万kW程度の12.5%を占める。また、発電量(kWhベース)では3%程度に達する。

 過去3年間の急成長は満足すべきものだ。しかし、勝負はこれから。今後15年間で平均500万kWずつ新規導入すれば、合計7500万kW。これに、昨年末までの3000万kWを加えて、累計1億kW(100GW)以上。これが、筆者の構想であり、太陽光発電協会(JPEA)も同じ目標を掲げている。対する政府の目標は6400万kWと低すぎる。なんとしても年間導入量500万kWを確保し、累計1億kWを達成したい。

 このように、太陽光発電については、筆者らの構想と政府の目標の間に開きはあるものの、政府のスタンスは比較的分かりやすい。分からないのが、風力発電だ。

風力は太陽光の10分の1

 日本風力発電協会(JWPA)の発表によると、2015年(1~12月)の風力発電の単年導入量は244MW(24.4万kW)で、2015年12月末の累積導入量は303.8万kW(2,077基、434発電所)となった。ようやく、累計300万kWを超えたわけだが、太陽光発電の10分の1だ。

 風力発電は設備利用率(発電所がある期間に実際に発電した電力量を、その期間休まずフル稼働したと仮定した際に得られる電力量で除した比率)が太陽光の2倍程度なので、発電量ベースでは差は縮まるが、それでも太陽光発電の5分の1でしかない。

 しかし、これまでずっとこんな関係だったかというとそうではない。日本の風力発電は、2010年ごろまでは、太陽光発電と並行して増えてきた。それが、伸び悩んでいる。同時期から急増した太陽光発電と対照的だ。

 そもそも、政府の方針が曖昧で迷走している。3.11以降、一時は、風力こそ再エネの主力とし、将来の電源に占める比率を太陽光以上に見ていた。それが、昨年7月に発表された2030年のエネルギーミックス見通しではわずか1.7%に下げられている。太陽光(7%)の4分の1だ。設備容量ベースでは1,000万kW(陸上・洋上の合計)とされており、JWPAは「非常に低い水準となっている」と指摘する。

コメント8件コメント/レビュー

「貴方の仰る『世界』とは具体的にどの国を指すのですか」という某論客の声が聞こえてくるような。日本で風力発電が適さない理由を自分でこれでもかと掲げているにもかかわらず、猶も風力発電に拘泥る理由が不明。平坦な砂漠の国で水力発電を行っていないことを指して「取り残される水力発電」とは言わないでしょうに、日本の地理的条件を活かせる発電方法は他にないのですか?(2016/02/18 11:25)

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「風向き変わるか? 取り残される風力発電」の著者

村沢 義久

村沢 義久(むらさわ・よしひさ)

合同会社Xパワー代表、環境経営コンサルタント。

1974年東京大学大学院工学系研究科修了。1979年米スタンフォード大学経営大学院修了。2005年から東京大学サステイナビリティ学連携研究機構特任教授として地球温暖化対策を担当。合同会社Xパワーを立ち上げ代表に就任。2016年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「貴方の仰る『世界』とは具体的にどの国を指すのですか」という某論客の声が聞こえてくるような。日本で風力発電が適さない理由を自分でこれでもかと掲げているにもかかわらず、猶も風力発電に拘泥る理由が不明。平坦な砂漠の国で水力発電を行っていないことを指して「取り残される水力発電」とは言わないでしょうに、日本の地理的条件を活かせる発電方法は他にないのですか?(2016/02/18 11:25)

低周波騒音、台風、落雷、バードストライク、どれも重要な問題です。環境アセスに時間が係るのは当然だと思います。ならば、環境アセスを骨抜きにするのではなく、それを克服するような技術開発こそ、必要なのではないでしょうか?(2016/02/18 11:22)

風車からの低周波音(正確には超低周波音)は人体に影響するようなレベルではないことは環境省の委員会でも明確にされています。通常の可聴域の音として対応すればよい問題です(民家からの距離を確保する)。

また、日本でも偏西風は吹いていますし(低気圧は西から東に移動します)、欧州でも風向は気圧配置によって変化します。風力大国であるスペインは山岳など複雑な地形が主体です。

年平均風速のデータからみても、北日本を中心に国内にも十分な資源があることは明確です。導入が進まないのは、風力のような自然変動電源が、電力需要に合わせて出力を調整できない原子力と調整力の確保で競合関係にあるからです。(2016/02/18 10:47)

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