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原発ゼロに現実味――規制基準の見直しが不可避

2016年3月30日(水)

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 3月9日、日本中のエネルギー関係者に衝撃が走った。関西電力の高浜原発(福井県高浜町)3号機と4号機について、大津地方裁判所(山本善彦裁判長)が、運転の停止を命じる仮処分の決定を出したのだ。裁判所が稼働中の原発の運転停止を命じたのは初めてのこと。

3号機と4号機について、運転中止の仮処分が下った高浜原発(写真:アフロ)

 筆者もこの仮処分申請に注目していた一人だ。心情的には住民側の味方だが、「恐らく却下されるだろう」と考えていた。ところが、蓋を開けてみると、停止を命ずる仮処分。このニュースを知ったのは、あるシンポジウムに参加していた時。インターネットで見て、危うく驚きの声を上げそうになった。

 仮処分とは、暫定的に行う手続きで、通常の訴訟で争っている時間的余裕がない時等に出される。「仮」と名がついているから軽い決定と思うかもしれないが、実際は全く逆で、実に重いものだ。

 まず、決定は直ちに効力を発揮するので、命令を受けた側は即実行しなければならない。そのため、関電は翌10日午前10時ごろから3号機の停止作業に入り、その日の夜に停止させた(4号機は仮処分以前にトラブルで既に停止していた)。

 関電は、「仮処分の決定は到底承認できない」として、3月14日、異議と仮処分の執行停止を大津地裁に申し立てた。しかし、ここでも仮処分の重さが壁になる。執行停止の可能性は低く、却下されるものと見られている。

 異議については、審理されることになるが、審理期間中も仮処分の効力は継続する。異議審は6~8カ月かかるとみられるので、少なくともその間は、3、4号機の停止は続くことになる。

 高浜原発3、4号機に対する差し止め仮処分は、2015年4月にも福井地裁(樋口英明裁判長)から出されている(再稼働の差し止め)。そのときも、関電は異議を申し立て、8カ月後の12月に決定が取り消されている。その後、高浜原発3、4号機は再稼働に至った(下表参照)。

 今回の大津地裁の場合も、同様の流れになると見られているが、原発に対する国民の目は厳しさを増しているので、今回は、決定が取り消されるかどうか不明だ。

高浜原発(3、4号機)経緯
出所:マスコミ情報などをもとに筆者作成

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「原発ゼロに現実味――規制基準の見直しが不可避」の著者

村沢 義久

村沢 義久(むらさわ・よしひさ)

合同会社Xパワー代表、環境経営コンサルタント。

1974年東京大学大学院工学系研究科修了。1979年米スタンフォード大学経営大学院修了。2005年から東京大学サステイナビリティ学連携研究機構特任教授として地球温暖化対策を担当。合同会社Xパワーを立ち上げ代表に就任。2016年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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