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三菱不正事件の裏に不都合な日本の燃費基準

2016年6月2日(木)

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三菱自動車は「i-MiEV」でも燃費不正を行っていた(写真:筆者)

 25km vs.13.5km。ガソリン1リットルで走れる距離(燃費)の比較だが、三菱によるデータ不正の話ではない。トヨタ「Vitz」の日本基準(JC08)による燃費対アメリカ(EPA)基準(高速道路、市街地の平均)による燃費の比較だ。

 先に結論を言えば、日本の燃費基準は甘すぎて非現実的だ。日本メーカーのカタログで「25km走れる」と言っても、アメリカで測れば13.5km。54%でしかない。同じトヨタの「Collora」の場合も、23.4kmに対して13.7kmで59%。どちらも60%以下だ。

全く意味のない日本のJC08基準

 それでは、アメリカ基準が厳し過ぎるのかというと、そうではない。日本では、「実燃費はカタログ値の6割程度」というのが常識。ということは、アメリカ基準は実燃費に近いということだ。

 極めて残念なことに、エコカーでも日本基準の燃費は正しくない。ハイブリッド(HV)車である「プリウス」(2016年型)は、日本では、40.8kmとなっているが、アメリカ基準では、21.98km。やはり54%だ。

 筆者が推進しているEVでも同様。EVの場合は、燃料1リットル当たりではなく、1回の充電で走れる距離(航続距離)で表示されることが多い。日産「リーフ」の最新型(電池容量30kWh)の場合、日本のJC08基準では280kmであり、日産ホームページでも「ロングドライブも安心です」と謳っている。

 ところが、アメリカのEPA基準では172km。日本基準の61%でしかない。その他の車種もいくつか調べてみたが、アメリカ基準(≒実燃費)は日本基準の 6割前後だ。日米の走行パターンや装備の違いがあるにしてもこのような大きな差は説明できない。

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「三菱不正事件の裏に不都合な日本の燃費基準」の著者

村沢 義久

村沢 義久(むらさわ・よしひさ)

合同会社Xパワー代表、環境経営コンサルタント。

1974年東京大学大学院工学系研究科修了。1979年米スタンフォード大学経営大学院修了。2005年から東京大学サステイナビリティ学連携研究機構特任教授として地球温暖化対策を担当。合同会社Xパワーを立ち上げ代表に就任。2016年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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