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再稼働は限定的、「減原発」時代へ向かう日本

2015年10月19日(月)

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 九州電力は今年8月11日、原子力発電所川内1号機(鹿児島県)を再稼働。その後、海水漏れ事故があったものの、9月10日には営業運転を開始した。昨年9月に関西電力大飯原発4号機(福井県)が定期検査で停止して以来続いた原発ゼロの状態は2年ぶりに解消した。

 九電は、同じ川内原発の2号機も10月15日に再稼働させ、11月中旬には営業運転開始を目指す。これで、原発再稼働に弾みがつく、という見方もあるようだが、そう簡単には行かないだろう。いくつかの高いハードルがあるからだ。

 3・11事故前に54基だった日本の原発は、順次廃炉が決定し、現在「現役」として残っているのは42基。そのうち原子力規制委員会に安全審査を申請したものは25基で、現在までに適合判定(=「合格証」)を受けたのは川内1、2号機(鹿児島県)、高浜3、4号機(福井県)、伊方3号機(愛媛県)の計5基だけだ。

 川内の次に「合格証」を受けたのは高浜だが、直後に再稼働禁止の仮処分が出たこともあり、次に稼働するのは伊方になりそうだ。その再稼働には、四国電力が安全協定を結ぶ伊方町と愛媛県の同意が必要とされている。伊方町議会は10月6日に、愛媛県議会は同月9日に、それぞれ本会議で再稼働を求める請願を賛成多数で採択した。

 今後は、中村時広・愛媛県知事と山下和彦・伊方町町長の判断に焦点が移る。山下町長は、10月14日、経済産業省で林幹雄経産大臣と面会し、避難計画の実効性を高めることなど4項目を要請。これに対し、林経産大臣は、「伊方町を訪問した時に回答を出したい」と答え、中村知事からも要望のあった現地視察に応じる姿勢を示している。

国民も司法も「NO」

 このような状況から考えると、今年12月末までに動くのは川内の2基だけ。来年3月末には、伊方が稼働して合計3基になりそうだ。これまでゼロであったものが、短期間で3基も稼働するとなれば、「昔のような原発時代に戻るのではないか」と感じても不思議ではない。しかし、「その次」は簡単ではない。

 まずは、世論の動向。原発の再稼働について、各種世論調査の結果は、反対が賛成の2倍前後に達している。国民が反対する最大の理由は、福島第1原発の事故がまだ収束しないこと。「原発は必要」と考える人の中にも、「福島が収束しないうちはNO」という声は少なくない。

 次に、司法の壁。昨年6月3日の本稿でも紹介した通り、同年5月21日、福井地裁は、関西電力大飯原発3、4号機(審査中)について、運転してはならない、という命令を下した(第1審)。関西電力はこの判決を不服として翌22日に控訴し、現在名古屋高裁金沢支部で係争中である。

コメント5件コメント/レビュー

最初の方のコメントに賛成。
原発はコスト高であるというところまで踏み込んで欲しかったです。
それに、フクシマの影響はまだまだこれからです。
だって、被曝によって子供たちが不幸になるのはこれから。
何度も原発ムラの連中が言ってたじゃないですか。
「ただちに影響はない」
と。つまり、これから影響があるわけですよね。
放射能物質が時間をかけて生体濃縮されて、やがて、ガンになると。
ただでさえ少子高齢化なのに、動かそうという連中の気が知れません。(2015/10/19 13:20)

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「再稼働は限定的、「減原発」時代へ向かう日本」の著者

村沢 義久

村沢 義久(むらさわ・よしひさ)

合同会社Xパワー代表、環境経営コンサルタント。

1974年東京大学大学院工学系研究科修了。1979年米スタンフォード大学経営大学院修了。2005年から東京大学サステイナビリティ学連携研究機構特任教授として地球温暖化対策を担当。合同会社Xパワーを立ち上げ代表に就任。2016年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

最初の方のコメントに賛成。
原発はコスト高であるというところまで踏み込んで欲しかったです。
それに、フクシマの影響はまだまだこれからです。
だって、被曝によって子供たちが不幸になるのはこれから。
何度も原発ムラの連中が言ってたじゃないですか。
「ただちに影響はない」
と。つまり、これから影響があるわけですよね。
放射能物質が時間をかけて生体濃縮されて、やがて、ガンになると。
ただでさえ少子高齢化なのに、動かそうという連中の気が知れません。(2015/10/19 13:20)

九州は確かに日照時間のメリットは大きいですが、台風が来る事の多い地域でもあります。減価償却が終わる前に一回程度は台風が直撃コースを辿る可能性を考えると、そんなに無邪気に太陽光を推して良いものか、思案すべきではないでしょうか。まさか、数年おきに太陽光パネルのゴミが大量発生しても知らないとは仰言いませんよね?(2015/10/19 12:32)

原発再稼働に国民の大多数が反対とは、具体的な数字があっての話か?誰が言ったのか知らないが、電気が足りないというのは間違い。問題は2つ、CO2の際限ない増加と、電力コストである。既に関西地区は電力の半分を担っていた原発が停止し、電気料金が相当に高い。今後、原発が再稼動しないと更なる値上げに踏み切るだろう。なぜ安いのか説明はしないが、事実として安いのである。CO2増加はかなり深刻だと思ってよい。遠い先の話なら皆見て見ぬフリをしているが、国際条約で約束した日本のCO2削減目標は、福島事件以来、完全に反故された状態である。守らなくて良いかどうかは各人が判断するが良い。兎に角、訳も分からず事故の可能性だけで反対する族が余りにも多い。可能性だけで見れば、玄海原発30km内に福岡市があるが、彼らは目くじらを立てて反対しているだろうか。航空機が墜落するより、ずっと低い原発事故、既に1回起こったのだから、確率としては更に低くなっている。もっと冷静に将来を考えるべきだ。(2015/10/19 11:14)

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