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電気自動車普及の決め手は「陸上フェリー」?

2015年12月28日(月)

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 COP21(国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議)における日本の存在感のなさはひどかった。「(2030年に)2013年比26%削減」という低い目標だから仕方ない。しかし、実際にはこの程度の目標でさえ、その実現性に疑問の声が上がっている。前提となる、発電に占める原子力発電比率20~22%の達成が難しそうだからだ。エネルギーを作る側(発電)で対策が不十分ならば、その不足分は、エネルギーを使う側で補うしかない。一つは省エネ、もう一つは電気自動車(EV)の普及を加速させることだ。

航続距離300kmで再び脚光

 2009年から2010年にかけて、三菱自動車から「i-MiEV」が、日産自動車から「リーフ」が発売され、EVブームが起こった。残念ながら、実際の販売量は目論見の半分以下で、あまり注目されなくなってしまったが、2016年には、EVブームが再来すると予想する。グッドニュースは、日産の新型リーフの航続距離(1回の充電で走れる距離)が、これまでの228km(JC08モード)から27%伸びて、290km程度(同)になりそうなことだ。

 EVの最大の弱点は航続距離の短さ。最終的にはガソリン車並みの500kmになることが望ましいが、現時点でも、最低300kmは必要と感じるユーザーは多い。その点で、新型リーフは「合格ライン」に近づいたと言える。

 カギとなったのは蓄電池の改良。日産は、リーフのリチウムイオン電池の容量を24kWhから30kWhへと25%増やした。しかも、蓄電池パックのサイズはほぼそのままで、重量の増加も7%程度に抑えたという。

 この改良では、新しい電極材料を採用し、モジュールの構成も変更している。これまでは、4セルで1モジュール、48モジュールで1パック、つまり、「4×48=192セル」の構成であったが、新型では、総セル数は192のままで、8セル×24モジュールの構成としている。

 さらに楽しみなのは、日産がリーフの後継モデルを開発していることだ。2017年頃に市場に投入する予定新型車の航続距離は、JC08モードで400km以上になる可能性があるという。

 ヨーロッパ勢も、独フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル車不祥事以来、EVに注力し始めている。独アウディは、航続距離500kmのSUVを計画しており、2015年8月、韓国のLG化学やサムスンSDIと共同で新型のEV用蓄電池を開発すると発表している。

出所:筆者撮影(オズ・コーポレーションにて)

コメント9件コメント/レビュー

車が好きで運転している人には納得できない話になりますが、ことエネルギー効率を考えると千何百キロもある物体を長時間移動させる方が無駄が多い訳で、300km以上も離れた所なら電車や飛行機で現地に行ってそこで移動手段を調達する方が効率良いですね。
「トレン太くん」なんかが理想的。ただ、どこに行くのにも有効かというと、かなり制約はうける。
比較的多くの場所にEVレンタカーが普及して、その拠点間を電車が繋ぐというのがベターな気がします。(2016/01/13 13:39)

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「電気自動車普及の決め手は「陸上フェリー」?」の著者

村沢 義久

村沢 義久(むらさわ・よしひさ)

合同会社Xパワー代表、環境経営コンサルタント。

1974年東京大学大学院工学系研究科修了。1979年米スタンフォード大学経営大学院修了。2005年から東京大学サステイナビリティ学連携研究機構特任教授として地球温暖化対策を担当。合同会社Xパワーを立ち上げ代表に就任。2016年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

車が好きで運転している人には納得できない話になりますが、ことエネルギー効率を考えると千何百キロもある物体を長時間移動させる方が無駄が多い訳で、300km以上も離れた所なら電車や飛行機で現地に行ってそこで移動手段を調達する方が効率良いですね。
「トレン太くん」なんかが理想的。ただ、どこに行くのにも有効かというと、かなり制約はうける。
比較的多くの場所にEVレンタカーが普及して、その拠点間を電車が繋ぐというのがベターな気がします。(2016/01/13 13:39)

『一日に100km以内でも良い。』のコメントに意見を。この意見が成立するには、たまに発生するそれでは不足する時にどうするかが問題になる。大抵は解決策は3つ、2台持ちになるか、大きい方で需要を満たすか、レンタカー。大きい方は例えばミニバンで溢れる現状を表す。たまに5人で足りない需要を満たす為などに。2台持ちのほうは軽自動車などだったりする。ミニバンの例のように100kmの選択肢は選ばれ難い。100kmでもそれで足りるような所は割と都市部なので駐車場の問題で2台持ちは維持費に問題あり。2台持ちだと価格も軽自動車の安い方ぐらいでないと。3つ目のレンタカーというかカーシェアでたまの需要を満たすのが受け入れられる土壌が育たないと厳しい。結局300km位は欲しいというのが今の現実的な所でしょう。カタログ通り走れないのも怖いので。(2015/12/29 16:23)

高速道路に給電線を設置したとしても、その設置費用回収のために利用料がかかるので、EVの経済性は低下します。鉄道では未だに非電化区間がありますが、電化しないのは電化費用を回収するだけの利用者がいないからですよね。(2015/12/29 15:57)

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三品 和広 神戸大学教授