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大阪大発VCが本格稼働、投資を第3弾まで実行

  • 丸山 正明=技術ジャーナリスト

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2016年2月9日(火)

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 国立大学が出資・設立したベンチャーキャピタル(VC)による投資活動が本格化する中(参照記事:「本格化する大学発VCの投資活動、東北大は約100億円を元手に15~20社に投資へ」)、大阪大学ベンチャーキャピタル(OUVC、大阪府吹田市)が、2016年1月末までにベンチャー企業への投資を第3弾まで実施したことを明らかにした。OUVCは大阪大の高い研究開発成果を基に、優れた競争力を持つベンチャー企業を輩出する目的で設立されたVC。大阪大が100%出資して2014年12月22日に設立した。OUVCは大阪大が100%出資する子会社の「認定特定研究成果活用支援事業者」として投資活動している。

 OUVCの1番目の案件は、マイクロ波化学(大阪府吹田市)への投資であり(参照記事:「『世界中の化学産業を変革したい』との思いで、起業しました」)、2015年9月に公表した。そして、2番目としてマトリクソーム(大阪府吹田市)に、3番目としてジェイテック(大阪府茨木市)に投資したことを、1月末に相次いで発表した。投資を公表することで、有望な投資案件の発掘、投資審査、投資実行を順調に進めていることを学内・学外にアピールしたわけだ。

投資第2弾のベンチャー企業は細胞培養用基材を事業化

 2番目のマトリクソームの投資については、OUVCは初めて記者発表会を開催した。1月28日夕方、大阪大の吹田キャンパス内で「マトリクソームへの投資決定に関する記者発表会」と題した記者会見を開催したのだ。発表会には、大阪大の西尾章治郎総長をはじめとする理事・副学長の3人の大学幹部、事業化シーズを提供した大阪大蛋白質研究所の関口清俊教授、その事業化を共同研究によって進めた企業のニッピ、そのニッピの子会社であり大阪大発ベンチャー企業でもあるマトリクソーム、OUVCの松見芳男代表取締役、そしてマトリクソームの関係者などが勢揃いした。

 今回、OUVCが投資を決定したマトリクソームは、再生医療向けなどの細胞培養向け基材を開発し販売する事業を目指す。この研究開発は関口教授が長年、実施してきた。科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業ERATO型の中で、関口教授が総括責任者を務めたERATO「関口細胞外環境プロジェクト」(2000年10月~2005年9月)が基盤となっている。京都大学の山中伸弥教授がヒトでのiPS細胞(人工多能性幹細胞)の研究成果を2007年に発表する前に、細胞培養向け基材の基盤研究として成果を上げた先駆的な研究成果であると、ERATO事業評価書などでは高く評価されていたものだ。

 その後も、関口教授は研究開発を進め、最近では2016年度の政府の補正予算から大阪大が受け取った特別運営費交付金の34億円の一部を活用し、大阪大蛋白研究所とニッピが「事業化推進型共同研究」契約を結んだ。そして将来、大阪大発ベンチャー企業を創業する計画を進めていた。ニッピは、皮革関連製品事業がルーツの企業であり、最近はコラーゲンなどの化粧品事業やゼラチンなどの食品事業で成長している老舗企業である。

 今回、ベンチャー企業を創業するために、OUVCはベンチャー企業の創業計画などをニッピや関口教授などと話し合い、2015年12月3日にマトリクソームを資本金400万円で設立した。この創業時点では、関口教授が代表取締役に就任した。同社の株式の75%を創業者の関口教授が、25%をニッピが保有した。創業時のマトリクソームの事業内容は「再生医療・創薬の基盤となる細胞培養用基材・サービスの開発・販売」と表記されている。

OUVCの勝本健治管理担当執行役員・経営企画部長

 OUVCは、マトリクソームの創業計画段階の“シード期”からハンズオン支援を始め、そして同社の資本政策などに関しても話し合った模様だ。その結果、OUVCの投資部は調査・投資審査を続けたうえで、マトリクソームへの投資案件案をかため、OUVCの代表取締役社長と社外取締役で構成する支援・投資委員会に提案した。2015年内には「マトリクソームへの投資は社内では決まっていた」と、OUVCの勝本健治管理担当執行役員・経営企画部長は明かす。

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