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睡眠不足の人間にリーダーは務まらない!

アリアナ・ハフィントン流「睡眠改革のススメ」(1)

2017年2月15日(水)

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 “He that will thrive must rise at five.”成功したいなら、睡眠時間を削って5時に起きなければならない――。童謡『マザー・グース』でも語り継がれている「成功の掟」は、日本よりはるかに残業や過労が少ない米国でも、企業幹部やウォール街のトレーダー、エリート弁護士層などの間で信奉されてきた。成功への階段の傾斜が険しさを増すなか、睡眠もままならず、体を壊したり、うつ病になったりする人は世界規模で増えている。成功のためには睡眠を犠牲にすべきだという「成功の掟」は必要悪なのか、「集団的妄想」なのか――。米ハフィントン・ポスト創業者で、昨年『スリープ・レボリューション 最高の結果を残すための 「睡眠革命」』(邦訳版は2016年11月発売)を上梓したアリアナ・ハフィントン氏に、睡眠の大切さについて語ってもらった。過労で倒れた自身の経験を踏まえ、世界一睡眠時間が短い働きすぎの東京人に送るメッセージとは――。(肥田美佐子=NY在住ジャーナリスト)

アリアナ・ハフィントン氏
『ハフィントン・ポスト』創設者、スライブ・グローバルの創設者・CEO。ギリシア出身。16歳で英国に渡り、ケンブリッジ大学を卒業(専攻は経済学)。21歳のとき、世界的にも名高い同大討論会の会長となる。近年では、タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」、フォーブス誌の「世界で最もパワフルな女性100人」に選ばれたことがある。また、タクシー・ハイヤー配車サービスのウーバー・テクノロジーズや、非営利の調査報道組織センター・フォー・パブリック・インテグリティなど、多数の企業および組織で役員を務めている。2016年8月、「“成功するには燃え尽きという代償が不可欠”という集団妄想を終わらせ、人々の働き方と生き方を変える」ことを理念に掲げ、新会社スライブ・グローバルを設立。同社は、人々の健康と生産性向上のため、最新の科学的知見にもとづくトレーニング、セミナー、eラーニング講座、コーチング、継続的サポートなどを世界各地の企業および個人に提供する。(写真/Peter Yang)

睡眠危機に直面する現代人

 現代人と睡眠との関係は危機的状況にある。睡眠不足は、世界的に蔓延する大規模な公衆衛生上の疫病だ。睡眠不足は経済に巨額の損失をもたらしている。睡眠不足が「アブセンティーイズム(常習的欠勤)」や「プレゼンティーイズム(出勤していても生産性が上がらない状態)」というかたちで米国経済に与えている生産性の損失額は実に年間630億ドルを超える(Sleep.2011 Sep 1;34(9):1161-71.doi:10.5665/SLEEP.1230)。心身の健康や全般的な幸福感に照らすと、睡眠不足のツケは、さらに大きくなる。

 十分に眠らないと、最悪の場合、どんな弊害が起こりうるのか。長期的な睡眠不足は、死に直接つながりかねないだけでなく、癌や糖尿病、心臓病、うつ病など、非常に多くの病気と深く関連している。

 最近の最も重要な発見の一つは、睡眠中に脳の掃除が行われているということだろう。

 言ってみれば、睡眠は脳に夜間清掃スタッフを送り込んでいて、彼らが、日中に脳細胞の間にたまった有害なタンパク質(アルツハイマー病にも関連がある)を除去してくれるが、睡眠不足の人は除去が不十分になりかねない。ロチェスター大学トランスレーショナル神経医学センターの共同責任者マイケン・ネーデルガードがこの清掃機能のメカニズムを研究している。

 また、オーストラリアの研究によれば17~19時間眠らずにいると(多くの人にとって日常のことに違いない)、認知能力は血中アルコール濃度が0.05%(米国の多くの州の酒気帯び運転基準よりわずかに低い値)のときと同程度まで低下するという。さらにあと2~3時間起きていると、0.1%、つまり酒気帯び運転と同程度に達する。もちろん、飲酒運転については路上で検査が行われるが、睡眠不足運転にそのような検査はない。

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「睡眠不足の人間にリーダーは務まらない!」の著者

肥田 美佐子

肥田 美佐子(ひだ・みさこ)

ニューヨーク在住ジャーナリスト

「ニューズウィーク日本版」編集などを経て1997年、渡米。米広告代理店などに勤務後、独立。08年、ILOメディア賞受賞。米経済、大統領選など幅広く取材。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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