Jクラブ変えたジャパネット、「長崎の夢」創る

高田明・旭人親子が、村井チェアマンに明かした舞台裏(後編)

 長崎を本拠地とするサッカーJリーグのクラブ「V・ファーレン長崎」が、昨年11月に2部リーグ(J2)から1部リーグ(J1)へと昇格を果たした快挙。今回、クラブの社長として選手たちの躍進を支えたジャパネットホールディングス(HD)の創業者、高田明氏と、その長男でジャパネットHD現社長の高田旭人氏、そしてJリーグのトップである村井満チェアマンによる鼎談が実現した。

 前編では、ジャパネットHDが昨春にV・ファーレンを子会社化し、経営危機が表面化したクラブを高田明氏らがどのように立て直したかを中心に、Jリーグのクラブ経営の課題などについてもそれぞれの立場から語ってもらった。後編となる本記事では、Jリーグに求められる経営人材や、今後のV・ファーレンが目指す方向について話が及んだ。

前編から読む)

村井さんは2015年、スポーツ界の経営人材の養成を目的としたビジネス講座「Jリーグヒューマンキャピタル(現一般財団法人スポーツヒューマンキャピタル)」を立ち上げました。経営能力を持つ人材の育成については強い問題意識をお持ちだと思いますが、いかがですか。

Jリーグ・村井満チェアマン(以下、村井):突き詰めれば、サッカーという競技だけではなく、クラブを成功させようと思ったら、プロジェクトファイナンスをして資金調達をする人材、町そのものを開発するような、不動産分野に精通した人材も必要になるかもしれません。商社マンの海外駐在のような立場で海外クラブとマッチメークをしたり、選手の移籍を実現したりするグローバルタレントも大事かもしれない。はたまたPRとかプロモーションに長けた人材や、デジタル系のエンジニアのような人も求められるかもしれません。

 実は、スポーツにそういう人たちが流れてくると、スポーツ界が発展する余地はまだまだあるんですよね。そういう人たちを育てるか、引っ張ってくるのかが、今の私たちにとってはすごく大事な要素ですね。

サッカーがどのように国民に向き合うのか

V・ファーレン長崎・高田明社長(以下、明):私はそのお考えは素晴らしいと思うし、今日のお話を聞いていても、すごく自分の今までの経験の中に響くものがあります。私は先日ある賞をいただいて、それに関連してトークショーで福岡ソフトバンクホークスの今宮健太選手と一緒になったんです。参加者は600人ぐらいでほとんどがシニアの方でしたが、「サッカー観戦に行きますか?」と聞いても、2人しか手が挙がらなかったんですよ。今宮選手が「キャンプを見に行きますか?」と聞いたらみんな手を挙げるのに。

高田明(たかた・あきら)氏 1948年、長崎県生まれ。父が経営する「カメラのたかた」に入社後、86年に独立。通販事業に乗り出し、ジャパネットたかた(現ジャパネットホールディングス)を一代で業界大手に成長させる。2015年に社長職を長男の旭人氏に譲り経営の一線を退く。17年4月にV・ファーレン長崎の社長に就任(以下、写真は浦川祐史)。

 私はだから、「もう今日の話で間違いなくサッカーは野球を抜きます」と言ってみんなの笑いを取ったんですけどね(笑)。なぜその差が出るかというところに一番真摯に向き合われているのが、村井チェアマンだと思います。単なる勝ち負けではなくて、サッカーがどのように国民に対して向き合うのかということですよね。

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著者プロフィール

河野 祥平

河野 祥平

日経ビジネス編集記者

2006年日本経済新聞社入社。社会部、消費産業部などで警視庁、ネット業界などを担当。直近では企業報道部でビール・清涼飲料業界を取材。2015年4月から日経ビジネス。

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