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肉眼を凌駕するカメラの「目」、進化止まらず

イメージセンサー[ソニー、キヤノン]

2016年3月28日(月)

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デジタルカメラの「目」であるイメージセンサーの進化が著しい。肉眼では認識できないスピードや、暗闇での撮影を可能にする。

人間の目を超越するイメージセンサー
カメラのレンズに集めた光を電気信号に変え画像データを作り出す
(写真=Getty Images/Jess Wiberg)

 リンゴに矢じりが当たると同時に細かな果汁と果肉が飛び散り、矢が突き刺さり貫通していく──。取材で見たのは、1秒間に960フレームという速度で撮影した、リンゴを矢で打ち抜くスローモーション映像だ。

 「肉眼だと矢の動きさえ見えにくく、リンゴを突き抜く様子も見えない。最新のイメージセンサーを搭載したカメラだと、このような画像が撮れる。イメージセンサーは既に、人間の目の能力を超えた」。ソニーの大場重生IS事業戦略部統括部長は説明しながら、こう胸を張った。

 イメージセンサーとは、カメラのレンズに集めた光を電気信号に変換し、画像データを作る機能を持つ半導体のこと。デジタルカメラの「目」の役割を果たす。デジタルビデオカメラやスマートフォンの内蔵カメラ、医療機器の内視鏡、車載用など様々な用途で活用されている。ソニーは世界シェア42%を占め、首位を独走する。

 ソニーの大場統括部長は、イメージセンサーが3つの点で、人間の目を超えたと強調する。

肉眼より“4倍”も高速撮影

 1つ目は「速度」。人間の目で認識できる速度の限界は、240フレーム/秒(fps)程度とされる。一般のテレビ放送は30fpsで、ゲームなど動きの速い動画でも60fps程度だ。一方、ソニーが2015年に発売した高級デジカメ「DSC-RX10M2」と「DSC-RX100M4」に搭載した最新のイメージセンサーでは、960fpsでの撮影が可能だ。

 2つ目が「感度」。ISOという値が大きくなるほど感度が高くなり、光が少ない場所でも撮影が可能になる。蛍光灯の下で撮影する場合、ISO1000程度が目安となる。ソニーが2015年に発売した「アルファ7S Ⅱ」の搭載センサーは、最大ISO「40万9600」という高感度での撮影に対応。肉眼ではほぼ真っ暗闇にしか見えない状況でも、明け方くらいの明るさの画像が撮れる。

 3つ目が「明暗差(ダイナミックレンジ)」。ドライブ時に経験したことがある読者も多いと思うが、暗いトンネルを走り出口に近づくと、出口の向こう側の景色が見えなくなることがある。肉眼では、明暗の急変動に対応しづらいからだ。ソニーが2016年中に車載用に量産予定のイメージセンサーでは、こうした現象を克服。「トンネル内の白線や壁だけでなく、出口の先もくっきり映せる」(ソニーの大場統括部長)。

 現在の主流は「CMOS(相補性金属酸化膜半導体)」タイプ。2000年代までは「CCD(電荷結合素子)」方式が主流だったが、画像の高速処理ができ低消費電力で稼働するCMOSがイメージセンサー市場の中心となった。

成長が続くCMOSイメージセンサー
●イメージセンサーの世界市場規模の推移
出所:ガートナー

 ソニーは競合に先駆け、CMOSへの移行を決断。その後、配線と基板の位置を反転させ、小型化しても効率よく光を取り込める「裏面照射型」と呼ぶ新構造を開発。裏面照射型をさらに小型化できる「積層型」と呼ぶ新しい構造も生み出し、機能強化と生産効率の両面で競合を圧倒してきた。

●CMOSイメージセンサーのシェア(2014年、金額ベース)
出所:ガートナー( 四捨五入により合計は100%ではない)

 自社製品向けだけでなく、幅広い企業に外販。米アップルのiPhoneの最新モデルなどにも搭載されており、中国勢など世界中のスマホメーカーから引き合いが殺到している。

 このため2015年には、公募増資などで約4200億円の資金を調達。イメージセンサーの研究開発や生産能力増強へ投じることを発表した。加えて、東芝からイメージセンサーの生産ラインを買収することも決定。旺盛な需要により、ソニーのイメージセンサーの2015年度の売上高は、前年度比25%増の5700億円となる見込みだ。

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「肉眼を凌駕するカメラの「目」、進化止まらず」の著者

宗像 誠之

宗像 誠之(むなかた・せいじ)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日本経済新聞社産業部、日経コンピュータを経て、2013年1月から日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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