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日本の若者はなぜ、Twitterをよく使うのか

SNSの今と未来――鷲田祐一 × 佐々木裕一 特別対談(1)

2017年5月8日(月)

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Twitter カンバセーション・マーケティング ビジネスを成功に導く"会話"の正体』の解説者であり、ユーザーイノベーション研究で注目を浴びる鷲田祐一先生と、『ツイッターの心理学:情報環境と利用者行動』の共著者であり、日本におけるソーシャルメディア研究の第一人者である佐々木裕一先生による、対談シリーズがスタート。ソーシャルメディアの使い方やユーザーイノベーションの観点から、ネット社会のクリエイティビティがどうなっていくのかを探ります。第1回は、なぜ日本ではFacebookよりもTwitterが支持されているのかなど、日本特有のソーシャルメディアの使い方について。

「4つの動機」に適う気楽でゆるいコミュニケーション

鷲田祐一(以下、鷲田):ソーシャルメディアの利用動向について、佐々木先生も大学生と接していてお気づきだと思いますが、日本の若者はFacebookをあまり使わないですよね。

佐々木裕一(以下、佐々木):学生がよく使っているのは、LINE、Twitter、YouTubeですね。あとはInstagram。Instagramの利用はどれだけ続くかわかりませんが。

鷲田:このあたりはアメリカと温度差があると感じます。だからこそ、情報環境という点において日本はアメリカのセカンドオルタナティブ(代替的立ち位置)になれているのかなと。下手をすると、この先その立ち位置が中国になる可能性もあります。しかし中国とアメリカは幸いにも、ローコンテクストの(言語・文化・価値観などの共有性が低い)国ということでよく似ている。質的に違うということがオルタナティブたる所以ですので、ハイコンテクストな日本社会はオルタナティブとしてあり続けるのではないかと思っています。

鷲田祐一(わしだ・ゆういち)
1968年生まれ。91年、一橋大学商学部卒業後、博報堂に入社。生活総合研究所、イノベーション・ラボで消費者研究、技術普及研究に従事。2008年、東京大学大学院総合文化研究科博士後期過程を修了 (学術博士)。2011年、一橋大学大学院商学研究科准教授、2015年、同教授。ミクロ視点での普及学、グローバルマーケティング、ユーザーイノベーション論、未来洞察手法、デザインとイノベーションの関係などを研究している。(写真:鈴木愛子、以下同)

佐々木:『Twitter カンバセーション・マーケティング』には、アメリカとは違う日本でのツイッターの使われ方がいくつか紹介されていますね。

鷲田:はい。最終章でツイッター・ジャパン代表の笹本裕さんと対談をしているのですが、日本のツイッター利用の勢いは他の国と比較にならないくらいすごいとおっしゃっていました。

佐々木:本国での経営状況はあまりよくない、と報道されていますよね。もしかしたら、セブン-イレブンのようにツイッター・ジャパンが本家を子会社化する、という展開もありえるのではないでしょうか。

佐々木裕一(ささき・ゆういち)
1968年生まれ。92年、一橋大学社会学部卒業後、電通に入社。その後、アーサー・D・リトル・ジャパン、NTTデータ経営研究所に勤務。2009年、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程修了(政策・メディア博士)。現在、東京経済大学コミュニケーション学部教授。ソーシャルメディアとネット広告、情報サービス産業などの研究に取り組む。ソーシャルメディアの収益モデル史・社会史に関する15年以上にわたる調査を継続中。

鷲田:可能性はあると思いますね。日本でTwitterが非常に支持されているのは事実ですから。どうして、日本人はこんなにもTwitterが好きなのか。佐々木先生は、『ツイッターの心理学』で日本のTwitter利用者がどういう動機を持っているのか、分析されていますね。

佐々木:はい。大きく分けて4つの利用動機があると考えています。1つ目は、ツイッターを通じて自分の考えを知ってもらったり、新しい関係を構築したりする「オンライン人気獲得」。2つ目は、楽しさや暇つぶしを求める「娯楽」。3つ目はすでに知り合いである人との交流に使う「既存社交」。4つ目はツイッターで新しい情報を得たいという「情報獲得」、です。このように、ツイッターはいろいろな用途があり、それぞれの目的にかなった使い方ができるところが支持されているのではないかと思います。そして、Twitterのタイムラインに投稿するというのは他のSNSに比べて圧倒的に気楽なんですよね。

鷲田:メールやLINEだとそうはいかないですよね。Facebookもある程度ちゃんとしたことを書かなければいけないという雰囲気があります。

佐々木:例えば、Twitterで「大手町で仕事終わったー。なんか食べに行きたいな」と投稿したとします。そうしたら、「私も今、大手町!」とか「私もひまだよー。◯◯(店名)行こうよ」などリプライが来て、一緒に食事をすることになる。あるいは反応がないかもしれない。でもそれはそれでいいんです。もし1対1で「大手町で仕事終わったー。なんか食べに行きたいな」と送った場合、返信への強制力が働いてしまいますよね(笑)。

鷲田:誰に送るかも考えてしまいますし、送られた方も「今は別のところにいるけれど、大手町まで来いってことかな……」と思うかも(笑)。

佐々木:20代以下の人たちは、これくらいのゆるいコミュニケーションを望んでいるようですね。

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「日本の若者はなぜ、Twitterをよく使うのか」の著者

崎谷 実穂

崎谷 実穂(さきや・みほ)

ライター/編集者

北海道札幌市生まれ。人材ベンチャーでコピーライティングを経験後、広告制作会社で新聞広告を担当、100名近くの著名人などに取材。2012年に独立。ビジネス系の記事、書籍のライティング・編集を中心に活動。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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