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EVの課題克服?リチウムイオン電池の後釜

「全固体電池」がもたらすインパクトを専門記者が徹底解説

2017年5月18日(木)

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 航続距離が短く、充電に時間がかかりすぎるなど現行のEV(電気自動車)には課題が多い。そうした課題をクリアするものとして期待されるのが全固体電池だ。市場の大きさと潜在能力の高さが注目され、国内外の有力企業が開発にしのぎを削る。

リチウムイオン電池の課題を克服
●リチウムイオン電池と全固体電池の構造
リチウムイオン電池電解質は有機溶媒で可燃性があり、漏出リスクなど安全性に課題を持つ。ただ、生産手法が確立しており、大規模生産で量産効率は高まる
全固体電池電解質を固体材料に置き換えたことで安全性を高めた。材料の改良が進み、リチウムイオン電池に匹敵するイオン伝導率を持つ試作品も

 スマートフォンやEV(電気自動車)などの蓄電池として、需要が急拡大しているリチウムイオン電池。その巨大な市場の代替を狙って、急ピッチで開発が進められているのが全固体電池だ。

 電池の基本構造は正極と負極があり、その間にイオンの通り道となる電解質が満たされている。電解質として従来の液体の代わりに固体材料を用いているため、全固体電池と呼ばれる。

 全固体電池には、リチウムイオン電池に比べて技術的な優位点が幾つもある。まず安全性が高いこと。電解質が固体であることで液漏れが起こらない。また、揮発成分がないか、あってもわずかなため発火しにくい。固体電解質は硬いので、電極に析出する樹枝状結晶(デンドライト)が正極と負極を短絡(ショート)する可能性も低い。

 電解質が固体であるためセルの設計自由度が大きく増すことも優位点の一つだ。液体電解質と異なりリチウムイオンが意図しない電極に流れないため、1セル内での多層化や直並列の設計が容易となる。多数のセルを直並列に接続した従来のモジュールに比べて、個々のセルのパッケージを減らせる分、モジュールの体積も減らせる。

 高温や低温での特性が高いのも大きな長所だ。液体電解質を用いる多くのリチウムイオン電池は70度が事実上の上限温度であり、それ以上では出力電圧が低下する。低温にも弱く、マイナス30度では内部抵抗が増して十分な出力密度が確保できなくなる。全固体電池なら100度の高温でも問題なく動作し、マイナス30度の低温でも既存のリチウムイオン電池ほど性能が低下しないものが多い。

トヨタ、3分で充電するEV電池

 そのポテンシャルの高さが評価され30年以上前から国内外で開発は進められてきたが、技術的な課題をクリアできなかった。例えば、電池の基本的な性能であるエネルギー密度や出力密度が既存のリチウムイオン電池よりも全固体電池の方が低かった。他にも、製造時に加圧が必要になるなど量産が難しかったり、半導体プロセスを用いる例では小容量のセルでも、製造に長い時間を要していた。

 最近になって弱点の解消を図り、基本性能が既存のリチウムイオン電池を大きく超える開発例が相次いでいる。

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