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コピーライターはもっと勉強すべきだ

梅田悟司 × 飯田朝子 特別対談 ~「言葉の力」を考える(3)

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2017年7月31日(月)

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 傑作コピーの頻出語句を抽出した辞書『「あ、それ欲しい! 」と思わせる広告コピーのことば辞典(以下『広告コピーのことば辞典』)の著者である中央大学商学部教授の飯田朝子さんと、缶コーヒーのジョージア「世界は誰かの仕事でできている。」など数々の傑作コピーを生み出している電通のコピーライター、梅田悟司さん。対談の最終回では、「モヤモヤしている気持ちをどうやって形にしていくのか」を考えていきます(文中敬称略)。

前回から読む)

梅田さんの著書『「言葉にできる」は武器になる。』は、読者がかなり若いと伺ったのですが。

梅田悟司(以下、梅田):はい。若くて、女性が多いですね。

飯田朝子(以下、飯田):若い男性はどうですか? 彼らが喜びそうな、自分自身を見つけられるような感じがして、いいと思いますけれど。

梅田:高校生が思春期の時に読んだようです。親とけんかして、でも自分の気持ちが言えなくて、イライラして。この本を読んだら、自分が何を言いたかったのかがわかった、といったこともあると聞いています。

飯田:皆、感情に起伏があるけれど、アウトプットする蛇口を持っていないのかな。

自分の中にあるものが第一

梅田:やはり「すべ」がわかってないんですよね。
 僕の本のテーマは、強い言葉を生み出そうといったことではなく、「言葉にできる」ことなんです。自分が考えていることを適切に表現しましょうという話なので、伝え方ともちょっと違う。自分の中にあるものが第一で、それを適切な形にするために変換する方法を書いています。

 本のレビューを見ていると、「伝え方の本かと思ったら、いい意味でまったく違いました」というコメントがとても多い。なんだかムシャクシャして、自分でももう何を考えているのかわからないという時に読んでもらえると、「こういうふうに自分は思っていたんだ。じゃあ、それを摘まむ言葉にすればいいじゃないか」という気づきがあると思います。

梅田悟司(うめだ さとし)  電通コピーライター・コンセプター。1979年生まれ。上智大学大学院理工学研究科修了。レコード会社を立ち上げた 後、電通入社。国内外の広告賞・マーケティング賞をはじめ、3度のグッドデザイン賞や官公庁長官表彰などを受ける 。CM総合研究所が選出するコピーライタートップ10に、2014~2016年と3年連続で選出。最近の主な話題作は、ジョージア「世界は誰かの仕事でできている。」「この国を支える人を支えたい。」、タウンワーク「その経験は味方だ。」「バイトするならタウンワーク。」がある。TBS日曜劇場『99.9~刑事専門弁護士』『小さな巨人』などではコミュニケーション・ディレクターを務めるなど、活動領域を広げている。著書に『「言葉にできる」は 武器になる。』『企画者は3度たくらむ』(いずれも日本経済新聞出版社)、『誤解されない話し方 説得力より納得力』(講談社)。(写真=的野弘路、以下同)

飯田:自己啓発本かなと読み始めたら、そうではなくて、「自己発見本」だったといった感じですよね。自分はそこにいて、わかっているんだけど、自分の立ち位置とか、存在とか、輪郭がわからない人たちに、それをくっきりさせましょうというところが、すごく価値の高い本だなと思います。

梅田:仰るとおりだと思います。
 本にしやすいものと、しにくいものってあると思うんですね。方法とかノウハウのほうが本にはしやすいですよね。

 ただ、「自分を知る」ということを考えると、皆それぞれ考えていることも違えば、悩みも違うし、向き合わなければいけない課題も違うはずで。そういった個々に異なる課題を持っている人たちに対して、自分を知るための方法をどう提示したらいいのかとずっと考えていて。

 そこでたどり着いたのが今の形です。強い言葉の生み出し方や伝え方の本ではなくて、「言葉にできる」ということをテーマとして置く形になりました。

飯田:いいと思います。私も学生たちに勧めたいです、この本。

梅田:ありがとうございます。ぜひ。

梅田さんの本では、言葉を膨らませたり、集めたりする中で、いろいろな手法を教えてくださっているんですが、言葉を増やしていく時や、似て非なるものの違いを考える時に、飯田さんの『広告コピーのことば辞典』は役に立ちますか?

梅田:役に立つと思います。実は最近のはやり言葉でもありますけれど、僕、「語彙力」って大事だと思うんです。ただ、語彙力が大切だといっても、辞書に書いてある言葉をたくさん知ればいいということではないはずで、自分の考えていることとか、自分が本当は伝えなきゃいけないことを表現するための語彙力を増やす必要があると思うんです。
 飯田さんの本にあるように、「こういう表現の中ではこういう意味が使えるんだ。じゃあ、これを自分の語彙力として吸収しよう」ということがあって初めて成り立つようなものだと。

 僕の本では、「その語彙力は自分の中にあると思いますよ。それに気づきましょう」という感じですが、飯田さんの本は、「こういう使われ方をしているので、使われ方も含めた語彙力をあなたのものにしましょう」ということですよね。自分対自分なのか、自分対世の中なのかの違いなのかなと思いました。

飯田:お互い、相乗効果があっていいと思います。私は、梅田さんの本は絶対書けない。これはやはり梅田さんが実際に経験されたり、ノウハウを編み出したりしたからこそ書けるのであって。逆に梅田さんには、私の本は書けないわけで。そこはお互い、今、通じているものはあるにせよ、やはり分野や考え方、経験が違うので、それぞれの賜物が1冊になっているんじゃないかなと思います。

飯田朝子(いいだ あさこ)  1969年、東京都生まれ。東京女子大学、慶應義塾大学大学院修士課程を経て、1999年、東京大学人文社会系研究科言 語学専門分野博士課程修了。博士(文学)取得。専門は日本語語彙論。現在は中央大学商学部教授として、課題演習「 買いたい気持ちに火を付けるコピーライティング:広告表現研究」と基礎演習「商品名と広告コピーの研究」を担当。  著書に『数え方の辞典』、『アイドルのウエストはなぜ58センチなのか 数のサブリミナル効果』(以上、小学館) 、『ネーミングがモノを言う』(中央大学出版部)、『日本の助数詞に親しむ 数える言葉の奥深さ』(東邦出版)な どがある。2015~2017年、米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校客員研究員。第53、54回宣伝会議賞協賛企業賞受賞 。

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