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トヨタ勝利、“マキネン流”強いチームの3条件

トヨタWRCチームのマキネン監督、ラトバラ選手らに聞く

2017年8月24日(木)

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(前編はこちら

 7月27日~30日の4日間で開催された、WRC (FIA世界ラリー選手権)第9戦ラリー・フィンランドで、トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)が今季2度目の勝利を挙げた。

ユバスキュラの町に設置されたサービスパークの様子。ラリーフィンランドはかつて“1000湖ラリー”と呼ばれていたこともあり、この地域を中心に国全体に湖が点在する。実際の数は1000以上あるという(写真:藤野太一)

 フィンランドでのラリーは中部の町ユバスキュラを中心に開催され、ホテルやカンファレンスセンターなどが集う商業地に、長い1日を走り終えたマシンが戻ってくるサービスパークが置かれている。大きなTOYOTA GAZOO Racingの広告が掲げられ、そこには「WELCOME TO MY HOME ROADS」の文字が見える。

 トヨタが今年からWRCに復帰するにあたり、パートナーとして選んだのが、かつてのWRCワールドチャンピオン、トミ・マキネン氏率いるTMR(トミ・マキネン レーシング)だ。チーム本拠地は、このサービスパークがあるユバスキュラから北へ約15kmのプーポラという町にある、まさにホームロードでのイベントと言えるものだ。

 ちなみに、ラリー・フィンランドはWRCの中で最もSS(スペシャルステージ)の平均速度が高いグラベル(未舗装路)ラリーである。スピードが乗るコースでは最高速は未舗装であっても200km/hを超える。スピードを競い合うSSの数はトータル25本あり、その合計距離は314.20km。リエゾン(移動区間)を含めた総走行距離は1425.96kmにも及ぶ。4日間に渡ってこれを走り抜き、今回のラリーフィンランドで優勝したラッピ選手(トヨタ)と2位のエバンス選手(フォード)との差は36秒。さらに2位と3位のハンニネン選手(トヨタ)との差に至っては、なんと0.3秒! 4日間、グラベルを飛びまくり、ドリフトしまくってその差なのだから、いまのWRCではどれほど熾烈な争いが繰り広げられているか、お分かりいただけると思う。

いつもの生活道路がコースとなり、沿道には数多くの人が応援に駆けつける。フィンランドの国土の大部分は永久凍土に覆われ、タイガ(針葉樹林帯)が広がっていて、舗装しても割れてしまうことが多く、いまも未舗装路が数多く残されている。ターマック(舗装路)ラリーの割合が増えている中、貴重な場所だという © Red Bull Media House

 今回は3日間をかけてラリーを追いかけ、8つのSSを見ることができたのだが、実際のところ、すさまじいスピードで走っているラリーカーの姿をすべてのSSで見学することは不可能だ(できるとするならばラリーカーより速く走るしか手はない)。1日走りまわって、3~4つのSSを見るのが精一杯で、しかもトップチームのマシンは数秒で目の前を走り抜けてしまう。

“ラリーは国技”のフィンランドで絶大な信頼

 しかし、“ラリーは国技”とも言われるフィンランドだけあって、緑奥深い地にもたくさんの観客が訪れていた。フィンランドの国旗とそしてTOYOTA GAZOO Racingの旗がよく目につく。そして、驚くほど頻繁に地元の人から話しかけられた。皆「トヨタ車はいいね!」とサムアップしてくれる。長く参戦が途絶えていたとはいえ、フィンランドでのトヨタ=ラリーのイメージは絶大だ。それはまたトヨタの市販車の“壊れない”、“保証が充実している”、こととうまくリンクしているようだ。

サービスパークにある各メーカーのガレージの中でも、トヨタの注目度は圧倒的だった。壁のモニターには整備に使える残り時間が表示されており、時間ぎりぎりまで整備が続けられる。そしてドライバーが乗り込みここから出発すると大きな拍手が沸き起こる。できるだけ多くの人が近くでサービスの様子を見られるようにと、マキネンのアイデアでブースが設けられており(写真奥側)、今日のメカニックが顔写真付きで紹介されていた。ラッピ選手の12号車の担当に日本から来た、凄腕技能養成部の松山大介氏の名があった(写真:藤野太一)

 トヨタのWRCへの初参戦は、1970年代に遡る。1975年、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ・いまのTMGの前身、TMGについては後述)がカローラレビンで初優勝を遂げる。そのときのラリーもフィンランド(1000湖ラリー)だった。1980年代後半にはグループA規定により4WDのセリカGT-Four(映画「私をスキーに連れてって」の劇中車でもある)をベースとしたラリーカーが登場。90年代前半はカルロス・サインツ、そしてフィンランド出身のユハ・カンクネンといった名ドライバーによってトヨタはチャンピオンを獲得している。

コメント4件コメント/レビュー

トヨタのWRCとホンダのF1の結果の差を考えるヒントになると思います。
人の個々の能力差よりチーム力が無いとゲームでは勝てない、そんなことを感じました。
豊田社長だからトヨタの様な大企業でも出来た事だと思いました。(2017/10/04 18:22)

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「トヨタ勝利、“マキネン流”強いチームの3条件」の著者

藤野 太一

藤野 太一(ふじの・たいち)

フリーランスエディター/ライター

大学卒業後、自動車誌カーセンサー、カーセンサーエッジの編集デスクを経てフリーの編集者兼ライターに。日経ビジネスオンラインでは、連載開始時より2017年まで「走りながら考える」のアドバイザーを務めていた。自動車関連の分野をはじめとしビジネスマンを取材する機会も多く日経トップリーダー、日経デジタルマーケティングなどにも寄稿する。JMS(日本モータースポーツ記者会)所属

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

トヨタのWRCとホンダのF1の結果の差を考えるヒントになると思います。
人の個々の能力差よりチーム力が無いとゲームでは勝てない、そんなことを感じました。
豊田社長だからトヨタの様な大企業でも出来た事だと思いました。(2017/10/04 18:22)

こんなしっかりした取材や記事をかける人があの男にいいようにこき使われていたとは。
藤野さんがフェルを鍛える
そんな感じですね。これからも期待しています。頑張ってください。(2017/08/24 15:59)

リストリクターの件がチームにどのような影響を与えたのかも書いてほしかった(2017/08/24 10:28)

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