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「ゲリラ豪雨」はどこまで予測できるか

スパコン「京」が開く次世代天気予報

2016年8月29日(月)

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スーパーコンピューター「京」を使うことで天気予報の精度が飛躍的に高まる。ゲリラ豪雨など局地的な天候の急変を事前に通知できるシステムの実現も見えてきた。目指すは2020年東京五輪に向けた実証実験。世界を驚かすことはできるか。

(写真=Sakura Photography/Getty Images)
「フェーズドアレイ気象レーダ」で雨雲の状況を100m区画ごとに捕捉(写真=情報通信研究機構)
数百ギガバイトのデータをスーパーコンピューター「京」が高速で処理(写真=理化学研究所)
100m四方ごとにピンポイントの降雨情報を提供(写真=Atsushi Tomura/Getty Images)

 「ゲリラ豪雨注意報です。10分後にこの付近で激しい雨が降ります。急いで避難してください」

 スマートフォンに突如通知が入った。見上げると空は晴れ渡っている。首をかしげながら近くの建物に入ると、すぐに積乱雲が立ちこめ、集中豪雨が襲った。間一髪で助かった──。

 近い将来、このようなシステムが実現する。これまでの天気予報は、気象衛星や地上のレーダーなどから雨雲の位置を把握し、雨雲の進む方向を地図上に示してきた。予報は細かくても市町村単位で、1時間ごとの天気の変化が分かる程度が主流だった。

 しかし、近年増えているゲリラ豪雨は、瞬く間に積乱雲が発生。局地的に大雨を降らし、数十分の間に雲が消滅する。そのため、従来の予想技術では対応し切れていなかった。

 2014年8月にはゲリラ豪雨によって広島市で土砂災害が発生、70人を超える死者が出た。急激な増水で河川が氾濫し、地下工事中の作業員が命を落とす事故も毎年のように起きている。

 そこで期待を集めるのがスーパーコンピューターによるシミュレーションだ。雨雲の位置データを大量に収集して、数理モデルに基づいて、まだ発生していない巨大雨雲が何分後にどの位置に発生するか、詳細な情報をはじき出す。短時間勝負のゲリラ豪雨予想には、もってこいの手法だ。

 2013年度に科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業に採用された。プロジェクトを推進する理化学研究所の三好建正チームリーダーは「避難に間に合うよう、早いタイミングで情報提供できる体制を構築したい」と力を込める。

 雨雲の捕捉には「フェーズドアレイ気象レーダ」と呼ぶ最新レーダーを使う。半球形のカバーの内部には板状のアンテナが隠されており、ぐるりと360度回転しながら雨粒の動きを追う。情報通信研究機構や大阪大学などが共同で開発し、2012年に大阪府に日本で初めて設置された。現在も兵庫県や沖縄県など国内4カ所にしか配置されていない「希少品」だ。

 観測スピードは素早い。半径60km、高度14kmの範囲をわずか30秒で観測できる。従来型レーダーに比べ観測時間は約10分の1へと大幅に短縮した。

 詳細なデータを収集できるのも強みだ。一辺100mの立体空間を1区画とし、それぞれの降雨分布をデータとして集める。気象庁が観測する一辺250m区画のデータに比べ、よりピンポイントに情報を把握できる。

豪雨予想は数分の勝負
●積乱雲の発生から消滅まで

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「「ゲリラ豪雨」はどこまで予測できるか」の著者

武田 健太郎

武田 健太郎(たけだ・けんたろう)

日経ビジネス記者

2008年東京大学教育学部卒業、日本経済新聞社に入社。「NIKKEIプラス1」を担当後、証券部で金融マーケットや企業財務を取材。ファイナンシャルプランナーの資格を持つ。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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