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東大新設VC、いきなり230億円の投資ファンド

「大学発ベンチャーによる産業活性化を目指す」

  • 丸山 正明=技術ジャーナリスト

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2016年9月12日(月)

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 国立大学法人が出資・設立したベンチャーキャピタル(VC)による投資活動が本格化する。2015年から16年にかけて、東北大学、大阪大学、京都大学がそれぞれ出資・設立したVCが投資を開始したのに続き、東京大学が出資・設立した新たなVCが本格稼動するからだ。しかも、その第一号投資ファンドの額は230億円と巨額。「いよいよ資金力を持った最後の大物が登場してきた」(学校関係者)というように、日本のベンチャー育成に大きく寄与することになりそうだ。

 本格稼働するVCは、東京大学協創プラットフォーム開発(東京都文京区)。今年1月21日に設立された同社だが、この9月から本格的に投資活動を始めることが明らかとなった。東京大学協創プラットフォームは、2004年に設立され、既に投資活動を開始している東京大学エッジキャピタル(UTEC、東京都文京区)に次ぐ、東京大傘下の二番目のVCだ。UTECは、2004年4月に東京大関連の一般社団法人東京大学産学連携支援基金が出資し、東京大が承認する「技術移転関連事業者」として設立されたVC。これに対して、東京大学協創プラットフォームは、東京大が直接100%出資して設立したVCという違いがある。

 日本に80数校ある国立大の中で、VCを傘下に持っている大学はわずかに数校。こうした状況の中で、形態の違いはあるとはいえ、東京大は傘下に、投資活動を行う2つのVCを持つことになる。日本の他の大学の数歩も先を行く態勢を固めたともいえる。

東京大学協創プラットフォーム開発の大泉克彦代表取締役社長
1980年に東京大工学部を卒業、同年に三井物産に入社、2000年に米ハーバードビジネススクール修了、2006年4月に三井物産メディア事業部事業部長、2009年10月にM・V・C(現 三井物産グローバル投資)の代表取締役社長などを歴任

 東京大学協創プラットフォームの使命は「日本で東京大を核とする新規事業を次々と起こせる“イノベーション・エコシステム”を確立するとともに、東京大を日本、アジア、世界での大学発ベンチャー企業創出の代表的な拠点にすること」(大泉克彦代表取締役社長)という。

 作家の司馬遼太郎は、ノンフィクション作品「街道を行く」シリーズの中の「本郷界隈」において、「明治初期、日本最初の大学が置かれた街である本郷は、近代化を急ぐ当時の日本では、欧米文明を一手に受け入れ、地方へ分ける“配電盤”の役目を担った」と述べている。こうした先駆的な伝統を受け継ぎ、文京区本郷にある東京大は、大学発ベンチャー企業を核にした新産業創成を目指す。日本にイノベーション・エコシステムを普及させる“配電盤”の役目を担おうと動き始めたのである。

投資ファンドの規模はかなり大きい

 2016年8月28日に、文部科学省と経済産業省は東京大学協創プラットフォームが提出した「産業競争力強化法に基づく特定研究成果活用支援事業計画」を認定したと、それぞれ発表した。この結果、東京大学協創プラットフォームが設立する「協創プラットフォーム1号投資事業有限責任組合」という第一号投資ファンドが近々、認可される見通しだ。この投資ファンド設立をもって、同社はVCとしての投資活動を始める。

 この第一号投資ファンドは、東京大が230億円、東京大学協創プラットフォームが100万円をそれぞれに出資してつくるものだ。東京大が出資した230億円は、平成24年度(2012年度)予算として政府が東京大に交付した417億円が原資になっている(東北大、大阪大、京都大がそれぞれ出資・設立したVCがつくった第一号投資ファンドも同様に、政府がそれぞれの大学に交付した資金が原資になっている)。

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