• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

空中戦のルールを変える最新鋭ステルス戦闘機

「F-35AライトニングII」の技術的優位性を解説

2017年9月25日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

反射波を散らすので見つかりにくい
●「F-35」のレーダーステルス性能
1. 相手が発したレーダー電波が発信源に戻らなければ自機の居場所は捕捉されにくい。そのため主翼や水平尾翼は相似形にして角度をそろえることでレーダー電波の反射方向を限定したり、
2. 垂直尾翼や胴体側面を傾斜させて側方からのレーダー反射を抑え込んだりする。これらはレーダーステルス技術の基本といえる。
3. ミサイルなどの突起物が付いたまま飛行するとレーダーに探知されやすくなるため、飛行中は胴体下面の兵器倉に収容しておく。兵器倉には2000ポンド(約907kg)の爆弾が入る

(写真=1. 2. 米ロッキード・マーチン、3. 米国防総省)

 一般的にステルス技術とは対レーダーステルス、つまりレーダー探知を困難にする技術を指す。敵レーダーが発信した電波が、発信源の方に戻らないようにすれば、敵に居場所が知られることがない。ステルス技術も万能ではないが、少なくともレーダー探知を遅らせる効果は期待できる。

 一方、自機が優れた探知能力を備えていれば、発見のタイミングが相対的に早まる。先制発見できれば、長射程の空対空ミサイルを撃ち込むなど先制攻撃につながる。つまり真正面から斬り付けるより、忍者のように忍び寄って必殺の一撃を放つのがF-35の理想とする戦い方だ。

 となると、航空自衛隊が主力としてきた「F-15(通称:イーグル)」とはおのずと役割も変わってくる。F-15は「ドッグファイト」と呼ぶ空中戦を得意とする戦闘機だ。「日本の空を守る」という任務は不変でも、それを実現する手法は同じではない。

 F-35はそのステルス性能を生かした敵基地攻撃能力にも注目が集まる。6月26日付の読売新聞は、日本政府がF-35に射程300kmの空対地ミサイルを配備する検討を始めたと報じた。

 あくまでも国内の離島有事に備えるのが主目的であろうが、実現すれば自衛のために敵国の軍事拠点を攻撃する能力を持つことを意味する。ステルス戦闘機が敵の防空システムや戦闘機戦力を減殺できれば、後に続く攻撃作戦の遂行も容易となる。

 こうした従来にない交戦形態や任務を実現するには、パイロットの訓練内容も変わっていく可能性が高い。そうなると、先輩格となる米国、あるいは同じF-35導入国である英国、オーストラリア、韓国などの国との間で、定期的に情報交換する場を設けて連携を密にしていく必要があるだろう。それは必然的に、共同作戦を円滑に進めるとか、相互運用性を向上させるとかいう話につながる。

コメント11件コメント/レビュー

>反射波が少なくてレーダーに映り難くなるということで、探知距離が短くなるだけで肉眼で見えるほどだと、最近のレーダー&火気管制システム&ミサイルならばあまり問題ないのではないか?

ロック岩崎こと故岩崎貴弘氏が航空自衛官でF-104Jにのっていた頃のお話。
米軍の当時最新であったF-15と格闘戦訓練をする事になり、結果勝利したわけだがその際に旧式機にのっていた岩崎氏がどういう戦術をとったかと言うと。
小型がゆえにレーダー反射面積の少ないF-104Jの機体属性を有効に利用し、かつF-15の正面を横切るように飛行する事によりレーダーに捕捉される事なく米軍F-15の後ろに回り込み、撃墜を宣言したんだよね。
これが、記者さんの言う

>従来であれば、相手に気付かれないように死角に回り込むのは、パイロットの能力に依存する部分が多かった。

とはこういう事。

>格闘戦に強いF15に先行機となってもらい、撃たれたらF35で遠距離攻撃、ってなるのかな。F15のレーダーはリンクできないような気もしますけど…。

自衛隊の航空戦力は我が国の防空システム(JADGE)の拳なんでな、連携出来ないなんて事はないと思うけど。
あと、ボーイングがF-15をミサイルキャリア化(一機当たり16発の中距離空対空ミサイルを搭載)する改修案を提示しているので、将来後ろにいるのはF-15の方かもね。(2017/09/30 23:02)

「トレンド・ボックス」のバックナンバー

一覧

「空中戦のルールを変える最新鋭ステルス戦闘機」の著者

井上 孝司

井上 孝司(いのうえ・こうじ)

テクニカルライター、軍事研究家

日本マイクロソフトを退職後、1999年にテクニカルライターとして独立。主に技術解説記事を手掛け、IT分野から鉄道・航空・軍事まで幅広くカバーしている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

>反射波が少なくてレーダーに映り難くなるということで、探知距離が短くなるだけで肉眼で見えるほどだと、最近のレーダー&火気管制システム&ミサイルならばあまり問題ないのではないか?

ロック岩崎こと故岩崎貴弘氏が航空自衛官でF-104Jにのっていた頃のお話。
米軍の当時最新であったF-15と格闘戦訓練をする事になり、結果勝利したわけだがその際に旧式機にのっていた岩崎氏がどういう戦術をとったかと言うと。
小型がゆえにレーダー反射面積の少ないF-104Jの機体属性を有効に利用し、かつF-15の正面を横切るように飛行する事によりレーダーに捕捉される事なく米軍F-15の後ろに回り込み、撃墜を宣言したんだよね。
これが、記者さんの言う

>従来であれば、相手に気付かれないように死角に回り込むのは、パイロットの能力に依存する部分が多かった。

とはこういう事。

>格闘戦に強いF15に先行機となってもらい、撃たれたらF35で遠距離攻撃、ってなるのかな。F15のレーダーはリンクできないような気もしますけど…。

自衛隊の航空戦力は我が国の防空システム(JADGE)の拳なんでな、連携出来ないなんて事はないと思うけど。
あと、ボーイングがF-15をミサイルキャリア化(一機当たり16発の中距離空対空ミサイルを搭載)する改修案を提示しているので、将来後ろにいるのはF-15の方かもね。(2017/09/30 23:02)

コメントが気になったので
>肉眼でも見られる程度に遭遇する事も有るでしょうが、その場合でも武器システムはレーダーに映らない以上、反応致しません。

反射波が少なくてレーダーに映り難くなるということで、探知距離が短くなるだけで
肉眼で見えるほどだと、最近のレーダー&火気管制システム&ミサイルならば
あまり問題ないのではないか?

まあ、日本のように、先制攻撃が許されない状況での利用は意義が薄くなると思う。

日本にはロックオンでミサイル撃たれたら自動発射し、
ロックした相手を追いけるが発射機体からの信号が生きている間は追いかけるだけの
特殊自衛ミサイルのほうが必要かも(2017/09/28 22:32)

軍事機密を危惧されている方がいらっしゃいますが、全て公開情報ですよ。公開情報を(言い方は悪いですが)理解しやすくまとめただけです。本当の軍事機密は公開などされません。
また接近戦・遭遇戦での日本における不利を危惧されている方もいらっしゃいますが、肉眼でも見られる程度に遭遇する事も有るでしょうが、その場合でも武器システムはレーダーに映らない以上、反応致しません。バルカン砲なら撃てるかもしれませんが、そんなものにみすみす当てられるパイロットは居ません。。。(2017/09/27 10:44)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

小池さんがこの言葉(排除)を述べたことで、「風」が変わっていきました。 ただし、小池さんが言ったことは正論です。

若狭 勝 前衆院議員