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震度6強でも一輪挿しが倒れない免震装置

熊本地震でも活躍、ゴム製だけでなく鉄製の免震装置も登場

2017年10月19日(木)

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震度7が連続して襲った熊本地震でも、免震装置を導入した建物の被害は軽微にとどまった。振り子の原理を利用した鉄の免震装置が登場し、従来の免震ゴムも改良品が相次ぐ。初期費用の高さが課題だが、家財などの損傷を防ぐ効果が評価されれば市場拡大の余地は大きい。

(日経ビジネス2017年8月21日号より転載)

(写真=読売新聞/アフロ)

 観測史上初めて、震度7の地震が連続して発生した2016年の熊本地震。前震(4月14日)と本震(16日)だけでなく余震も続いた結果、全壊8369棟・半壊3万2478棟・一部破損14万6382棟と甚大な被害をもたらした(住宅被害のみ、16年末までの消防庁集計分)。

 だが、免震装置を備えた建物では被害は軽微にとどまった。その一つ、熊本市西区の11階建て賃貸マンション「エスタシオーネス」は前震で震度6弱、本震で6強の揺れに見舞われた。ところが室内で家具などの転倒はなく、ガラステーブルの上に置いてあった一輪挿しさえも倒れなかった。

 「人と建物の安全を守るのに免震構造が有効だと実証された」。施主であるオフィス尚(熊本県熊本市)の亀浦正行社長は語る。建築士でもある亀浦社長は以前から自社物件で免震装置の導入を検討してきたが、コストが課題だった。エスタシオーネスは周囲の物件より割高だったため空室が8つあったが、「地震後は満室になった」と亀浦社長は手応えを感じている。

 1981年に改正された建築基準法では、震度5強程度の中規模地震動で建物がほとんど損傷しないことと、震度6強〜7に達する大規模地震動で倒壊・崩壊する恐れがないことを「耐震基準」とした。そのため81年以降は、頑丈な柱や梁などを使って建物自体が地震に耐え得る強度で建てられている。

 95年の阪神大震災で「耐震構造」の有用性は確認された。だが、大きな地震の後では居住に適さなかったり、資産価値がなくなったりする建物も出てきた。また、転倒した家具の下敷きになって多くの人が亡くなったことを受け、建物をできるだけ揺らさない技術が脚光を浴びるようになった。

 そこでまず、振動エネルギーを吸収するダンパーを使った「制震構造」の建物が台頭。さらに2000年代後半からは建物と地盤の間に積層ゴムを挿入し、建物自体の揺れを軽減する「免震構造」の建物も増えてきた。

 免震構造を採用すると地震の揺れを通常の耐震構造と比べて3分の1から5分の1に低減できる。実際、11年の東日本大震災や熊本地震でも室内の被害を大幅に減らせることが実証された。

 免震構造はマンションだけでなく、オフィスビルや商業施設などでも採用されるようになってきた。また、病院や公共施設など災害時に重要性が増す建築物でもニーズが高まっている。

揺れを吸収して災害を減らす
●耐震性を高めた建物の構造
太い柱や梁を使って地震の振動エネルギーに耐えるのが「耐震構造」で、制震ダンパーを追加して揺れをより抑えるのが「制震構造」だ。これに対し「免震構造」は建物の基礎部(地下)にゴムなどを設置して、振動エネルギーを建物に伝えにくくしている

コメント1件コメント/レビュー

「百年マンション」も戦後復興期に建築された集合住宅の建て替えが一気に増加した時に、「これぞ未来の日本の住宅の基本」と言った雰囲気があったが、何年もせずに萎んでしまった。横浜に住む私の従姉妹は築五十年のマンションに住んでいるが、水道配管がダメになり、改装で新しいそい導管を壁に這わせる工事をしたそうだ。改装以降訪れた事はないが、どの様に目隠ししようが「格好悪い!」と思わざるを得ない。免震装置も、記事に書かれている様に大震災直後は売れても、年々売れなくなる事を繰り返している状況を知ると「政治不在」を思わざるを得ない。私は自分の住む市の市長あての提言で、氏が推奨するタイプの建物は固定資産税を減免したら良いと述べたが、「市の判断では出来ない」と無視されてしまった。単にやる気がないだけの事ではないかと思ったが、自分自身が市長選に立候補する訳でもないのだからこれ以上議論しても無駄と思い、それ以上の提言は止めた。免震装置も、それが国民の生命を守る仕組みと考えるならば、装置の一部費用を補助する程度の事ではなく、完成後の固定資産税を半額にする程度の思い切った政策を打ち出せば人気が落ちる事もないだろう。さらに、百年マンションの構造も備えるなら免税にしても良いのではないかと思う。それくらい思い切った政策を実行しなければ災害大国で安心して暮らせる環境は出来上がらない。(2017/10/19 07:26)

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「震度6強でも一輪挿しが倒れない免震装置」の著者

坂田 亮太郎

坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経ビジネス副編集長

東京工業大学大学院修了後、98年日経BP入社。「日経バイオテク」「日経ビジネス」を経て2009年から中国赴任。北京支局長、上海支局長を経て2014年4月から日経ビジネスに復帰

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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「百年マンション」も戦後復興期に建築された集合住宅の建て替えが一気に増加した時に、「これぞ未来の日本の住宅の基本」と言った雰囲気があったが、何年もせずに萎んでしまった。横浜に住む私の従姉妹は築五十年のマンションに住んでいるが、水道配管がダメになり、改装で新しいそい導管を壁に這わせる工事をしたそうだ。改装以降訪れた事はないが、どの様に目隠ししようが「格好悪い!」と思わざるを得ない。免震装置も、記事に書かれている様に大震災直後は売れても、年々売れなくなる事を繰り返している状況を知ると「政治不在」を思わざるを得ない。私は自分の住む市の市長あての提言で、氏が推奨するタイプの建物は固定資産税を減免したら良いと述べたが、「市の判断では出来ない」と無視されてしまった。単にやる気がないだけの事ではないかと思ったが、自分自身が市長選に立候補する訳でもないのだからこれ以上議論しても無駄と思い、それ以上の提言は止めた。免震装置も、それが国民の生命を守る仕組みと考えるならば、装置の一部費用を補助する程度の事ではなく、完成後の固定資産税を半額にする程度の思い切った政策を打ち出せば人気が落ちる事もないだろう。さらに、百年マンションの構造も備えるなら免税にしても良いのではないかと思う。それくらい思い切った政策を実行しなければ災害大国で安心して暮らせる環境は出来上がらない。(2017/10/19 07:26)

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