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今知っておきたい、世界を変える「技術」

日経専門誌4編集長座談会

2016年10月28日(金)

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テクノロジー(技術)は社会を、ビジネスを、生活を変え得るが当然課題もある。日経BP社の技術専門媒体の4編集長がテクノロジーを使いこなすカギについて話し合った。4編集長とは、電子・機械系から日経テクノロジーオンラインの狩集浩志、コンピューター・ネットワーク系からITproの戸川尚樹、建築・土木系から日経コンストラクションの野中賢、医療系から日経バイオテクの橋本宗明である。司会は日経BP社執行役員の寺山正一が務めた。

この記事は、書籍『日経テクノロジー展望2017 世界を変える100の技術』の一部を再編集したものです

寺山: テクノロジーの世界は日進月歩だが、ここに来て何か節目を越えたというか、世の中を大きく変え出したという実感がある。それぞれウォッチしている分野ではどうですか。

(写真=新関 雅士)
狩集浩志
日経テクノロジーオンライン編集長
日経エレクトロニクス、日経ものづくり、日経Automotiveの専門誌の編集陣とともに、技術者のための情報サイト、日経テクノロジーオンラインを運営する。ロボットやAIの日経Robotics、医療テクノロジーを追う日経デジタルヘルスとも連携している。

狩集: エレクトロニクス、メカトロニクスを担当している立場から申し上げると、テクノロジーが場の雰囲気というか、状況を読み、人に合わせてくれる時代が来つつあると見ています。

 例えば今日、体調が悪いということを機械のほうで感じてくれて、それに合わせて部屋の温度を心地よいように変えてくれる。

 もう1つ例を挙げるとテレビを観たいと思ったときにその場で画面が出てくる。機械としてどこかに置いてあるのではなくて。部屋自身が部屋の掃除をしてくれる。2020年くらいには、人が機械と1対1で向かい合わなくても済むようになりそうです。

(写真=新関 雅士)
戸川尚樹
ITpro編集長 兼 日経ITイノベーターズ編集長
ITを使いこなして競争力を高めようとしている企業、そこにITを使ったサービスを提供しているIT企業、その両方に向けて、役立つ情報を提供する。日経コンピュータをはじめとする複数の専門誌と連携、競争力を高められるI T の活用の仕方は何かを報じていく。

テクノロジーは人に寄り添う
さまざまなテクノロジーがICT(情報通信技術)によって支えられ、場の雰囲気や状況を読み、人に合わせてくれる時代が来つつある

戸川: コンピューターやネットワーク、いわゆるICT(情報通信技術)についてはAI(人工知能)、具体的には機械学習という技術によって、コンピューターが自分で学んでくれるようになる。膨大なデータを集めやすくなったという背景もあります。ICTの導入コストは以前より安くなっていてICT自体も使いやすくなっている。しかし、それをうまく使って競争力を高めている企業となるとまだ多くはない。そういう状況だと見ています。

(写真=新関 雅士)
野中 賢
日経コンストラクション編集長
建築の専門誌日経アーキテクチュア、土木の専門誌日経コンストラクション、家づくりの専門誌日経ホームビルダーなどを発行する建設系部門で、一貫して日経コンストラクションに所属し、土木技術の報道を続ける。

野中: 建築・土木は電子機械やICTと比べると、技術革新が進む速度がゆっくりです。橋の架け方とかトンネルの掘り方は五十年前とそれほど変わらない。今後20年も劇的に変わることはないでしょう。とはいえ、日本の土木や建築の会社は技術開発力がすごくあるので、より大きいものをより速くつくる、といった課題を与えられると達成してしまう。ICTなど他の分野のシーズをどう建築・土木のニーズに結び付けるか、そのあたりがもう1つですが、逆に伸び代は沢山あるわけです。

(写真=新関 雅士)
橋本宗明
日経バイオテク編集長
日経メディカル、日経ヘルスケアなどを発行する医療系の部門に所属した期間が長いが、日経ビジネスで経営情報の発信も手がけた。現在はゲノム編集、再生医療など大きく変わるバイオテクノロジーの世界をウォッチしている。

橋本: 医療あるいはライフサイエンスの分野ではなんといっても2003年に人間のゲノム解読が完了したことが一大変化の出発点です。その時からゲノムサイエンスは飛躍的に発展しています。同時にパンドラの箱を開けてしまった面もある。

 発展については目覚しい。病気の原因を特定して治療できるようになる。癌であれば臓器別に論じるのではなく、この遺伝子変異が原因の癌はこの薬で治療しよう、というようになっている。対症療法ではなく、原因を考えて治療に取り組むという大きな流れです。

 その一方で新薬を作るコストが高く、医療費が破綻しかねないという指摘がある。そしてゲノム編集、いわゆる遺伝子組み換えをどこまで進めてよいのか、この点については批判も出ています。技術的には人間を改良することもできるからです。

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