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トヨタ会長「電動化=EV、という混乱がある」

雨の富士でトヨタ内山田会長、友山専務に聞く

2017年10月27日(金)

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 「トヨタは変わったか?」と題した日経ビジネスの特集が最近組まれたが、この数年間、取材を通じて「変わった」と肌で感じる機会は明らかに増えた。

 豊田章男社長体制となって以降、トヨタはクルマの開発、そして人材育成の場として、モータースポーツ活動を積極的に行っている。今年4月には、カンパニー制を一部見直し、それまでヘッドオフィス直轄の一部署であった「TOYOTA Gazoo Racing ファクトリー」を、独立した「GAZOO Racing カンパニー」(以下GRカンパニー)へと再編。ここではレース活動はもとより、「GR」ブランドを立ち上げ、レースで培ったノウハウを用いて市販スポーツカーを作り、収益が得られる組織とすることで、モータースポーツを単なるマーケティング活動としてだけでなく、景気に左右されず持続可能にしていくことを目的としている。

 現在、GRカンパニーが参戦している世界最高峰のレース、FIA選手権は2種類ある。1つが、シリーズ戦にルマン24時間レースを擁するWEC(FIA世界耐久選手権)、もう1つがWRC(FIA世界ラリー選手権)だ(WRCの詳細は過去のインタビュー記事を参考にされたい。「豊田章男社長はマキネン氏に“成瀬さん”を見た」「トヨタ勝利、“マキネン流”強いチームの3条件」)。

トヨタ、雨の富士を1、2位で制す

 10月15日、WECの第7戦の決勝レースが富士スピードウェイで行われた。年に一度の日本でのレースは予定通り午前11時にスタートするも、台風の影響下で降り続く雨と濃霧により幾度もセーフティカーが導入され、赤旗中断となるなど波乱の展開となった。

レースはポールポジションの2号車ポルシェ919ハイブリッドを先頭にスタート(写真:Marcel Langer)
どんどん激しくなる雨の中、水しぶきを巻き上げ走る7号車トヨタTS050ハイブリッド(写真:Marius Hecker)

 午後3時半を過ぎた頃、コースはふたたび濃霧に覆われ2度めの赤旗中断。6時間の耐久レースのため、終了予定時間の夕方5時ぎりぎりまでレース再開に向けてスタンバイが続けられたものの霧が晴れることはなく、この時点で全走行時間の75%をクリアしていることからレギュレーションに則ってチェッカーが振られた。

 結果は、TOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタTS050ハイブリッドが優勝。7号車トヨタTS050ハイブリッドが2位となり、第2戦のスパ・フランコルシャン以来のワン・ツー・フィニッシュとなった。トヨタがこのレースを落とせば、ライバルであるポルシェの年間シリーズタイトルがこの富士で決定する可能性もあっただけに、関係者もほっとした様子だった。

表彰台にあがった8号車トヨタTS050ハイブリッドのドライバー、中嶋一貴/セバスチャン・ブエミ/アンソニー・デビッドソンと、7号車の小林可夢偉/マイク・コンウェイ/ホセ・マリア・ロペス。左端にはチーム代表として喜びの表情をみせる、GRカンパニープレジデントの友山専務の姿も(写真:Marius Hecker)

ハイブリッドのライバル不在に、来年はどうする?

 トヨタがWEC用のレーシングカーとしては初のハイブリッドカーを開発し、参戦を始めたのが2012年のこと。(それまでの詳細な経緯はこちらを参照→「ル・マン敗北、豊田章男社長の言葉の意味」「『勝利』と『人材育成』、トヨタが挑む二律背反」)。

 以降、LMP1-H(ルマンプロトタイプ1 ハイブリッドカー)という最上位カテゴリーのもと、トヨタはアウディ、そしてポルシェというライバルと戦ってきた。しかし、2016年シーズンをもってアウディが撤退、さらに先日、ポルシェも今シーズン限りでWECからの撤退を表明。両社は共に電気自動車でのレース、フォーミュラEへの参戦を発表し、さらにポルシェはF1への復帰も検討しているという。

 いまトヨタとポルシェが戦っているLMP1-Hクラスは、ハイブリッドの技術面でも、年間100億円以上とも噂されるコスト面でも相当にハードルが高いカテゴリーだ。シーズン終盤のこのタイミングで、来シーズンの新規参入メーカーを望むことは現実的ではない。果たしてライバルを失ったトヨタは、これからどうするのか。

 雨が降り続く富士スピードウェイで、2人のキーマンに話を聞くことができた。まずは、世界初の市販ハイブリッドカー、初代プリウスの開発責任者であり、“ハイブリッドの父”と言われる会長の内山田竹志氏だ。

コメント11件コメント/レビュー

トヨタはいつでもEVに舵を切ることができる技術力を十分に持っている。
記事中でも触れているように、技術的課題が3つもあり、その全てがトヨタが解決すべき問題ではない。
とは言え、その一つの電池に関しては既に燃料電池、全固体電池等、トップリーダー的存在である。
開発の手を緩めることなく、準備も怠ってはいない。
しかし今の技術でEVを世に出しても話題になるだけで売れないし、普及もしない。
何よりユーザが困る。
そう考えているだけだ。

だから別に、トヨタはEVを軽視している訳でも、殊更重視している訳でもなく自然体であるだけ。
戦略的にEVに舵を切らざるを得ない欧州、中国よりも圧倒的に有利。
この現状を正しく理解できない人って意外と多いのですね。(2017/11/06 16:30)

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「トヨタ会長「電動化=EV、という混乱がある」」の著者

藤野 太一

藤野 太一(ふじの・たいち)

フリーランスエディター/ライター

大学卒業後、自動車誌カーセンサー、カーセンサーエッジの編集デスクを経てフリーの編集者兼ライターに。日経ビジネスオンラインでは、連載開始時より2017年まで「走りながら考える」のアドバイザーを務めていた。自動車関連の分野をはじめとしビジネスマンを取材する機会も多く日経トップリーダー、日経デジタルマーケティングなどにも寄稿する。JMS(日本モータースポーツ記者会)所属

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

トヨタはいつでもEVに舵を切ることができる技術力を十分に持っている。
記事中でも触れているように、技術的課題が3つもあり、その全てがトヨタが解決すべき問題ではない。
とは言え、その一つの電池に関しては既に燃料電池、全固体電池等、トップリーダー的存在である。
開発の手を緩めることなく、準備も怠ってはいない。
しかし今の技術でEVを世に出しても話題になるだけで売れないし、普及もしない。
何よりユーザが困る。
そう考えているだけだ。

だから別に、トヨタはEVを軽視している訳でも、殊更重視している訳でもなく自然体であるだけ。
戦略的にEVに舵を切らざるを得ない欧州、中国よりも圧倒的に有利。
この現状を正しく理解できない人って意外と多いのですね。(2017/11/06 16:30)

日本の、いや世界のトップ自動車メーカーのハイブリッドへの拘りは、日本の産業全体の針路に大きく影響するので、少々危険な考えに思えた。過去、馬車が蒸気・内燃機関車(実はEV車の方が早かったが非力だったので淘汰された)に、帆船が蒸気外輪船・内燃機関スクリュー推進船へ推移する過程で、ハイブリッド化を経てきたが、結果は日常皆さんの目にする通りである。船舶においては、実は未だに緊急用に帆走機能を維持する為のマストを装備する事もあるが、ほとんど人類の尾骶骨のごとき残滓機能と化している。エンジンの振動・稼働音に惹かれる人は、化石燃料エンジンが発明され車載された時、あまりの騒音に馬が驚くので、とても街中では使いものにならないと馬丁達が非難し、その世論から欧米の市街設計に多大な影響を与えた過去を知っているだろうか。日本の持つ世界最先の都市構造と社会構造が、トヨタの見誤りで、世界の趨勢に後れをとる事にならないように願うばかりだ。(2017/10/31 06:38)

「世の中では少し「電気自動車」と「電動化」が混乱している気がします。それは我々の説明が不足しているからなのかもしれません」

混乱させているのは、日産です。単なるシリーズ式ハイブリッド車を、「電気自動車の新たな形」などと消費者を騙している。

温暖化の原因はCO2ではないという真実が明らかになれば、CO2排出規制などなくなります。
EVは大義名分を失い、エコロジーではなく、エコノミーかどうかということになります。
マツダのように、エンジンの効率を上げるという根本の研究をすべきでしょう。(2017/10/31 05:57)

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