Winter Festa2017-2018

生でも安心、「あたらないカキ」を陸上養殖

魚介類は陸上でも育つ、ゼネラル・オイスターなど事業化

自然界から隔絶した環境で安全に魚介類を育てられる陸上養殖。生で食べても「あたらないカキ」や、消費地の近くで育成する「街育ちの魚」。新しい高付加価値の魚介類が生まれ、陸上養殖の普及を阻むコストの壁が崩れつつある。

陸上だけでカキを育てるのに成功した
●沖縄・久米島のゼネラル・オイスター養殖設備
成長したカキを手にするゼネラル・オイスターの吉田琇則社長(写真手前)

 沖縄本島から約100km西方にある沖縄・久米島。エメラルドグリーンの海に面する沿岸部に立てられたプレハブ小屋で、世界初となるカキの完全陸上養殖プロジェクトが進められている。目指すのは、生で食べても「食あたりしない」カキの大量生産だ。

 手掛けるのは、全国で33店舗のオイスターバーを運営するゼネラル・オイスター(東京都中央区)。同社の吉田琇則社長は「食あたりのリスクが理由で、カキを取り扱わない飲食店は多かった。懸念を解消できれば大きな商機が生まれる」と力を込める。

 カキがなぜ、食あたりを引き起こすのか。原因は養殖で使う海水の汚染にある。カキは1時間で20リットルもの海水を吸い、吐き出す過程で水中の栄養分を体内に取り込む。これを繰り返すことで、海水に含まれるウイルスがカキの内臓などに蓄積していく。こうして育ったカキを十分に加熱せずに食べると、食あたりになりかねない。

 ならば、汚染と隔絶した「陸上」でカキを育てればいい。そう考えた吉田社長が目を付けたのが、久米島の「海洋深層水」だった。

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著者プロフィール

林 英樹

林 英樹

日経ビジネス記者

大阪生まれ。神戸大学法学部卒業後、全国紙の社会部記者として京都・大阪で事件を取材。2009年末に日本経済新聞社に入り、経済部で中央省庁担当、企業報道部でメディア・ネット、素材・化学業界などを担当。14年3月から日経BP社(日経ビジネス編集部)に出向し、製造業全般を取材している。

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いただいたコメントコメント2件

遺伝子編集と言葉を変えていますが、皆さんの嫌う遺伝子組換えと同義です。どちらを肯定否定するものではないですが念のため。(2016/12/20 17:47)

陸上養殖は本来の生息環境から隔離されてるかもしれませんが、モラルのない業者が不法投棄しちゃえば意味がない。遺伝子汚染を防ぐためにはもっと厳格に管理しないといけないのでは。(2016/12/20 14:31)

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