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「五輪外交で主導権を握った」と小躍りする韓国

知米派は「豹変するトランプ」を警戒

2018年1月17日(水)

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1月9日の南北閣僚級会談実現で韓国は「主導権を握った」と胸を張るが…(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

前回から読む)

 韓国人の「妄想」が激しくなってきた。

米中の支持で「運転席」に

鈴置:韓国人が「平昌(ピョンチャン)冬季五輪をテコに、我が国が朝鮮半島の主導権を握った」と大喜びしています。

 聯合ニュースの「米中、文大統領を『運転席』に座らせる……南北をつなぐ北の核外交が始動」(1月11日、韓国語版)が典型です。書き出しを訳します。

  • 南北対話を呼び水に北朝鮮の核問題を解決しようとする文在寅(ムン・ジェイン)大統領に対し、米中両国の首脳が確かな応援に乗り出した。
  • 朝鮮半島周辺の力の秩序を導くG2(主要2カ国)である米国と中国が支持する中で、文在寅大統領の「朝鮮半島運転席論」が力強さを増している。
  • (この政権で)南北初の閣僚級会談を開いた翌日の1月10日、文大統領はトランプ(Donald Trump)大統領と電話で協議した。これに続き翌11日午後には習近平主席と通話、南北閣僚級会談の結果を説明したうえ今後の対応に関し協議した。
  • 金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮労働党委員長と「間接対話」をした後に連日、米中首脳とその結果を迅速に共有し、対応を協議したと言える。

「五輪休戦」で一挙に挽回

すごい喜びようですね。

鈴置:韓国人は、朝鮮半島の行方を決める時でさえ、自分たちは蚊帳の外に置かれてきたとの不満を持っています。

 米韓首脳会談(2017年6月)を終えた文在寅大統領は「我々が対話を通じ朝鮮半島問題で主導的に動くことへの支持を取り付けた」と説明しました。

 トランプ大統領を説得し、ついに運転席に座った、と誇ったのです(「早くも空回り、文在寅の『民族ファースト』」参照)

 ところがその後、韓国は「運転席に座る」どころか、北朝鮮はもちろん、米中からもまともなプレーヤー扱いされませんでした。そこで韓国では「文大統領が座る運転席にはハンドルが付いていない」といった自嘲の声があふれました。

 でも今、韓国は「五輪休戦」を唱えることで、自分中心に世界が回り始めたと考えています。これまでの「ふがいない韓国像」を一気に覆す快挙です(「『五輪休戦』で金正恩の窮地を救う文在寅」参照)。

 北朝鮮が平昌冬季五輪に参加を表明。それをテコに韓国は米国に合同演習の延期を飲ませました(「五輪休戦を巡る動き」参照)。

●五輪休戦を巡る動き
2017年
11月29日北朝鮮、ICBM「火星15」試射、「核武装を完成」
12月19日文在寅大統領、米NBCに「五輪期間中は合同演習を中断するよう米国に提案した」
2018年
1月1日金正恩委員長、新年の辞で「平昌五輪に代表団派遣の用意ある。核のボタンは常に私の机の上にある」
1月2日文在寅大統領、南北対話の速やかな実施を指示。韓国、北朝鮮に「閣僚級会談の1月9日開催」を提案
1月3日北朝鮮、南北連絡チャネルを再開、五輪参加を協議と発表
1月4日米韓首脳、電話協議で合同軍事演習の延期に合意
1月5日北朝鮮、閣僚級会談の開催を受諾
1月6日トランプ大統領、会見で「いつも(北朝鮮との)対話を望んでいる」「(無条件での対話は)しない。それは彼(金正恩)も分かっている」
1月9日板門店で南北閣僚級会談
1月10日文在寅大統領、新年記者会見
1月10日米韓首脳、電話で南北会談に関し意見交換
1月10日トランプ大統領、会見で「南北対話が世界のためになることを期待する。今後、数週間、数カ月の間に起こることを見守ろう」
1月11日中韓首脳、電話で南北会談に関し意見交換
1月11日トランプ大統領、WSJに「金正恩とはたぶんいい関係がある」
1月15日南北、五輪に関する局長級実務協議
★   ★   ★
2月9-25日平昌冬季五輪
3月9-18日平昌冬季パラリンピック
注)トランプ大統領はWSJ報道の「いい関係がある」との発言は「いい関係になるだろう」を誤って報じたと1月14日、ツイッターで主張

 さらに、南北閣僚級会談の開催にこぎつけた文在寅大統領は、米中首脳にその結果を説明する快感を味わいました。それを見た韓国人は「やはり我々は運転席に座っていたのだ!」と小躍りしたのです。

コメント68件コメント/レビュー

鈴置さんの表現に毎回、秘孔を突かれた様な納得感で読ませて頂いています。「運転席に座る」「肩をいからす」「小躍りする」という表現の数々は、最初のうち『ホンマかいな?』と思いながら読んでいましたが、訳文の意味がそうも解釈できるというレベルだったのが、他のWEBサイトで読んだ記事とも一致するし、褒め称え方、記載法が他サイトでもその通りなのです。本当に、鈴置さんの表現される通りの感情表現で行動していると理解した時、あまりの浅はかさに愕然としました。
国の将来を良い方向に舵取れないのに運転席へ座れば満足なのか?トランプの支持を取り付ければ次の一手が大事なのに、まず日本に吹聴するのが最良なのか?水が低いところを目指す様に、最も感情が心地良い方向へ進んでいる(=本質から外れている)事に気付けない民族は、崩壊するしかない。自ら国益を棄損し続けているのだから。
日本は如何に国益を守るか?を考えて半島情勢に対処してもらいたいです。一時的に国民感情を害する選択でも、国益の為なら支持します。それを見抜き、適切に判断できる日本国民でありたいです。(2018/01/22 21:30)

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「「五輪外交で主導権を握った」と小躍りする韓国」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

鈴置さんの表現に毎回、秘孔を突かれた様な納得感で読ませて頂いています。「運転席に座る」「肩をいからす」「小躍りする」という表現の数々は、最初のうち『ホンマかいな?』と思いながら読んでいましたが、訳文の意味がそうも解釈できるというレベルだったのが、他のWEBサイトで読んだ記事とも一致するし、褒め称え方、記載法が他サイトでもその通りなのです。本当に、鈴置さんの表現される通りの感情表現で行動していると理解した時、あまりの浅はかさに愕然としました。
国の将来を良い方向に舵取れないのに運転席へ座れば満足なのか?トランプの支持を取り付ければ次の一手が大事なのに、まず日本に吹聴するのが最良なのか?水が低いところを目指す様に、最も感情が心地良い方向へ進んでいる(=本質から外れている)事に気付けない民族は、崩壊するしかない。自ら国益を棄損し続けているのだから。
日本は如何に国益を守るか?を考えて半島情勢に対処してもらいたいです。一時的に国民感情を害する選択でも、国益の為なら支持します。それを見抜き、適切に判断できる日本国民でありたいです。(2018/01/22 21:30)

コメントの掲載について

先週末に掲載されていなかったコメントが
突如として湧き出すように掲載されています。

某コラムニストの記事に至っては、新着一覧からも見えない状態で
突如としてコメントが掲載されるといった状態。

編集部として公式にコメントを発したほうが良いのではないですか?
もちろん、そのときは最終的に非掲載となったコメントの理由も明示することが
最低限必要と思いますが?


このコメントも非掲載なんですかね?(2018/01/22 20:22)

本コラム、下記に関しては私も同意見です。
2月初旬の五輪は、様子見できるギリギリの期限だと思います。

>米国が「五輪休戦」に合意したのだって、韓国を疑いながらも北朝鮮に核を捨てるよう
>呼びかける最後のチャンスを与えたのです。

ただ南北会談状況や20日以降の韓国報道を見る限り、文政権は北の核廃棄に関しては一切口火を切る意図はなさそうですけどね。北朝鮮のスパイ大統領作戦大成功といった所でしょうか。
米国にとって、韓国の損切りを決断する最後の関門なんでしょうけど。
残念ですが世界情勢に、まった、もしも、そういうつもりでは無い、は通用しませんけどね。(2018/01/22 11:51)

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斉藤 善久 神戸大学大学院 国際協力研究科准教授