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そうだ、日本と一緒に核武装しよう

嫌いだけど「風よけ」に使える日本

2016年2月4日(木)

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 韓国で「日本に核武装を唱えさせよう」との声が上がる。「日本の核」で脅せば中国も「北朝鮮の核」を本気で阻止するはず、との計算からだ。もちろん、日本を風よけにして自分が核武装しようとの思惑もある。

「核武装権」を日韓で主張

鈴置:親米保守の指導者の1人、趙甲済(チョ・カプチェ)氏が1月25日「緊急提案・韓日が助けあい『朝鮮半島の核ゲーム』のルールを変えよう」(韓国語)を発表しました。

 趙甲済氏は「世界が北の核武装を黙認するのなら、韓国も核武装するしかない」と呼び掛けてきました(「ついに『核武装』を訴えた韓国の最大手紙」参照)。

 この記事では北朝鮮の核武装はもう、国際社会頼みでは阻止できず、自主的な戦略を練らねばならない――と主張しました。戦略の1つとして訴えたのが「中国を圧迫するための韓日共助」です。趙甲済氏の記事の日本関連部分は以下です。

  • 北朝鮮の核の脅威に晒される韓国と日本が協力し「自衛的核武装」や「NPT(核拡散防止条約)脱退」といった果敢な対応策を打ち出すべきだ。(北の核の除去に乗り出さない)中国を変えるには、韓国が変わるしかない。
  • 韓日がNPTの改正を通じ、条件付きの自衛的核武装の権利を主張するほか、台湾とも連携して「非核3カ国共同体」を作れば、中国も大きな脅威を感じるだろう。

 日本や韓国など、NPTに加盟する非核兵器保有国は新たに核兵器を開発できません。そこで日韓が一緒に脱退して核保有に動くか、あるいは緊急時には核を持てるよう、両国でNPTを改正すべきだと訴えたのです。

台湾も加えて対中圧力をより強化

なぜ今になって、日本との共闘体制が語られるのですか?

鈴置:中国が北の核の除去に動かないことがはっきりしたからです。そこで「韓国がいくら核武装論を唱えても中国から無視されるだけだ。日本にも核武装を唱えさせよう」との判断に至ったと思われます。

 韓国の一部の核武装論者は21世紀に入る頃から「米国の核の傘が信用できなくなった時には、同時に核武装に走ろうではないか」と日本の保守派に持ちかけていました。

 これに耳を貸す日本人はいなかったのですが「北の核武装が現実のものとなった今なら、日本人も応じるかもしれない」と考えもしたのでしょう。

日本が「核武装論」に賛同すれば、効果が増すのでしょうか?

鈴置:「中国は仮想敵である日本の核武装を最も嫌がっている」と見られていますから、韓国だけで核武装を唱えるよりも効果が遥かに大きいと判断したと思います。

 そして対中圧力をさらに増すため、これまた異なる意味で中国の嫌がる「台湾の核武装」も加えたということでしょう。

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「中国の尻馬」にしがみつく韓国

2015年9月3日、朴槿恵大統領は中国・天安門の壇上にいた。米国の反対を振り切り、抗日戦勝70周年記念式典に出席した。

10月16日、オバマ大統領は、南シナ海の軍事基地化を進める中国をともに非難するよう朴大統領に求め、南シナ海に駆逐艦を送った。が、韓国は対中批判を避け、洞ヶ峠を決め込んだ。韓国は中国の「尻馬」にしがみつき、生きることを決意したのだ。

そんな中で浮上した「核武装」論。北朝鮮の核保有に備えつつ、米国の傘に頼れなくなる現実が、彼らを追い立てる。

静かに軋み始めた朝鮮半島を眼前に、日本はどうすべきか。目まぐるしい世界の構造変化を見据え、針路を定める時を迎えた。

中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』『中国という蟻地獄に落ちた韓国』『「踏み絵」迫る米国 「逆切れ」する韓国』『日本と韓国は「米中代理戦争」を闘う』 『「三面楚歌」にようやく気づいた韓国』『「独り相撲」で転げ落ちた韓国』に続く待望のシリーズ第7弾。12月15日発行。

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「そうだ、日本と一緒に核武装しよう」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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