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朴槿恵外交は「暴走」から「迷走」へ

どうせ、我々は「米中の捨て駒」なのだ

2016年3月14日(月)

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 米国を離れ、中国に向けて「暴走」していた韓国。北朝鮮の核問題を巡り米中が取引に動くと、今度は「迷走」し始めた。

「南シナ海」とも交換?

前回は、韓国が「自分はのけ者か」と疑心暗鬼に陥ったという話で終わりました。

鈴置:朝鮮半島の未来を自分とは関係なく、周辺国が話し合って決めるのではないか――との恐怖です。

 きっかけは、米中が北朝鮮に対する国連制裁案を固める際、在韓米軍に導入予定の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD=サード)を交渉カードに使ったことでした。

 仮に、米国が満足できるほどの対北制裁を中国が実行したら、THAAD配備はなかったことになるかもしれません。それに、米中の取引の場はもっと広いと見る向きもあります。

 在韓米軍へのTHAAD配備と、中国が現在進めている南シナ海での対空ミサイル配備とを交換条件に米中が交渉する――との観測まで韓国紙に載り始めました。

 韓国は梯子を外されかけています。米国の顔色をうかがい、中国の報復まで覚悟して配備を容認したというのに……。これでは朴槿恵(パク・クンヘ)大統領はピエロです。韓国人の米国に対する猜疑心は膨らむ一方です。

WSJが抜いた米朝秘密接触

それに加え、米国と北朝鮮が2015年末に、国交正常化を念頭に置いた秘密交渉に入りかけていたことが明らかになりました。

鈴置:ウォールストリートジャーナル(WSJ)が2月21日「U.S. Agreed to North Korea Peace Talks before latest Nuclear Test」(英語版)ですっぱ抜いたのです。骨子は以下です。

  • 4回目の核実験の数日前、オバマ政権は朝鮮戦争に正式に終止符を打つべく対話を開始することで北朝鮮と秘密裏に合意していた。米国が長い間掲げていた、北朝鮮が先に核武装を削減するとの条件を取り下げてのことだ。
  • 代わりに米国は「北の核兵器」を対話の一部とするよう求めた。しかし、北はこの反対提案を拒絶した。以上は、この動きに詳しい関係者が明かした。

 この記事により、韓国はちょっとした騒ぎになりました。「朝鮮戦争に終止符を打つ」とは、米朝の間で国交を正常化したうえ、平和協定なり不可侵条約を結ぶという意味です。

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「朴槿恵外交は「暴走」から「迷走」へ」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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