• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「儒教式法治」を極める韓国

「朴槿恵罷免」に首をかしげた法曹関係者たち

2017年3月14日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

不愉快な奴は裁判でやっつけろ

裁判官が、検察官が訴えていないことまで裁いてしまった、ということですね。

鈴置:その通りです。朴大統領の弁護団との間でかなりの諍いがあったので、憲法裁判所が感情的になってこのくだりを入れたのだろうとヨ・サンウォン弁護士は解説しています。

 別の見方もあります。弁護側は「朴大統領のやったことは歴代大統領もやっていたこと。罷免するほどの憲法・法律違反ではない」と主張していました。

 そこで憲法裁判所は「事情聴取の拒否」を持ち出し、職権乱用に足して“合わせ技1本”とした、との分析です。

でも、「事情聴取の拒否」は弾劾訴追案にはない……。

鈴置:法曹関係者はともかく、普通の韓国人はいわゆる「起訴状」に書かれているかなどは気にしません。「不愉快な奴をなんでもいいから、寄ってたかってやっつける」のが韓国の裁判なのです。

 宣告のその部分を見ましょう。中央日報の「<大統領弾劾>憲法裁判所 宣告文全文『認めることのできない行為・・・政治的弊習を清算するため罷免』」(3月10日、韓国語、動画付き)からポイントを引用します。

  • 被請求人(朴大統領)は国民への談話で、真相究明に最大限協力するとしましたが、実際は検察と特別検察の調査に応じず、青瓦台(大統領官邸)への押収・捜索も拒否しました。
  • この事件の訴追事由と関連した被請求人の一連の言行を見るに、法に違反する行為が繰り返されないようにしようとの、憲法を守る意思が見られません。
  • 結局、被請求人の違憲・違法行為は国民の信任を裏切ったことで、憲法を守るという観点から容認できない重大な法律違反行為と見なければなりません。
  • 被請求人の法違反行為が憲法秩序に与える否定的な影響と、波及効果の重大さから、被請求人を罷免することで得られる憲法守護の利益が圧倒的に大きいと言えるでしょう。

国民をなめるな

検察に逆らったのがけしからん、というわけですね。

鈴置:「こいつは検察、つまりは国民をなめているぞ。けしからん」との呼び掛けです。多くの国民が「そうだ!」と考えたと思います。

 なお「調査に応じなかったことは、被疑者の当然の権利だ」との意見も韓国の法曹界にはあります。先ほど引用したTV朝鮮の座談会でも、ヨ・サンウォン弁護士が指摘しています。

 この座談会に出席した法曹関係者は4人。うち2人が宣告の法的な正当性に疑問を提議したのです。

 TV朝鮮は保守系紙、朝鮮日報のグループ企業です。でも、朴大統領支持派ではありません。それどころか「国政壟断事件」を真っ先に報じ、社運を賭けて大統領と戦ってきました。

 「宣告に対する疑問」はTV朝鮮が意図して報じたものではなく、宣告直後の「どさくさ」の中で、専門家からつい本音が語られてしまったのだと思います。

 なぜなら、私が見た限りですが「弾劾訴追案にない事由で罷免した」ことへの指摘は、TV朝鮮含め韓国の大手メディアでは2度と語られませんでしたから。

コメント48

「早読み 深読み 朝鮮半島」のバックナンバー

一覧

「「儒教式法治」を極める韓国」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

環境の変化にきちんと対応して、本来提供すべき信頼されるサービスを持続できる環境を作り出さなければならない。

ヤマトホールディングス社長 山内 雅喜氏