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「中国に立ち向かう役は日本にやらせよう」

結局は、中国に連れ戻される韓国

2016年3月17日(木)

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韓国へのTHAAD配備を巡り、米中の駆け引きが続く(提供:U.S. Department of Defense, Missile Defense Agency/ロイター/アフロ)

前回から読む)

 「やっぱり、中国の言うことを聞こう」――。韓国人が弱気になってきた。中国から激しく脅されたうえ、米国からは見捨てられる気配を感じ取ったからだ。

腰が引けていた韓国

前回の「朴槿恵外交は「暴走」から「迷走」へ」の結論は「韓国が米国側に戻ると見るのは、まだ早い」でした。

鈴置:北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射した2月7日、地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD=サード)の在韓米軍への配備について、韓国は米国の要求を正式にのみました。

 配備は中国が強く反対していたので、韓国の「離米従中」が止まったかに見えました。日本でそう言って回る韓国人もいます。

 でもよく観察すると、韓国の中国に対する姿勢は及び腰でした。配備容認を明らかにした記者会見でも、韓国国防部は「米国に強要され仕方なく認めた」というニュアンスを必死で醸し出していたのです。

 もちろん、中国の目を意識してのことです(「『THAADは核攻撃』の対象と韓国を脅す中国」)。

 そこで「本気で米国側に戻るつもりはないな」と読んだのです。実際、THAAD配備容認から1カ月も経たないうちに韓国では「配備の容認により中国を敵に回した朴槿恵(パク・クンヘ)」への批判が高まりました。

「国を滅ぼす朴槿恵」

 当然と言うべきか、真っ先に批判したのは左派系紙のハンギョレでした。ことに激しい表現で目を引いたのが、オ・テギュ論説委員室長のコラム「国を滅ぼす朴槿恵外交の3大失策」(2月29日、日本語版)です。

 3つの外交失策として挙げたのは日本に完敗した「慰安婦合意」、開城工業団地閉鎖による南北関係の断絶、そして3つの中でも「痛恨の失策」である、THAAD配備容認による中国との関係悪化――です。それに関する部分が以下です。

  • THAADに対する中国の猛反発に「国連制裁とは関係のない純粋な安保次元の決定」という論理を(韓国政府は)展開した。だが、米中が制裁を議論する過程で駆け引きの材料になった痕跡が歴然としている。
  • THAAD配備カードが、中国が強力な制裁案を受け入れるテコとして作用したことは認めるとしても、中国の感情を傷つけるだけ傷つけておき、韓国の境遇を「鶏を追いかけた犬、屋根を見つめる」(一生懸命やったことが虚しく終わるという意味)にした判断ミスは重い。

経済人に圧力

要は、朴槿恵大統領は中国を敵に回してしまった、との批判ですね。

鈴置:その通りです。これに続いて、対中関係の悪化を問題視したのが中央日報でした。保守系紙の中では最も中国に近いと見なされる新聞です。ハンギョレと比べれば、かなり大人しい表現でしたが。

 3月4日の社説「THAAD外交、安保と国益のための最適な戦略の模索を」(韓国語版)のポイントを翻訳します。3月5日の日本語版でも読めます。

  • (3月4日に)韓米はTHAAD配備のための合同実務協議団を発足させた。問題は中国の激しい反発をどう乗り越えるかだ。中国はTHAAD配備阻止に向け、総力で外交戦に取り組んでいる。
  • 最近、訪韓した中国の武大偉・朝鮮半島問題特別代表は数人の経済人にも会った。それだけで韓国への大きな圧力となる。中国でビジネスをする経済人が、THAAD反対論を聞かされただけでどれだけの負担になるか、容易に想像できる。
  • THAADの必要性に最も早く言及したケリ―(John Kerry)米国務長官も「(配備に)汲々とはしない」と言い出している。配備に関し、考慮すべき点が増えたとの意味だろう。
  • 我々こそ熟慮が必要だ。米中の競争と葛藤の状況を細かく研究し、その隙間でどんな選択をするのが安保と国益を守る最も良い方法なのか、長期的視点で精巧に戦略を描かねばならぬ。

 はっきりと書いていませんが、中央日報の言いたいのはこういうことでしょう。

  • 北朝鮮の核・ミサイル実験に驚いてTHAAD配備を認めてしまい、中国との関係が一気に悪化した。だが、米中は「THAAD」を取引のカードとし、我々の知らぬところで談合し始めたようだ。
  • THAAD配備問題はいつの間にか雲散霧消するかもしれない。配備を認め続けると、米国からはさほど評価されない一方、中国からは憎まれる可能性が高い。

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「「中国に立ち向かう役は日本にやらせよう」」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官