• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

米中が朝鮮半島で談合する時

「北の核」と「米韓同盟」を取引しよう

2017年4月5日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

「ヤルタ体制に戻れ」。中国の学者の主張が注目を集めている(写真:AP/アフロ)

前回から読む)

 「米中が協力し朝鮮半島を統一・中立化する」構想が米中双方で語られる。北朝鮮から「核」を取り上げるのが目的だ。

「韓国主導で統一を」と中国学者

鈴置:今、アジア専門家の間で注目を集めている講演があります。中国の有力な学者が「韓国が主導する朝鮮半島の統一」を訴えたのです。

 主張したのは中国の冷戦研究の第一人者と言われる華東師範大学の沈志華教授です。中朝関係史に詳しく、豊富な資料を駆使して『最後の「天朝」』(日本語)を書いた人でもあります。「中国と北朝鮮は血盟の間柄」との神話を打ち砕いた大著です。

 沈志華教授は3月19日、大連外国語大学で「中朝関係史の角度から見た『THAAD問題』」(中国語)と題し講演しました。講演筆記は中国のSNS(交流サイト)の「微博」など、ネットで読めます。

「韓国による統一」に中国政府が動く可能性があるのですか?

鈴置:この講演の存在をご教示下さった中国研究者の辻康吾氏は「『韓国による統一』を中国政府が直ちに受け入れるとは考えにくい。しかし、こうした主張が堂々と中国のネットに掲載されていることには注目すべきだ」と語っています。

 これは私の見方ですが、この講演が広く公開されているのは「1つの選択肢として提示し、米国の反応を見る」目的と思います。

 「韓国による統一」は上手にやれば中国の利益になりますが、その実現は米中の足並みがそろわなければ難しいからです。

 辻康吾氏は毎日新聞の香港・北京支局長を歴任した後、東海大学と獨協大学の教授を経て、現代中国資料研究会代表を務めるベテランの中国学者です。講演筆記は長文なので、辻康吾氏による抄訳を以下に引用します。

北は敵、南は友人

  • 表面的には中朝は同盟関係にあり、米国と日本が支持する韓国は北朝鮮と対峙している。だが、これは冷戦の遺物に過ぎない。状況は根本的に変化した。北朝鮮は中国の潜在的な敵となる一方、韓国は中国の友人となった。
  • 中朝が朝鮮戦争を共に戦ったことによる特殊な関係はすでに瓦解した。原因は3つある。1970年代初めから中・米関係が大きく改善したという「外交的要因」。北朝鮮が欲しいものは何でも与えるという姿勢を中国が改めたことによる「経済的要因」。そして1992年の中韓国交正常化という「政治的要因」だ。
  • 中朝関係の根本的変化が北朝鮮を孤立させ、その核開発を引き起こした。北朝鮮の相次ぐ核実験が朝鮮半島の危機をエスカレートし、中国を取り巻く環境を不安定にした。
  • 中国の根本的な利益には平穏な環境、対外発展が必要だが、北朝鮮の核武装で失われた。中朝の利益は必然的に対立している。であるからして北朝鮮の核問題は中国が主導的に解決すべきである。北朝鮮の立場に立っての解決は不可能なのだ。

コメント46

「早読み 深読み 朝鮮半島」のバックナンバー

一覧

「米中が朝鮮半島で談合する時」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

短期保有者のいいようにさせたら、中長期で保有したいと考えている株主はどうなるのか。

貝沼 由久 ミネベアミツミ社長