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交渉カードなき韓国は米中の「捨て駒」に

日本も「安保環境の激変」に遭遇する

2016年4月8日(金)

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北朝鮮の核凍結を狙う米中は「平和協定」をエサに6カ国協議の開催に動く。米中を操っているつもりだった韓国は交渉の”駒”に転落した(写真:ロイター/アフロ)

前回から読む)

 米国と北朝鮮の関係改善を目指す「平和協定」。韓国は米中が仕切る以上、抗えないと悟って条件闘争に切り替えた。

秘密取引はない

前回は、米中が談合して平和協定も話し合う多国間対話に動く。それを知った韓国が動揺している――という話で終わりました。

鈴置:「自分をないがしろにして米国が北朝鮮と接近するのではないか」「北の核武装を黙認するのではないか」と韓国人は疑心暗鬼に陥りました。米政府もさすがにまずいと思ったのでしょう。国務省幹部が韓国メディアの個別インタビューを相次いで受けました。

 まず3月8日、ソン・キム(Sung Y. Kim)北朝鮮担当特別代表がワシントンで聯合ニュースと単独で会いました。韓国系米国人で、駐韓大使も歴任した朝鮮半島の専門家です。

 発言のポイントは以下です。会見記事「ソン・キム米特別代表『非核化が最優先』……中国と秘密取引なし」(3月9日、韓国語版)から引用します。

  • 中国の主張通りに、米国が「非核化と平和協定の論議を並行して行おう」と決めたことは絶対にない。
  • 韓国が知らない(米国と)中国の秘密の取引は断じてない。

「並行協議」で詭弁

並行協議を否定していますね。

鈴置:詭弁と言ってよいでしょう。米中間では「並行協議」を決めていないかもしれません。が、6カ国協議で「非核化」に加え「平和協定」を議論すれば、実質的に「並行して協議」することになるからです。

 「秘密取引はない」というのは本当でしょう。米中は6カ国協議再開には合意したものの、それ以上は決めようがありません。協議は米朝の間の極めて複雑な駆け引きになるからです(「朝鮮半島を巡る米、中朝のカード」参照)。

朝鮮半島を巡る米、中朝のカード
米国 中国
THAAD配備留保 従来より強い対北朝鮮制裁容認
米韓合同軍事演習の中断と一部制裁の解除 北朝鮮の核・ミサイル実験の中断
米朝平和協定(不可侵協定)の締結
 ・米朝国交正常化
 ・在韓米地上軍撤収
 ・在韓米軍撤収
 ・米韓同盟廃棄
北朝鮮の核兵器廃棄
 ・核弾頭の増産中断
 ・弾頭再突入技術の開発中断
 ・弾頭小型化技術の開発中断
 ・保有核兵器の全廃
「朝鮮半島の非核化・中立化」の制度的保障
注)左右の項目は必ずしも連動しない

 続いて3月11日、リッパート(Mark Lippert)駐韓米国大使がソウルで韓国外交部の担当記者団と会いました。アジアの安全保障の専門家であり、オバマ(Barack Obama)大統領の側近とされる人です。

 なお大使は、2015年3月にソウルで暗殺されかけたことがあります。犯人は反日・反米を唱える韓国人でした(「『米大使襲撃』で進退きわまった韓国」参照)。

 韓国各紙は、リッパート大使はこれまでに表明した米国の立場を改めて説明した、と報じました。ニュースはなかったとの判断です。しかし大使の発言をよく読むと、韓国にとって不気味な部分があったのです。

 ハンギョレの「駐韓米大使『北朝鮮の非核化を最優先、政権交代が目標ではない』」(3月13日、日本語版)から引用します。

  • (大使は)バラク・オバマ政権がイラン、キューバ、ミャンマーなどとの複雑な問題を、外交を通して解決した事例を挙げ「北朝鮮指導部にはよく考えてみてほしい」と注文した。

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「交渉カードなき韓国は米中の「捨て駒」に」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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