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米国に捨てられ、日本に八つ当たりの韓国

同盟の義務を放擲したうえ逆恨み

2017年5月9日(火)

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「北朝鮮の核問題を解決するためのすべての選択肢がテーブルの上にある」とする米国に対し、韓国は明確な支持を表明しない。ペンス副大統領と黄教安大統領代行の会談でも、進展はなし(写真:ロイター/アフロ)

前回から読む)

 国家の存亡がかかる時というのに、韓国は米国から「捨て駒」扱い。日本に八つ当たりして憂さを晴らすのが関の山だ。

「属国扱い」で大騒ぎ

「中国の属国扱いされた」と韓国人が怒っている、という話で前回は終わりました。

鈴置:ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)との会見でトランプ(Donald Trump)大統領が「韓国は歴史的に中国の一部だった」と語りました。「WSJ Trump Interview Excerpts: China, North Korea, Ex-Im Bank, Obamacare, Bannon, More」(4月12日、英語版)です。

 韓国メディアは大騒ぎ。記者会見などを通じ、米中両国政府に発言の真意を質しました。保守系3紙はこぞって社説で怒りを表明しました。

 中国政府にも質したのは「(4月6、7日の)米中首脳会談で習近平主席からそう説明を受けた」とトランプ大統領が語ったからです。

韓国人は「属国ではなかった」と言い張るのですか?

鈴置:「属国問題」に関し、韓国には定番の「説明」があります。今回も東亜日報がその理屈を展開しています。

 4月20日の社説「『韓国が中国の一部だった』との習近平の認識 韓中関係の障害に」(韓国語版)から引用します。

  • 近代以前、中国と周辺国は朝貢関係を結んでいた。知識のない人が見れば、帝国と植民地の関係に見えるが、実態は西洋の主権国家同士の関係と変わらないというのが歴史学界の定説である。

貢女も独立門も

本当ですか?

鈴置:強弁です。朝鮮半島の歴代王朝は中国の歴代王朝に朝貢し、冊封体制下にありました。王が即位するには中国の皇帝の承認が要りました。若い女性も制度的に貢いできました。それを指す「貢女」(コンニョ)という言葉もあります。

 これらからすれば「主権国同士の関係だった」とはとても言えません。「歴史学界の定説」部分も「韓国の歴史学界の定説」と言うべきでしょう。

 ソウルには1897年に建てられた「独立門」という名の建造物があります。日清戦争(1894―1895年)の結果、朝鮮朝は清の冊封体制を離脱することができました。

 その「独立」を内外に示すために作られた門です。韓国人もそれまでは「独立していなかった」と認識していたことを証明しています。

なるほど。

鈴置:ただ、朝鮮半島の人々は「中華帝国の一部」であることを誇りとしてきました。韓国語のSNS(交流サイト)では「日本人は劣った民族である」といった会話が盛り上がります。日本人が中華帝国の外の「化外の民」――野蛮人だったとの認識からです。

 一方で、韓国人は中国に根深い恐怖心を抱いています。地続きの超大国、中国との戦争で負け続け、支配されてきたためです。

 韓国メディアが「天皇」を「日王」と表記するのは、「皇」という漢字を使えるのは中国だけなのに、日本ごときに使っては中国から叱られると考えるからです。

日本の植民地になったこともない

昔、朝貢していたにしろ「今はもう、属国ではない」と主張すればいいのではないですか。

鈴置:そう思います。誰しも過去は変えられないのですから。しかし韓国人はそう考えません。理由は2つあります。

 韓国が豊かになるほどに「我が国はずうっと独立国だった」と思いたくなったのです。「系図買い」の心境です。

 だから日本の植民地支配も「なかったこと」にしようと「あれは日本の不法占拠だった」と強調し始めたのです。

 もう1つは中国が再び強くなるに連れ、その言うことに逆らえなくなったことです。「属国に戻りつつある」と内心忸怩たるものがあるからこそ「昔は属国だった」と指摘されると、逆切れするのです。

 米中が対立する案件の多くで、同盟国の米国ではなく中国の言いなりになる(「米中星取表」参照)。そんな韓国を見て、米国人が首を傾げます。「世界最強の同盟国をないがしろにして、何であんな非民主主義国にゴマをするのか」というわけです。

米中星取表~「米中対立案件」で韓国はどちらの要求をのんだか
(○は要求をのませた国、―はまだ勝負がつかない案件、△は現時点での優勢を示す。2017年5月8日現在)
案件 米国 中国 状況
日本の集団的自衛権
の行使容認
2014年7月の会談で朴大統領は習近平主席と「各国が憂慮」で意見が一致
米国主導の
MDへの参加
中国の威嚇に屈し参加せず。代わりに「韓国型MD(ミサイル防衛)」を採用へ
在韓米軍への
THAAD配備
韓国は「要請もなく協議もしておらず決定もしていない(3NO)」と拒否していたが、朴槿恵大統領の弾劾訴追後の2017年2月28日にようやく米軍への用地提供を決定
日韓軍事情報保護協定
(GSOMIA)
2012年6月、中国の圧力もあり韓国が署名直前に拒否。締結を望む米国に対し、朴槿恵大統領は「慰安婦」を理由に拒否。しかし下野要求デモが激化した2016年11月突然に締結
米韓合同軍事演習
の中断
中国が公式の場で中断を要求したが、予定通り実施
CICAへの
正式参加(注1)
正式会員として上海会議に参加。朴大統領は習主席に「成功をお祝い」
CICAでの
反米宣言支持
2014年の上海会議では賛同せず。米国の圧力の結果か
AIIBへの
加盟 (注2)
米国の反対で2014年7月の中韓首脳会談では表明を見送ったものの、英国などの参加を見て2015年3月に正式に参加表明
FTAAP (注3) 2014年のAPECで朴大統領「積極的に支持」
中国の
南シナ海埋め立て
米国の「明確な対中批判要請」を韓国は無視
抗日戦勝
70周年記念式典
米国の反対にもかかわらず韓国は参加
(注1)中国はCICA(アジア信頼醸成措置会議)を、米国をアジアから締め出す組織として活用。
(注2)中国はAIIB(アジアインフラ投資銀行)設立をテコに、米国主導の戦後の国際金融体制に揺さぶりをかける。
(注3)米国が主導するTPP(環太平洋経済連携協定)を牽制するため、中国が掲げる。

 彼らに「冊封体制」下の人々の旧・宗主国への恐怖心を説明すると、ようやく疑問が解けたという顔をします。トランプ大統領がWSJにわざわざ「韓国は中国の一部だった」と語ったのも、そんな納得感からかもしれません。

 なお、ベトナム人には韓国人のような鬱屈はありません。ベトナムの王朝も中国の王朝に朝貢したことがありましたが、戦争でしばしば勝ったからです。最近では中越戦争(1979年)で、中国の侵略軍を散々に打ち負かしました。

 中国人も「ベトナムは属国だった」などと下には見ません。そんなことを言えば「属国に負けたのか」と笑われてしまうからです。

コメント64件コメント/レビュー

韓国が取る行動は今の日本が見ても首をかしげる事ばかりです。なぜそうなったのか、鈴置さんのコラムを読み続ける事でとても論理的に理解することができます。
最近は苛烈な表現が沢山並ぶ様になりましたが、専門用語解説も多く、読みごたえがあります。
主因として引用されるのは儒教、朱子学を自国に都合良く解釈し、孔子が説いた本来の趣旨から外れて邪道と言って良い位の指向に落ち着き、宗主国である中国との距離感にとても敏感である事です。
もし儒教、朱子学でなく、キリスト教、イスラム教だったら、どうなっていたのか?と考えた事がありますが、周辺の列強国と地続きである事から、やはり自分達に都合の良い解釈を積み上げ、似て非なるキリスト教国家、イスラム教国家になっていたのだろうと思います。 つまり、外来思想を適正に解釈し、フィットさせる『民族性』が最も重要なのです。
もはや一国では解決不能な問題が幾つも湧いて出る現在、他国(特に大国)との連携なしには進めません。そうなると信頼できる相手なのか?が最も重要です。日本は先人が積み上げてきた信頼がありますが、その信頼を崩そうとする相手は、『敵国』と認識して対抗する必要があります。韓国にはそれを表明せずとも日米同盟を介してのアクションで十分なのではないかと思います。 深入りした為にひどい手傷を負ってきた訳なので、歴史に学び、一定の距離を置くべきです。(2017/05/19 19:26)

「早読み 深読み 朝鮮半島」のバックナンバー

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「米国に捨てられ、日本に八つ当たりの韓国」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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韓国が取る行動は今の日本が見ても首をかしげる事ばかりです。なぜそうなったのか、鈴置さんのコラムを読み続ける事でとても論理的に理解することができます。
最近は苛烈な表現が沢山並ぶ様になりましたが、専門用語解説も多く、読みごたえがあります。
主因として引用されるのは儒教、朱子学を自国に都合良く解釈し、孔子が説いた本来の趣旨から外れて邪道と言って良い位の指向に落ち着き、宗主国である中国との距離感にとても敏感である事です。
もし儒教、朱子学でなく、キリスト教、イスラム教だったら、どうなっていたのか?と考えた事がありますが、周辺の列強国と地続きである事から、やはり自分達に都合の良い解釈を積み上げ、似て非なるキリスト教国家、イスラム教国家になっていたのだろうと思います。 つまり、外来思想を適正に解釈し、フィットさせる『民族性』が最も重要なのです。
もはや一国では解決不能な問題が幾つも湧いて出る現在、他国(特に大国)との連携なしには進めません。そうなると信頼できる相手なのか?が最も重要です。日本は先人が積み上げてきた信頼がありますが、その信頼を崩そうとする相手は、『敵国』と認識して対抗する必要があります。韓国にはそれを表明せずとも日米同盟を介してのアクションで十分なのではないかと思います。 深入りした為にひどい手傷を負ってきた訳なので、歴史に学び、一定の距離を置くべきです。(2017/05/19 19:26)

「私は日本人ですが」の方が発言されたことで
自分が大賛成できる一文がありました。

それは、

>現在韓国は大統領選別という大きな岐路にいる。
>これは日本にとってまたとないチャンスと考える。

ここです。
まさにそのとおりでチャンスです。
これまで日本と日本人が抱えてきた
最大の不良債権「大韓民国」と完全に決別できる
本当にまたとない最大のチャンスと思います。(2017/05/11 12:22)

さてさて、世界中を敵に回す行為に出た韓国に生き残る道は残されているのでしょうか。(2017/05/11 03:05)

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