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「南シナ海」が加速させる「韓国の離脱」

THAADを拒否しよう、対米関係悪化は覚悟の上だ

2016年7月7日(木)

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「南シナ海に主権」と主張する中国に対して7月12日、オランダ・ハーグの仲裁裁判所の判断が下される(写真=Hollandse-Hoogte/アフロ)

 南シナ海で高まる米中の緊張――。それが韓国の「海洋勢力からの離脱」を加速する。キーワードは「地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD=サード)」だ。

中国側に鞍替え

鈴置:朴槿恵(パク・クンヘ)政権に最も近いと見なされる中央日報が「THAADの在韓米軍配備を拒否しよう。米国との関係が悪化するだろうが、それも覚悟すべきだ」と書きました。

 筆者は有名なコラムニスト、金永煕(キム・ヨンヒ)国際問題大記者。「THAADを放棄しよう」(7月1日、韓国語版)という記事です。

中央日報の日本語版にも同じ見出し「THAADを放棄しよう」(7月1日)で載ったので、日本でも読んだ人がいると思います。

鈴置:米軍は北朝鮮の核開発に対抗し、THAADの在韓米軍基地への配備を計画しています。これに対し中国は、韓国に応じないよう強く圧力をかけました。

 しかし2016年2月7日、北の長距離弾道ミサイル実験の数時間後に韓国は配備を容認。現在、米韓両軍は配備する場所など具体案を煮詰めています。

 もっとも、中国とロシアは「我が国の核ミサイルを監視する狙い」と主張し依然、配備を拒むよう韓国に要求し続けています。

 この記事が載った2日前の6月29日にも、訪中した韓国の黄教案(ファン・ギョアン)首相に、習近平主席がTHAAD配備に反対すると伝えました。

 左派系紙、ハンギョレは「習近平主席、韓国首相に『THAAD反対』重ねて強調」(6月29日、日本語版)で「これに関し韓国政府は公開しなかったが、中国の新華社が伝えた」と報じました。

外交ゲームの象徴

中国も執拗ですね。

鈴置:「THAAD」は、米中どちらが韓国を従わせるかという外交ゲームの象徴ともなっているのです(「THAADを巡る米韓中の動き」参照)。

THAADを巡る米韓中の動き(2016年)
1月6日 北朝鮮、4回目の核実験
1月7日
朝鮮日報、社説で核武装を主張
与党セヌリ党幹部2人、核武装に言及
1月13日 朴大統領、国民向け談話で「THAAD配備は国益に基づき検討」
2月7日
北朝鮮、長距離弾道ミサイル実験
韓国国防部「THAAD配備に関し、米国と公式協議に入る」
中国外交部、北朝鮮と韓国の双方の大使に抗議
Global Times社説「配備すれば戦略・戦術の両面で軍事目標に」
2月12日 王毅外相、ロイターに項荘舞剣、意在沛公」(中国は米国から剣を突きつけられた)
2月16日
環球時報・社説「配備すれば韓国は中・米の碁盤の石だ」
朴大統領、国会演説で「配備の協議開始も抑止力の一環」
2月21日 解放軍報「中国軍の空爆により韓国と日本のTHAADは1時間で破壊可能」
2月23日
米国、配備に関する合同実務団結成のための約定書交換を突然に延期
ケリー国務長官「配備に汲々としない」
邱国洪大使「1つの問題で中韓関係は一瞬にして破壊」
2月24日 前日の邱国洪大使発言により韓国証券市場で中国消費関連株、一斉に下げる
2月25日 ハリス米太平洋軍司令官「必ず配備するわけではない」
2月26日 ラッセル国務次官補「THAADは外交的交渉カードではない」
2月29日 武大偉・朝鮮半島特別代表、尹炳世外相に配備反対を伝える
3月2日 国連安保理、対北朝鮮制裁を採択
3月4日 米韓、配備に関する合同実務団結成のための約定書を交換

 さて金永煕大記者の記事から、最も論議を呼んだ部分を翻訳します。なお、韓国の新聞社には「大記者」という肩書が残っています。あまりに時代がかった名称だからでしょう、日本語版では「国際問題論説委員」と訳されています。

  • 韓国の選択は2つのうち1つだ。まず、THAADを配備し、その代価として中国を確実な北朝鮮の後見人にすること。もう1つはTHAAD放棄により、中国が北朝鮮の牽制にさらに積極的に出るようにすることだ。
  • 正解はTHAAD配備の放棄だ。韓米関係は若干の後退を容認するだけの余地がある。韓中関係にはそのようなマージンがない。
  • 戦争の防止が至上命題だが、THAADがあっても北朝鮮の挑発意志をくじくことはできない。いっそのことTHAADを放棄し、中国の力を借りて北朝鮮の戦争挑発を事前に防止することが最善の政策だ。

コメント32件コメント/レビュー

韓国の言論には独特のレトリックがあると思った方がよいのではないだろうか。右手が言っていることはそうだが、左手は真逆で、それもすぐ出すという特徴を。要するに信用してはいけない。戦後日本の対韓交渉は無能の極みで、すべて韓国の言いなりになって賠償金その他の名目で莫大な援助をし、それが資での復興を遂げた。いわゆる被害者ビジネスである。韓国はそれがアメリカにも通用すると嵩を括って泳ぎ、このたびは失敗したのだ。米国と敵対する中国にも友好国とみなされて利益を得たい。等距離外交でいこう。お得意の『これくらいいいじゃないか』精神で少しずつ距離を狭めて、とうとうアメリカの制止を振り切って、中国建国式典に参加した。対日本で、何もしないでも侵略侵略と責めていれば過分な賠償金が得られたのだから、あんな犠牲を払った自分たちには中国もさぞかし大きく報いてくれるはずと期待したのだ。ところが北の核脅威でもその他でも、中国は何の恩恵ももたらさないどころか、プライドをズタズタにされるほど軽く扱われた。気が付けば米国も、厳しい目でどちらにつくのか、返答次第では今までと対韓政策を変えると迫っている。2者択一なら、米国の方がまだ自分たちの利益を守れる。中国の対外政策は徹底的な収奪で、併合・併呑の後苛烈な収奪のみ。土地・資源・利益をもたらす人材は要るけれど、役に立たない人間は要らない、奴隷なら置いてもいいーということが分かっているから、今ならアメリカにお願いすれば、何とか現状で踏みとどまれる。もういい。いざとなればアメリカがまもってくれるーと読んだのではないか。あんな僥倖はもう二度とないと心得て、信頼される国へと脱皮することだ。(2016/07/19 11:28)

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「「南シナ海」が加速させる「韓国の離脱」」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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韓国の言論には独特のレトリックがあると思った方がよいのではないだろうか。右手が言っていることはそうだが、左手は真逆で、それもすぐ出すという特徴を。要するに信用してはいけない。戦後日本の対韓交渉は無能の極みで、すべて韓国の言いなりになって賠償金その他の名目で莫大な援助をし、それが資での復興を遂げた。いわゆる被害者ビジネスである。韓国はそれがアメリカにも通用すると嵩を括って泳ぎ、このたびは失敗したのだ。米国と敵対する中国にも友好国とみなされて利益を得たい。等距離外交でいこう。お得意の『これくらいいいじゃないか』精神で少しずつ距離を狭めて、とうとうアメリカの制止を振り切って、中国建国式典に参加した。対日本で、何もしないでも侵略侵略と責めていれば過分な賠償金が得られたのだから、あんな犠牲を払った自分たちには中国もさぞかし大きく報いてくれるはずと期待したのだ。ところが北の核脅威でもその他でも、中国は何の恩恵ももたらさないどころか、プライドをズタズタにされるほど軽く扱われた。気が付けば米国も、厳しい目でどちらにつくのか、返答次第では今までと対韓政策を変えると迫っている。2者択一なら、米国の方がまだ自分たちの利益を守れる。中国の対外政策は徹底的な収奪で、併合・併呑の後苛烈な収奪のみ。土地・資源・利益をもたらす人材は要るけれど、役に立たない人間は要らない、奴隷なら置いてもいいーということが分かっているから、今ならアメリカにお願いすれば、何とか現状で踏みとどまれる。もういい。いざとなればアメリカがまもってくれるーと読んだのではないか。あんな僥倖はもう二度とないと心得て、信頼される国へと脱皮することだ。(2016/07/19 11:28)

サード配備を「意外」と感じるようでは、
日本は、いつまでたっても韓国サムスンに勝てない、と私は思います。
【経済活動は、安全保障があって初めて成り立つ】からです。(2016/07/12 12:08)

Thaadの配備で中国は韓国にいろいろな制裁をするでしょう。韓国は窮地に陥るかもしれません。そこで、日本はある程度手を差し伸べて対中国戦略を考えねばならないでしょう。そこで、韓国には慰安婦像を撤去して日本に歩み寄れば、中国観光客が減っても、日本人観光客がまた増えるだろう、サムスンのスマホも売れるだろうと交渉することも必要だと思います。足元を見ていますが、これまでの彼らの行動に対する対処としては当然だし、それが外交というものでしょう。今こそ外交の腕の見せ所ですが、韓国も必死でしたたかでしょうから、また、日本の外務省は負けるかもしれませんね。(2016/07/11 16:29)

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