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「金正恩すげ替え論」を語り始めた米国

中国は「その手」に乗るのか

2017年8月10日(木)

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リベラルなNYTも

確かにそうですね。

鈴置:ただその後、保守派のWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)に加え、リベラルなNYT(ニューヨーク・タイムズ)も体制変更論を掲載しました。思い付きの、泡沫的なアイデアではないということでしょう。

 WSJの7月30日の社説「The Regime Change Solution in Korea」はポンペオ長官の意見を紹介したうえで「もう、北朝鮮の核武装を阻止するにはこの方法に賭けるしかない」と全面的に支持しました。

 WSJは具体策として「北朝鮮と取引する中国の銀行や貿易会社に対し制裁を科すことで北朝鮮経済を締め上げる」「金正恩ファミリーの犯罪を北朝鮮の国民と指導層に知らしめる」「北朝鮮が発射した直後のミサイルを撃ち落とし、データの収集を邪魔して開発を妨害する」などを列挙しています。

そんなことでクーデターが起きますか?

鈴置:これを書いたWSJの論説委員も「材料不足だな」と思ったのかもしれません。中国が北の体制変更に乗り出すかもしれない、と付け加えています。中国は北朝鮮の軍や党との人脈を誇ります。中国なら可能と見る人が多いのです。

  • But a debate is already underway among Chinese elites about the wisdom of supporting the Kim dynasty. China might decide to manage the process of regime change rather than allow a chaotic collapse or war on the Korean peninsula, perhaps by backing a faction within the army to take power.

中国でも「すげ替え論」

 中国の指導層の間でも北の体制変更が検討されています。2016年10月にワシントンで開かれたシンポジウムでは、中国の学者――コロンビア大学のZhe Sun上級客員研究員が以下のように語りました(「米中が朝鮮半島で談合する時」参照)。

 聯合ニュースの「China scholars, policy makers begin talking about supporting surgical strike on N.K.: Chinese professor 」(2016年10月7日、英語版)を翻訳して引用します。

  • 米韓による「外科的手術と首のすげ替え」を支持すべきだと語り始めた学者や当局者がいる。もっと過激な意見もある。中国が指導者(金正恩)を換えねばならない。軍が国境を超えて北朝鮮に駐屯し、核開発の放棄と改革開放政策の採用を迫る――との意見だ。

 金正恩委員長の目には、米中が談合して自らを除去しようとしていると映ったに違いありません。

 2017年2月13日にマレーシアで起きた金正男(キム・ジョンナム)暗殺事件はこの記事が引き金となったかもしれません。「すげ替え」を阻止するには「後釜」を殺すことが一番手っとり早いからです。

 「すげ替え」という手法を採ろうとは言わないまでも、中国では「金正恩を見捨てた方が国益にかなう」との議論が活発になっています(「米中が朝鮮半島で談合する時」参照)。

コメント39件コメント/レビュー

どのような解決をするか。これはその後の体制の力関係の綱引き。
第2次大戦のヤルタ会談のように、列強が「その後」の交渉を既に行っていると考えるべき。
米・露・中 3カ国で綱引きがそろそろ終わるのでしょうか。
そこに勿論韓国は入るはずがありませんが、きっと我が国もないってはいないでしょう。

もしかすると、今回の突然の解散は「その後」処理を行うために安倍は米国と密約をしてきたのかも。
安倍が強固な政権を維持できれば、中・露と直接向かい合う事になる日本の核武装の約束をとりつけたのか?(2017/09/29 13:12)

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「「金正恩すげ替え論」を語り始めた米国」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

どのような解決をするか。これはその後の体制の力関係の綱引き。
第2次大戦のヤルタ会談のように、列強が「その後」の交渉を既に行っていると考えるべき。
米・露・中 3カ国で綱引きがそろそろ終わるのでしょうか。
そこに勿論韓国は入るはずがありませんが、きっと我が国もないってはいないでしょう。

もしかすると、今回の突然の解散は「その後」処理を行うために安倍は米国と密約をしてきたのかも。
安倍が強固な政権を維持できれば、中・露と直接向かい合う事になる日本の核武装の約束をとりつけたのか?(2017/09/29 13:12)

北朝鮮が度々発射したミサイルが、実はウクライナ製の在庫がダブついた弾道ミサイルをロシア経由で密輸入していたことが発覚しましたね。
今年に入ってから北朝鮮のミサイル技術が急激に高度化したので、一体どうやって開発費用を捻出したのかが疑問でしたがこれで氷解です。

また、核弾頭も冷戦終了後に流出した旧ソ連製の弾頭を相当数入手、保有しているのではないでしょうか。

従って、北朝鮮の言う「アメリカが射程圏内に入った」は、実は本当の話で、今すぐにでもアメリカ西海岸へ向けて核ミサイル発射可能と考えて良さそうです。

中国も北朝鮮に対して弱腰にみえる対応だったのもこれで納得が行きます。(2017/08/16 23:59)

このお盆の時期、北朝鮮vs米国の緊張についての報道をいろいろ見ていたが、一触即発の米朝危機と呼ばれた1994年よりよっぽど状況は悪くなっている。当時の北朝鮮の、
『核不拡散条約からの脱退。からの核実験再開』
という状況に比べ現在は
『核弾頭開発完了かつ米本土へ届くICBMが現時点で最低で4発の在庫』
である。結局先方のペースで物事は運んでいるのだ。
もし1994年の牧歌的時期になんらかのお仕置きを北朝鮮に与えていたら、こんな風には運ばなかった。もうこれ以上看過すべきでないだろう。
このコメントを書いている8/16時点で、チンピラ的な脅しの応酬からトランプがトーンダウンさせてきたが、落としどころを見つけに入ったように思える。
しかしこれでは、後の世から「2017年危機のときに適切にお仕置きしておけば、こんな全面核戦争を免れたのに」と嘆かれることにならないか?
少なからぬ犠牲は出るだろうが、やるべきではないか?

過激だろうか?(2017/08/16 08:29)

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三品 和広 神戸大学教授