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北朝鮮に「最後通牒」を発したトランプ

「斬首作戦」契機に韓国では左右対立が表面化

2017年9月22日(金)

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第72回国連総会でトランプ米大統領が初演説。北朝鮮に核放棄を厳しく迫った(写真:ロイター/アフロ)

前回から読む)

 トランプ大統領が国連演説で北朝鮮に対し事実上の「最後通牒」を発した。というのに韓国では、金正恩(キム・ジョンウン)暗殺計画を契機に軍と左派政権の対立が表面化した。

北を完全に破壊する

9月19日のトランプ大統領の国連演説。「北朝鮮を完全に破壊する」とまで言うとは。驚きました。

鈴置:もちろん、発言には「北朝鮮の脅威により米国が自国や同盟国の防衛を迫られれば」との条件が付いていますから宣戦布告ではありません。が、最後通牒と言っていい。北朝鮮の核問題は極めて重大な局面に入りました。

 原文は米政治誌「POLITICO」の「Full Text: Trump’s 2017 U.N. speech transcript」(9月19日、動画付き)で視聴できます。「完全に破壊」部分は以下です。

  • The United States has great strength and patience, but if it is forced to defend itself or its allies, we will have no choice but to totally destroy North Korea.

条件を具体的に言えば?

鈴置:非核化です。核を早急に放棄しないと攻め滅ぼすぞ、とトランプ大統領は宣言したのです。米国が北に突きつけた選択肢は2つ。核を完全に廃棄するか、戦争か、です。「非核化」部分の原文は以下です。

  • It is time for North Korea to realize that the denuclearization is its only acceptable future.

イエスかノーか

「第3者に核・ミサイルを売らなければ、北朝鮮の核武装は黙認する」といった妥協案は?

鈴置:専門家の間でそんなアイデアが語られたこともありました(「北朝鮮にはもう、対話など必要ない」参照)。あるいは、米国に届くICBM(大陸間弾道弾)さえ持たなければ核を認める――などの妥協案も。

 しかし米国は中途半端な取引はしない姿勢を鮮明にしました。イエスかノーか、です。トランプ大統領は演説で北朝鮮を「邪悪」(wicked few)、「悪」(evil)と見なし、正義の側(righteous)に立って戦うよう世界に呼びかけました。

  • If the righteous many do not confront the wicked few, then evil will triumph.

 演説では、北朝鮮を旅行中に拘束され死ぬ直前になって米国に戻された大学生や、日本から拉致された横田めぐみさんらにも触れました。金正恩体制の存在を許すべきではないと訴えたのです。

  • We were all witness to the regime's deadly abuse when an innocent American college student, Otto Warmbier, was returned to America only to die a few days later. We saw it in the assassination of the dictator's brother using banned nerve agents in an international airport. We know it kidnapped a sweet 13-year-old Japanese girl from a beach in her own country to enslave her as a language tutor for North Korea's spies.

 こんな演説をした以上、トランプ大統領は「米国まで届かない核なら持っていい」などと妥協できません。「あの演説は何だったのか」「邪悪な体制に核を持たせたままでいいのか」と、米国が非難されてしまいます。

 トランプ政権は北朝鮮が核を完全に放棄しない限り、徹底的に戦うハラを固めたのです。演説に先立ち、幾人かの政府高官がテレビを通じ、同じメッセージを一斉に発しました。北朝鮮に米国の意思を間違いなく伝えるためでしょう。

 北朝鮮も同様です。米国にまで届くICBMを手放せば、米国との核の均衡が作れません。核武装の意味がないし、下手したら攻め滅ばされてしまいます。もう、中途半端な取引はできないのです。

コメント44件コメント/レビュー

韓国紙が、「北朝鮮が韓国のミサイル技術をハッキングした、」と報道した。韓国の自画自賛だろうか。北朝鮮の技術のほうがよほど進んでいるだろうから、韓国の自立できない遅れた軍事技術など使わないと思うが。毎度の中身のないプライド論のような気がする。(2017/09/26 15:23)

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「北朝鮮に「最後通牒」を発したトランプ」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

韓国紙が、「北朝鮮が韓国のミサイル技術をハッキングした、」と報道した。韓国の自画自賛だろうか。北朝鮮の技術のほうがよほど進んでいるだろうから、韓国の自立できない遅れた軍事技術など使わないと思うが。毎度の中身のないプライド論のような気がする。(2017/09/26 15:23)

 独仏が対話を主張するのは、習近平の機嫌を損ねて中国でのビジネスに支障がでないよう配慮している(配慮せざるを得ないアクションが中国からある)からでしょう。

 それを、国際社会もアメリカと日本の強硬姿勢を批判していると、日本のメディアやコメンテーターが世論誘導を図る、何とも分かりやすい構図になってます。

 ある局の日曜朝のワイドショーでは、トランプが国連演説で拉致問題を取り上げたことを政治利用だ!と批判し、日本国民は核兵器(の使用)に特別な感情を持っていることをアメリカに認識させるべき(アメリカは北朝鮮に核を使うな!)!と、アメリカ批判を繰り広げていました。

 郵便ポストが赤いのもアベのせい顔負けの、北が荒ぶるのもアメリカのせい!キャンペーンです。目眩がしますね。(2017/09/26 09:48)

ドイツやフランスが北朝鮮との対話を強調するが、彼らはISとの対話も同様に主張するのだろうか。中国に札びらで頬をたたかれている人たちは、中国よりの発言をするのでしょうね。(2017/09/25 13:36)

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三品 和広 神戸大学教授