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金正恩をコーナーに追い詰めたトランプ

北朝鮮は「米国が核戦争を起こす」と世界に訴え反撃

2017年9月27日(水)

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9月23日夜、米B1B爆撃機が北朝鮮東方沖を飛行(提供:U.S. Air Force/AP/アフロ)

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 核武装の阻止を目指し、米国が北朝鮮を追い詰める。国連演説、金融制裁、軍事力をフル動員して。

「完全に破壊」と「水爆実験」

米国と北朝鮮の間で緊張が高まりました。

鈴置:確かに激しい言葉の応酬となっています。が、仔細に見ると米朝間で駆け引きが始まっているのが分かります。とりあえずは米国が北朝鮮を追い込んでいます。

 まず、トランプ大統領が9月19日、国連で「核武装を放棄しないなら、北朝鮮を完全に破壊(totally destroy)する」と宣言しました(「北朝鮮に『最後通牒』を発したトランプ」参照)。

 これに対し北朝鮮は、国連総会に出席した李容浩(リ・ヨンホ)外相に「太平洋上で過去最大の水爆実験をする」と言わせました(日経・電子版「太平洋で水爆実験なら国際法に違反」参照)。

 世界のメディアは「戦争になるかもしれない」と大騒ぎしました。ただ米朝双方は、相手を威嚇する際にも状況が悪化しないよう、考えて発言しています。

 9月19日のトランプ大統領の国連演説は「北朝鮮を攻撃する際は核兵器も使う」と宣言したのも同様でした。核をちらつかせての最後通牒です。米国は、北朝鮮の挑発のエスカレートを抑え込むにはこの強烈な威嚇しかないと考えたと思います。

 核の使用は米軍の専門家の間では当然の選択肢でした。北朝鮮のすべてのミサイル発射台の正確な位置を把握できない以上、広い範囲の地域を叩ける戦術核も一部で使うしかない、との判断です(「北朝鮮は日米分断に全力をあげる」参照)。

 そうしなければ米国や韓国、日本は、北朝鮮に核ミサイルなどで反撃されてしまします。

核攻撃を辞さない

 北朝鮮はすでに米国や韓国を先制核攻撃すると何度も宣言しています(「朴槿恵は『北爆』を決意できるのか」参照)。

 米軍は、そうした国への先制核攻撃を躊躇しません。だから米国の安保関係者が口を揃えて「戦争になったら悲惨な目に遭うぞ」と北朝鮮に警告してきたのです。

 9月3日にもマティス(James Mattis)国防長官が「米国やその同盟国を攻撃すると脅すなら、大量の軍事的対応で悪漢国家を全滅(total annihilation)させることもある」と語りました(「北朝鮮は日米分断に全力をあげる」参照)。

 もちろん、核を使うぞと示唆したのです。核兵器を使わなければ「北朝鮮は全滅」しません。

 9月18日には「(ソウルへの反撃は)防げる。ただし、その方法には言及しない」と記者に語りました(「北朝鮮に『最後通牒』を発したトランプ」参照)。

 これまた「核を使用する」と言ったも同然です。それ以外に「ソウルへの反撃を完全に防ぐ方法」はないからです。

 ただ、軍関係者以外には核攻撃――事実上の先制核攻撃になるのでしょうが――を実施すれば、国際的な非難を浴びると反対する向きも米国にはあります。

 そうした声を増すため北朝鮮は首都、平壌の国際空港から弾道弾を発射するようになったと思われます。人口密集地にも弾道弾は配備している。そこに核を使う勇気はあるのか、と捨て身で威嚇したのです(「北朝鮮は日米分断に全力をあげる」参照)。

そこでトランプ大統領が9月19日に……。

鈴置:世界の首脳が集まる国連総会で、米国の統帥権者として「完全に破壊(totally destroy)」との言葉を使って「核使用」への決意の確かさを示したのです。

 北朝鮮に「次に核・ミサイル実験をすれば、戦争になるかもしれない」と考えさせるためです。トランプ発言は核放棄を迫るのが最終的な目的ですが、核開発を現状で止める効果も期待できるのです。

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「金正恩をコーナーに追い詰めたトランプ」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長