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北への予防攻撃が頼みの綱だ

「自前の核武装」は間に合わない

2016年10月14日(金)

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米国が配備を迫り、中国が拒否を迫るTHAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)。韓国の保守派は「THAAD配備が実行できなければ、いよいよ北の核に対抗できなくなる」と焦りの色を隠さない(提供:U.S. Department of Defense, Missile Defense Agency/ロイター/アフロ)

前回から読む)

 「自前の核」を唱えていた韓国の保守派が、北朝鮮への「予防攻撃」をも訴え始めた。北の核武装が予想以上に速いテンポで進むからだ。

脆い「米国の核の傘」

前回は韓国の保守の論客が「北の核」がいかに韓国の安全と独立を侵すかを必死になって国民に訴えているとの話でした。

鈴置:米国の「核の傘」が「北の核」の前ではいかに脆いものか、保守運動指導者の趙甲済(チョ・カプチェ)氏が極めて具体的に説明しています。

 自身の主宰するネットメディアに載せた「仮想シナリオ・大韓民国最後の日(1)」(9月23日、韓国語)が圧巻です。シナリオの形式をとって、悲惨な韓国の近未来を描き出しました。

 北朝鮮が核ミサイルを実用化した後の2018年か2019年頃の朝鮮半島が舞台です。要約しながら訳します。

  • 北朝鮮が軍事境界線付近の白翎島(ペンニョンド)を突然砲撃し、韓国の軍民に数百人の死傷者が出た。韓国軍は直ちに報復、同島の砲撃を命じた北の軍団司令部を空軍機で爆撃した。北朝鮮側も多数の死傷者を出した。
  • 翌日、金正恩(キム・ジョンウン)自身が直接「我々への攻撃命令を下した国防長官、参謀総長らを処罰しろ。損害を補償しろ。白翎島から韓国は出て行け」と要求したうえ「応じないなら韓国の都市1つに核兵器を使う」と宣言した。
  • 韓米両国の大統領は緊急に電話会談し「米国は約束通りに韓国に核の傘を提供する」と共同発表。さらに米国は空母と潜水艦を韓国周辺海域に派遣した。

日韓で「核戦争反対」デモ

米国はちゃんと「核の傘」を提供すると宣言するのですね。

鈴置:ええ、そこは「従来の現実」通りです。北朝鮮が核実験するたびに、米国は核の傘を提供すると日韓両国に確認してきました。でも北が核を実戦配備すると、この先の展開が変わってくるのです。以下です。

  • 北朝鮮は「もし、米国が攻撃してくるのなら米西海岸を核攻撃する」と宣言した。
  • そんな中、韓国では「核戦争反対運動」が巻き起こった。大規模のデモ隊が平和を叫びながらソウル市内を占拠。彼らは北の核攻撃の脅威を糾弾するのではなく、米国を批判した。
  • 多くの国民が「とりあえず核戦争を防がねばならない」と米韓の強硬策に反対した。世論調査では70%以上の韓国人が「平和のために北の要求を聞かねばならない」と答えた。
  • 韓国の政界でも「北の司令部への攻撃はやり過ぎだった」といった批判が強まる半面、「一戦も辞さず」と主張する声は小さくなった。
  • そうした韓国の動きを見て、米国では議会とメディアを中心に「ソウルを守るためにロサンゼルスを犠牲にはできない」との世論が高まった。
  • 米軍基地がある日本でも「第2のヒロシマに反対する」と、米国の対北報復方針を批判する大衆運動が始まった。米韓両国政府はジレンマに陥った。

コメント34件コメント/レビュー

アメリカが自国への(核を含めて)攻撃を許さないのは自明。その最善策が予防攻撃ならば迷わないだろう。その結果,北朝鮮から同盟国への反撃があれば対処するのが米国の義務になる。その反撃が核攻撃であれば報復核攻撃を行うことになるだろう。この報復を怠れば,米国の「核の傘」への信頼性が低下し,米国の威信が低下する。したがって,予防攻撃をする場合は同盟国への核攻撃も含めて「予防」するような攻撃にならざるを得ない。北朝鮮の核攻撃拠点が何か所あるか知らないが,中朝国境近くにも配置されているようだ。中国が「中国への攻撃」とみなさない程度の合意・取り決め,了解がなければ実施は難しいかもしれない。さらに,SLBM対策も必要なはずだ。結論的にはほとんど全面戦争になって,北朝鮮国家システムを壊滅させることになるのではないか。それだけの周到な準備が必要なら,どこかの時点で日本や韓国も知らせられなくても察知できるだろう。それよりも知られられた場合,『共同作戦』として,潜水艦攻撃やミサイル基地への空爆作戦機の護衛を頼まれたら自衛隊はどうするのだろうか。心配の種は尽きない。覚悟とは胃の痛くなるものだ。(2016/10/22 12:47)

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「北への予防攻撃が頼みの綱だ」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

アメリカが自国への(核を含めて)攻撃を許さないのは自明。その最善策が予防攻撃ならば迷わないだろう。その結果,北朝鮮から同盟国への反撃があれば対処するのが米国の義務になる。その反撃が核攻撃であれば報復核攻撃を行うことになるだろう。この報復を怠れば,米国の「核の傘」への信頼性が低下し,米国の威信が低下する。したがって,予防攻撃をする場合は同盟国への核攻撃も含めて「予防」するような攻撃にならざるを得ない。北朝鮮の核攻撃拠点が何か所あるか知らないが,中朝国境近くにも配置されているようだ。中国が「中国への攻撃」とみなさない程度の合意・取り決め,了解がなければ実施は難しいかもしれない。さらに,SLBM対策も必要なはずだ。結論的にはほとんど全面戦争になって,北朝鮮国家システムを壊滅させることになるのではないか。それだけの周到な準備が必要なら,どこかの時点で日本や韓国も知らせられなくても察知できるだろう。それよりも知られられた場合,『共同作戦』として,潜水艦攻撃やミサイル基地への空爆作戦機の護衛を頼まれたら自衛隊はどうするのだろうか。心配の種は尽きない。覚悟とは胃の痛くなるものだ。(2016/10/22 12:47)

予防攻撃のそもそもの発動条件が「北朝鮮が米国への直接の核攻撃が可能になった、若しくは極めて近いうちに可能になりそうだ」というものなのですから、そんなことは自明のことだと思いますが。

……とう投稿があるが、全く同感だ。そして、コラムでもこの点を

「--なぜ突然、米国は北朝鮮への先制攻撃を匂わせ始めたのでしょう。
鈴置:北朝鮮の脅威が「限界」を超えたと見なしたからです。いくら核爆弾を持っても、米国まで運んで来なければさしたる脅威ではなかった。」

9/30アップの「米国が北朝鮮を先制攻撃する日、韓国と日本は?」の中で記述してあり、読み取らないのは読者として筆者や編集者に不親切(?)とすら思う。まあコラムのバックナンバーは、「下手くそな工作するにせよ、無理せずハングルか何かで投稿すればいいのに……」と思わせるような句読点と内容の投稿とは違い、読み返すのに苦痛な文章ではない(プロだから当然だが)から読み返すのは容易だ。ちなみに、「--なぜ突然……」とあるが「突然」ではない。それこそ平和ボケしてないか?南朝鮮メディアと同じ感覚では鈍くなるのでは?と改めて思った。

感想投稿にID付与するなり、ナンバー付けたりしてくれませんか?投稿の際、意見1に対して云々……とか書きやすいから。(2016/10/21 20:24)

<国連軍のネタで書いたものです>さんへ

 自分が<<話を意図的にすり替えている>>という意識はお有りでしょうか。あなたが最初に始めた「国連軍」の件とか「統一大当たり論」の件とか「大国任せが招いた自業自得」の件とか、どこに消えてしまったのでしょうか。いい加減に「話をすり替えれば、過去に書いた文章は誤魔化せる」という舐めた考えは捨てて貰えませんか?

 今回は他の方が指摘してくださった問題以外をお答えします。

>そんな北が、攻撃されたら、ただ単に攻撃されるまま、何も反撃しないと、そういうことを言いたいのですか?

 全く違います。米軍の空爆に対する北朝鮮軍による迎撃なんてほとんど効果がないので、無視できると考えているだけです。

>反撃力を全て根こそぎ削いでしまうだけの「予防攻撃」なんてものがあるなら、ベトナムの北爆でも不可能だったことを、実現すると言うことになりますが 核を何発も撃ってでないと、こんなことは不可能です

 <反撃力を全て根こそぎ削ぐ>なんて話は、私は一切していません。私は<長期戦にならないようにする>としか書いていません。“全て”とか“根こそぎ”とか、勝手に話を作らないで貰えますか。

>B52での戦略爆撃で、核無しで攻撃するだけでも、中国が同意するはずは無いし、ロシアも許すことは無いでしょう

 米国が中国やロシアの同意無しには北朝鮮を攻撃できない、というのは何を根拠に言っているのでしょうか?。イスラム国やウクライナの件は、米国が中国やロシアの同意を完璧に取り付けた結果だと本気でお考えなのでしょうか?

>反撃力を奪うには、地上戦は避けられないし、第一、予防的攻撃などという兵力の逐次投入など、やってはいけないし、やるはずもない妄言です

 予防攻撃が、何故「戦力の逐次投入」なのですか?。また一旦戦闘を開始したら相手の国民を完全に皆殺しにするまで絶対終わらせちゃいけないとでもいうのですか?。“戦略的な”全面戦争を避ける為に、“戦術的な”戦闘(この場合はピンポイント爆撃)を行う事の、一体どこが「戦力の逐次投入」なのですか?

 あなたはその場を凌ぐ為に話をすり替えて誤魔化す人だという事が良く判りました。次回は「国連軍」の話と「統一大当たり論」の話と「大国任せが招いた自業自得」の話と「戦力の逐次投入」の話を聞かせてください。全部あなたが始めた話です。(2016/10/20 21:33)

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